アウンサンス－チ－の自宅軟禁を解除したミュンマ－の軍事政権は、「これは民主化への一歩だ」として、ミャンマ－に対する制裁を解除するように国際社会に要求している。
　しかし、ス－チ－の軟禁解除は、ペテン憲法改正で、ス－チ－率いる国民民主同盟の政治活動を一切封じた上で、軍系列特別優遇のペテン総選挙で民主化を装った議会を作ったに過ぎず、軍系列の議席が８０％という議会は誰も民主化された議会とは思ってはいないのである。
　これを民主化だと偽って制裁解除を要求するのは、世界の目が節穴だとでも思っているのであろうか。
　軍事政権を支援している中国と縁を切り、ス－チ－初め国民民主同盟の参政権を元に戻し、２０００人の野党関係収監者を釈放し、不正憲法を改正し、今の議会を解散したとき、初めて民主化への第一歩と認められるのである。
　それまでは、制裁を絶対に解除すべきではない。
　村上新八

　失業青年の路上での野菜販売を逮捕したのを機に発生、鬱積していた国民の不満のマグマが爆発、インタ－ネットを通じて、燎原の火の如くにエジプト全土に広がったムバラク大統領の辞任要求デモは、止まないであろう。大統領はチュニジアのベンアリ大統領と同様に国外に逃亡することになるであろう。
　このデモの死者は１２０名、負傷者は１０００名以上と言われているが、これだけ全国規模に拡大してしまってはもう手の打ちようがあるまい。
　ＥＵやアメリカは、この政権崩壊で、イスラム過激派が台頭することを恐れており、現政権の維持を望んでいるが、これまで拡大すればどう仕様もあるまい。
　北朝鮮のように、全国に密告網を張り巡らせて、きめ細かく反乱の芽を摘むやり方はとっていなかったのであろうが、アラブ改革が良い方向に向かうことを期待したい。
　村上新八
　

　現在の政治が窮地に陥っているのは、国内外の問題山積と景気低迷の中で、衆参のねじれに加えて、与党の「熟議」誘いにも拘わらず、これを拒否して、予算関連法案の成立もままならなくなっている点にある。
　税のムダ使いを徹底排除によって、人に手厚い施策を盛り込んだマニフェストを実施できると考えた民主党の誤算はあるが、それは今からでも修正できるし、与党もそのつもりでいる。
　しかし、窮地の根源は、いままでの長年の自公政権下での野放図な国債依存、と官僚任せの政治にあったことは誰しも認めざるを得ないであろう。
　だからこそ、与野党が知恵を絞り合って、この窮地の打開策を案画、実施しなければならないのだ。
　それにも拘わらず、野党は、解散、総選挙しか頭になく、つまらぬチャモン付けや揚げ足取りのみに終始している。仮に野党が政権をとっても、やることは変わらないのだ。
　こういう政治の混迷が続けば、日本は滅亡へと一挙に突き進むばかりであろう。
　村上新八
　

アメリカの格付け会社が円国債のランクを引き下げた。これにより、円レ－トは、９２円台から９３円台に一時下落した。いまの日本の経済、財政の実態を考えれば、格付け引き下げは当然であろう。
　政府の借金は、２３年度末には１０００兆円、GDPの２倍になる。日本の場合は、国債を買っているのは、実質的には国民だから、ランクが下がったからと言って慌てて売るようなことはないから、７０％が外国買いのギリシャ国債のように、一挙に売り込まれて、暴落し、国債の利回りが急騰するということはない。が、これはもう国民が買える限界である。
　事業仕分けでやってみたが、鳩山が予想したような２０兆円というムダは出なかった。とすれば、マニフェストを見直し、消費税率を上げるしかないわけだが、この国債格付け引き下げとアメリカ景気の上向き気配で、円安が進めば、輸出環境の好適化で、税収が上がり、財政再建にもプラスになるのだが、さてどうなるのだろうか。
　村上新八
　

　通常国会が始まり、菅に施政方針に対する代表質問が始まった。が、谷垣自民党総裁の菅内閣攻撃は、菅の熟議呼びかけに対して「マニフェストを撤回して、解散、総選挙を約束するなら、協議に応じてもよいが、その前提なしには協議はできない」との一点張りであった。
　民主党のマニフェストが、財源不足で、行き詰まっていることは民主等も認めている。しかし、子ども手当てにしても、高校無料化、農業所得保障、いずれも一概にはバラマキとは言えない。少子化時代なのに、EUなどに比しても子どもに対する施策は遅れているからである。
　しかし、このマニフェストが税金のムダ使いをなくすことによる財源でまかなえるであろう、という予想がはずれたために、最大の予算規模になったことは事実であり、そこは、国民に詫びねばなるまい。
　しかし、菅内閣の柱とする「消費税論議」や「TPP参加という第三の開国」は、自民党も方向は一致しているはずだから、それを協議し、良い形に収斂させることは野党としての責務であり、国民の望んでいることなのだ。
　それは、解散や総選挙とは関係なく出来ることであり、喫緊の課題でもある。それをいきなり、解散、総選挙を持ち出すのは、政権の奪還だけしか頭にない、欠陥政治家の所業だと言わざるを得ない。
　村上新八

