２０００万人に及ぶ雇用保険や労災保険給与を過少に算定するという大問題を引き起こした、毎月勤労統計調査の不正の問題では、これを調査する特別監査委員会の報告でも、僅か１週間たらずで結論を出した初めの調査報告と同様に、隠蔽を認めなかった。
　この問題を惹起したプロセスの各責任者は、口を揃えて「記憶にない」というばかり、しかし、その不正に気が付いたという何代目かの担当課長もそれを上司にも報告せず、それを統括する統計委員会にも「きちんとやつています」とウソの報告をしている始末。
　それを積極的な秘匿ではないという屁理屈は、阿倍総理のアベノミクスに有利なデ－タを報告したいという、組織的な対阿倍忖度忖度の風潮に流された結果であると断定せざるを得ないのだ。
事実を隠そうとして隠した行為に、積極制はないという理屈はないはずだ。が、監査委員会は、それは、統計というものの意味を重視していない関係者の認識の欠如によるで隠匿はその結果にすぎないと逃げている。
　しかし、それは窮余の屁理屈で、以心伝心的な対阿倍忖度がここまで浸透してしまつているのだ。
　どうも、日本の現状は、民主主義の最悪の面が露呈し切っているように思われる。
　村上新八