日本政府は、尖閣諸島事件の真実を明らかにする一端として、中国の漁船が、故意に舵を切って、日本の巡視艇に突っ込んできたビデオを公開しようとしている。
　これに対して、中国政府は、「中国の漁船は、日本の巡視艇に囲まれて行き場をなくして衝突したものである」とか「ビデオがあるといっても原状とは変えられてているものかも知れない」などと、述べている。彼らは、真実を見せ付けられと、自国の立場が悪くなるから、それはは困るのである。全く汚い態度である。
　逆に言えば、かれらが、日頃そういう誤魔化しをやっているから、そのような汚い想像をするのであろう。
　いままでの、人権抑圧問題、チベット問題、新疆ウイグル問題、南沙諸島、西沙諸島、餃子中毒事件などなど、中国政府にとって、都合のわるいことは、すべてこの尖閣諸島問題と同様に、事実を歪曲し、歪めた口実を捏造して、処理してきたのだと思わざるを得ないのである。
　中国は、こういう国なのだとすると、お人善しの日本は、いいように手玉にとられてしまうであろう。用心の上にも用心してかかる必要があろう。
　村上新八
　
　

　北朝鮮で４４年ぶりに朝鮮労働者党代表者会議の開催に先立って、金正日の三男、正雲が大将に任命された。
　２０歳台の若造で、何の成果もなく、軍歴どころか、軍人としての教育も受けてはいない若造が大将とは呆れ返る。
　金成日、正日、正雲と続く完全世襲体制なのだ。
　それなら、大将よりも、北朝鮮を金帝国に改名して、金帝国の皇太子、正雲とするほうが納得がゆく。
　このような大将任命は、軍さえ掌握していれば、「先軍主義」で国民を押さえつけ、金帝国を維持していけると思っているからである。
　北朝鮮で民主革命でも起これば、かってのル－マニアのチャウシェスクのように、まず血祭りにあげられるのは金一家で、次はそれを支えてきた軍人である。この民主革命の恐ろしさを軍人に植え付け、民主革命を押さえつけておけば、金帝国を維持してゆけると感じているからである。
　朝鮮人民は飢餓状態で、抵抗する力もない状態にしておくことが金帝国安泰の道だと思っているのだ。
　それを支援している中国も悪である。
　村上新八　

　中国は「ならずも顔負けのイチャモンをつけてきている。が、民主党には、中国とのパイプがないから、事態が膠着したままだという。
　去年、２００名もの議員や経済人を引き連れて、胡錦涛参りをしたのは小沢一郎だった。中国も「熱烈歓迎」で、参加者一人ひとりと胡錦涛がツ－ショットを撮るなど、大サ－ビスであった。
　このパイプを使って、小沢が胡錦涛と会談して、尖閣の話を丸く収めるようにしたら、小沢人気は急上昇することは間違いない。
　このような事態にこそ、小沢の出番があり、それは、国民に不人気な小沢人気を挽回する絶好のチャンスだと思う。
　その自信もないなら、小沢が大挙して中国を訪問したのは、何だったのか、親分にご挨拶に伺っただけなのか。それなら、小沢は政界から引退したほうがよい。
　村上新八
　

　中国は、脱北者の捜索、逮捕と北朝鮮への送還を強化し始めた。彼らが北朝鮮に送還されたら最後、強制収用所に入れられ、動物並みの扱いで、時間を掛けた死刑が待ち受けていることは知っていながらの措置である。
　脱北者は、祖国の裏切り者ではない、北朝鮮の政府の長年に亘る失政続きで、食っていけないから、命の危険を賭けて脱北してきたのである。
　だから、人道的配慮をもって、これを受け入れるるというのが、各国の対応として定着していたことなのだ。
　しかるに、中国政府は脱北者を探すために、スパイを放って情報を収集したり、脱北者だと偽って、脱北者に近づき、一網打尽にして、北朝鮮の地獄に強制送還することまでやっているという。
　中国は、人権無視の国であることは知られているが、ここまでもやる非道な国なのだ。
　国連の人権理事会で、この問題を取り上げ、中国に厳重警告すべきである。
　村上新八

　尖閣諸島事件は、偶発的なものとにしては、中国政府の、矢継ぎ早の対応が手際よすぎる。日本大使を休日の深夜に中国外務省に呼びつけたことから始まって、フジタの社員４名の拘束など一連のカ－ドのきり方をみると、以前から周到に計画されたものであると思う。
　彼らの狙いは、南沙、西沙の両諸島とアジアでの覇権の確立にあることは明らかだが、その手はじめとして日本領の尖閣をねらったのであろう。
　漁船の船長も、本当は、海軍の軍人が船長に化けて、やったことではないか。軍人でなければ、日本巡視艇に船首を衝突させるような無謀なことはできないと思う。
　こうして、「日本など目じゃない」という実績を作って、南沙、西沙で争っているベトナム、フィリピン、インドネシアの口をつぐませようという魂胆なのだ。
　こうなれば、日米安保に従って、尖閣に米軍の補給基地でも造る必要があろう。日本が自衛隊機地を造ったのでは、中国軍の攻撃をも招きかねないからである。
　村上新八