　２５日モスクワ均衡の空港ロビ－で大規模な自爆テロがは発生、死者３５肉、負傷者１８０人に上るという。これは去年３月のモスクワ地下鉄の大規模な自爆テロに続くものである。
　今回の事件も北カフカスのイスラム過激派がやったものであろう。
　現首相のプ－チンも、チェチェン紛争を鎮圧した功で大統領になった男だが、その紛争は未だに続いているのである。
　北カフカスでは、１００年以上も前からごたごたが続いているが、未だに解決していない。余程ロシア人との性が合わないのであろう。
　この地域の貧困を解決しても、テロは止まない。彼らは独立を望んでいるからだ。また、武力でテロを鎮圧することも無理である。
　こうなれば、期限を決めて、テロを起こさないことを条件に、順次自治権の拡大から独立への道を保障するというやり方も考えてみたらどうであろうか。
　村上新八

　２４日、菅首相の施政方針演説が行われた。菅内閣として考えている方向は分かった。
　衆参ねじれの上、衆院での与党が２／３に達していないなかで、自然成立する予算案は良いが、それを施行するための法案が通らない、ということになると、国民生活に重大な影響を与えることになる。
　そのために、菅は、野党に対して、しつこく熟議を求めたのである。これに対して野党の態度は、解散、総選挙を目指すことしか考えていないように見える。
　自民党の谷垣総裁は「ばらまきをしておいて、付けの払いだけ一緒にやろう、という話には乗れない」なとと言っているが、予算なのだから、「ばらまき」自体をどうするかの協議もできるのだ。
　今の政治は、誰がやっても大変だ。その対案も出さずに内閣を倒すことばかりに注力するのは、政権を奪還することしか頭になく、国民の方は全く見ていないからである。国民にとっては大迷惑である。
　きちんと真面目に政治をやれよ、野党さん。
　村上新八

　胡錦涛が訪米を終えた。
　米国による台湾への武器輸出や南シナ海、東シナ海問題、北朝鮮問題、劉暁波問題などで、ギクシャクしている米中関係を修復しようとする狙いがあったとされる。が、その溝は埋まらなかった。その代わりに中国が得たものは、「米国の協力パ－トナ－」のお墨付きであった。胡錦涛は
１米国から、航空機２００機など３兆７千億ドルもの輸入をする約束をした
２北朝鮮のウラン濃縮計画を「事実未確認」から「懸念している」と判断を後退させた。
３５月かに米国が求めている「人権対話」を始める
　など、大幅に譲歩した結果のお墨付きであった。これを朝貢外交というのである。
　中国が米国と並ぶ大国かどうかを決めるのは世界の判断であって、米国のお墨付きではない。胡錦涛はついから米国権威の僕になったのか。
　胡錦涛のプライドはその程度のものか、それとも対米朝朝貢外交の裏に何かがあるのか。
　村上新八
　

エジプトの下院議員会館の前で、男性が「保安局の諸君、私の人権はこの国で失われた」と叫んで、自ら燃料を被って焼身自殺したという。
　アルジェリアでも、劣悪な経済に抗議するたろめに４人が焼身自殺を図り、モ－リタニアでも１７日に、サウジアラビアでも２１日に同様の事件が発生したという。
　これらは、チュニジアのインタ－ネットの呼びかけによる大デモで、２４年も続いたベンアリ独裁大統領を国外逃亡に追い込んだ事件に触発されたものであることは間違いあるまい。
　どんな独裁政権でも、民衆の力でひっくり返すことができるのが、ITの威力であると、大衆に自信を持たせることになったことは確かであろうが、そのこと自体は悪いことだとは思わない。が、問題はその後どうするかである。
　抗議の自殺には、政治理念も改革の構想もない怨念だけの表明だから、それをきっかけに起こったパニックだけでは、蜂の巣を叩き壊しただけのようなもので、その後をきちんと整理し、まともな政治軌道に乗せる力が必要なのだ。それが問題なのだ。
　村上新八
　

　与謝野は、90歳寿命時代だとして、金支給年齢と定年の引き上げを検討すべきと言っている。これは、彼が担当している社会福祉と消費税の一体的解決課題の選択肢として述べられたものではあるが、十分に検討に値する。
　現在は、年金給付年齢は６５歳となっており、定年も選択的に６５歳とされたはいるが、この定年制を採用している企業は少ない。
　現在の人は、７０歳くらいまでは十分に働ける人が大部分であるし、働くことを望んでもいるし、少子高齢化で労働人口の縮小が懸念されているのだから、検討に値する考えであると思う。
　問題は、現在の大学新卒の就職内定率が、最低の６０％くらいというこの求人倍率低位の時代にそれだけの雇用ができるのか、という問題である。が、このままでは日本は萎縮してしまうだけなのだから、そこは是が非でも成長路線への道を切り開き、雇用機会を作るように。知恵を結集すべきである。
　村上新八