右翼とは、現状を是認してその変革を拒否する考え方であると定義すれば、その最右翼の政党は日本共産党だ。
　与野党を含めて、最もまともな主張をするのが共産党である。その点で共産党は信用できるし、大好きである。
　だが、共産党に投票するか、と問われればNOである。
　その理由は二つある。第一に投票しても当選する確率はゼロだから、死票になてしまうこと、第二に共産党政権になることは当分あるまいが、共産党はソ連における70年に亘る共産党社会建設の壮大な実験の失敗にも拘わらず、日本的共産主義を主張し続けていることで、この考え方には原理的に反対だからである。
　共産党が保守の最右翼というは、この第二の点に固執しているからでもあるが、それとともに、日本共産党という党名を変えようとしないからである。
　共産党は自負している。それは第一に日本の政党の中では最も古い政党であること、第二に唯一大平洋戦争に反対した政党である点である。
　このような自負があるから、共産党という名称を変えようとはしないのである。
　この気持が分らないではないが、それよりも一般大衆に与える共産党という名前のマイナスイメ－ジの方が問題ではないかと思うのである。
　最近の共産党の動きをみていると野党勢力を拡大させるために、今までは各選挙区に勝てもしない候補を立てるのを止めて他の野党候補に票を集中させるようにしたり、かなり弾力的になってきているが、更に一歩を進めないと党の発展は期待できないと思うのである。