　中国は、尖閣諸島での中国漁船船長の拘留問題で、今度は、損害賠償の請求まで行ってきた。厚顔無知にもほどがある。
　日本は、拘留した船長の、中国との摩擦を避けるために、拘留期限前の釈放には応じたが、この上更に、損害賠償の請求にでも応じることがあれば、それは、中国の領有権を認めることになるのである。そんなことは、絶対にありえない。
　南沙諸島、西沙諸島でもベトナム、フィリッピン、台湾などと揉めている中国だが、ここで日本を屈服させれば、右へ倣えで、これらの島々をも手に入れ易くなると読んでいるのであろう。
　この動きは、明らかに、アジアの覇権確立を狙った動きである。これにはＡＳＥＡＮ諸国もアメリカも黙ってはいまい。
　東アジア情勢混沌の要因がまた一つ増えた。
　村上新八
　
　

　国連総会に出席のため訪米中の菅は、オパマと初の会談を行った。
　このなかで、尖閣諸島問題についても、話し合ったようである。その内容は分からないが、尖閣諸島については、アメリカの東アシア戦略上も極めて重要むであるはずである。
　これが日本が管理をはなれて、韓国が兵隊を駐留させている日本領の竹島のように、中国がここに、軍事基地でも築いたら、沖縄の米軍にとっては、大きな脅威になるからである。
　先にヒラリ－国務長官が、日米安保には尖閣諸島も含まれる、と言ったのはこの意味である。
　中国は、フジタの社員４人を、撮影禁止地域を撮影したなどのイチヤモンを付けて拘束したり、太陽光発電機器製造に欠かせない希少物質、レアア－スを対日禁輸にするなど、やりたい放題で脅迫しているが、こういう卑劣な手口は、「ならず者国家」のやることである。
　村上新八
　

　中国の最大の強みは、人口が世界最大の１３億、その上貧困層がその大半を占めているという点である。その貧困層の労働を搾取して、低価格の製品を世界に輸出し、高度成長を続けているのだ。
　その上、先進国の知的財産権、つまり特許などは侵害するし、ブランドの模造はするということも平気でやっている国である。
　こういう品位のなさの一つの現れが、今度の尖閣諸島海域における、日本の独占的経済水域侵犯の漁船による日本の巡視船への体当たり攻撃事件をめぐる中国の姿勢である。
　中国政府は、この事件で拘束されている漁船の船長の無条件釈放を求めて、政治、文化、観光旅行の交流を止めるという強硬措置を取り、それを更にエスカレ－トさせようとしている。
　尖閣諸島の日本領有は、１８８５年だが、中国が領有権を主張し始めたのは、１９７１年からである。その理由は、１９７０年に国連の資源調査によって、尖閣諸島周辺の海底に石油資源がある可能性が報告されたからなのだ。
　東沙諸島でも南沙諸島でも、周辺各国ともめているが、資源確保のためには、何でもやる、という中国の品位の無さは、今後、世界を不安定化させる大きな要因となるであろう。
　村上新八

　厚労省の郵便割引制度不正事件で、大阪地検の主任検事が、不正事件の指示者容疑だとして告訴された村木元局長の完全無罪を立証する証拠を隠匿し、改ざんしたという検察史上未曾有の事件が発覚した。
　その第一審では、裁判所は、元局長に対して無罪の判決を下したが、主任検事はこの容疑によって逮捕された。
　警察の捜査では、刑事が尤もらしい犯行の筋書きを創作し、それを容疑者に強引かつ執拗にに押し付け、これを否認する容疑者がついに根負けして、その捏造調書にサインし、それが冤罪を生む、という例は沢山あった。それが日本の警察捜査の常套手段化していたともいえるほどであった。
　しかし、この事件は、それとは異質の事件である。真相を追究すべき検察が、無罪の証拠があることを知りながら、それを隠蔽して、有罪を勝ち取ろうとする卑劣極まる事件だからである。
　この主任検事は、その敏腕さで検事のホ－プとみなされていた人物であるだけに、自分が「見込んだ筋書き」が覆り、自分の捜査暦に瑕がつくのを恐れたのであろうが、それは絶対にあってはならないし、検察への信任を泥まみれにしてしまった事件である。
　最高検は、厳重に捜査し、このような検察の悪弊を一掃するとともに、取調べの完全ビデオ撮影による可視化を断行すべきである。
　村上新八

　菅総理の顔つきは、最近、元の、明るい、元気な顔つきに戻った。参院選で敗北を喫した当時の、浮かない、沈んだ顔つきとは様変わりである。
　国のリ－ダ－は、そういう明るい顔をしていなければならい。これは、
代表戦で国民の支持が高かったこと、そして、代表戦に勝利したこと、名内閣の人選でも、菅流を貫いて、小沢に媚を売るような気配を見せなかったことが、好感されたものであろう。
　しかし、この支持率向上は、代表戦での国民の支持が、消去法であったと同様の、菅内閣に対する期待値に過ぎないものであると思う。実績らしいものはまだ見えてはいないからだ。
　菅は、いままでの民主党内閣は、「試行錯誤の連続」であった、その経験を踏まえて、これからいよいよ実行の段階に入った、と述べている。その通りだと思う。
　内外の問題は山積している。内政ではデフレ、景気、雇用、普天間、財政立て直し、外政では、尖閣をめぐる中国との摩擦、にっちもさっちも行かない拉致問題、円高など。その上、衆参のねじれ対応の問題が立ちはだかっている。対小沢派の党内調整も必要だ。
　一挙に問題解決とはゆくわけはないが、優先順位を誤らず、着実に成果を示してもらいたい。それが国民の期待だ。
　村上新八