東電の福島第一原発の事故処理の作業に従事しているのは、下請け作業員である。こういう、危険、汚い、過酷な仕事は、東電の社員はやらず下請けの仕事にするのだ。コストの面でもそのほうが安上がりだからである。
　東電の社員は、それを指揮、監督するだけ。それも危ないと思ったら手抜きをするのだ。先の３人の被爆事故は、この手抜き、すなわち、自然の放射能測定を手抜きしたためにに起こったのだ。
　その上、作業員の生活は劣悪だという。床に毛布だけの雑魚寝、食事は日に２食で、乾パン、缶詰、など、まともな食事もとっていないという。これはひどすぎる。
　日本の死活を左右するこの作業を挺身する作業員には、もっと、もっと手厚く待遇すべきである。
　村上新八

　今夏の気温はどうなるのだろうか。
　昨年のような猛暑の夏になれば、酷暑になり、冷房需要が増えるから、東電の福島第一原発の廃炉により、１０００万ｋｗｈの電力不足が生じる。
　ここで、計画停電が実施されれば熱中症患者が激増し、死亡者も増えることになろう。
　昨年の夏は、梅雨がほとんどないに等しく、６月上旬から酷暑が始まった記憶がある。
　昨年並みの酷暑になた場合、その対応をどうするか、今から準備できるのだろうか。
　あまり当てにはならない、気象庁の今夏の長期予報はまだ出ていないが、心配されてならない。
　村上新八

　２８日、小沢一郎が初めて東北関東大震災後、岩手入りし、達増知事と会談したという。
　小沢は岩手４区選出で、今回の震災が壊滅した陸前高田市は中選挙区時代の小沢の地盤であったにも拘わらず、震災後半月も経つのに、現地に見舞いに行くでもなく、小沢は病気で入院中なのかとも思ったほどである。
　あまりにも遅すぎる現地訪問である。しかも、小沢が避難所を見舞ったとか、救援物資や救援金を贈ったという話も聞かない。
　ただ、子分である達増知事に会って、「復興には莫大に資金が必要になる。額と使途を自由に使える仕組みを政府に働きかける」など当たり前のことを述べたという。
　自分の選挙区であり、郷里である岩手を大震災が見舞い、壊滅したのだから、「政治とカネ」にまみれた自分の名誉回復のためではなく、ひとりの人間しても、いち早く、心にしみるような支援を提供してしかるべきであったのではないか。
　小沢は、一体どうなってしまったのだろうか。
　村上新八

　東電の原発事故は、高濃度の放射線液がタ－ビン室に溜まり、それが漏れ出している箇所も分からず、まず液を排出しないと危険で、何も作業ができない、と言う深刻な事態に直面している。
　このような事態に至っているのに、表に顔を出す東電の経営者は原子力担当の武藤副社長だけ。清水正孝社長の顔はさっぱり見えないし、記者会見でも「社長はどうした」という質問はないのか、あるが、放映されないのか、さっぱり分からない。
　この問題で「うつ」になって、入院でもしたのか、と勘ぐりたくなる。
　菅首相の顔も見えぬといわれるが、首相と当の社長とでは意味が違う。首相はここで顔を出して、総論的なことを言っても意味がないから、官房長官や担当大臣の具体的説明に任せてもよいが、社長は、有責の原発事故で計り知れない損害を与え続けている会社の総責任者だからである。
　村上新八

　東電の福島第一原発は津波発生後半月も経っているのに、いまだ１－４号機は安定せず、放射能を漏らし続け、広範囲に被害を及ぼしている。
　これに対して東北電の女川原発は、１５メ－タ－近い同じ高さの津波に襲われたにも拘わらず、被害は少なく、構内は避難民の避難所として活用されてさえいるという。大きな違いである。
　この違いは何から生じたのか。それは原発というものに対する安全対応思想の違いにあったのだ。
　東電は、１０００年前の貞観地震の堆積物から津波の高さを推定した科学的根拠を無視して４．５メ－タ－の津波対応しかしていなかったのに対して、東北電は、原発というもののリスクを考慮して、９．１メ－タ－の高さに対応する防潮堤を築いていたのだ。
　東電にとっては、想定外というが、それは科学的には想定されていたことで、原発のリスクと社会的責任に対する思想の違いが今度の大被害を引き起こしたのと言えるのだ。
　村上新八

　東電の原発事故で被害を受けた周辺住民に対する賠償責任は免責しないと枝野官房長官が述べた。
　当然である。が、その被害をどこまでカウントするのかと東電に帰すべき責任の比率が問題である。
　この事故による被害は、避難した周辺住民の蒙ったものだけに限らない。
　飛散した放射能による農業、牧畜に及ぼした被害や停電によって、鉄道、産業、家庭生活に及ぼした損害のほうが大きいのだ。
　この法的な因果関係責任論は、いずれ法廷で判断されることになるのだろうが、この損害は、地震と津波起因と、避けられたであろう予防措置の不十分さに起因する人的起因とのウエ－トをどう判断するかの問題となろう。
　筆者の個人的な感じでは、このウェ－トは３対７くらいではないかと思っている。
　とすると、十数兆円以上になるのではないであろうか。それは東電ではとても負担しきれないだろう。
　地震、津波損害保険は掛けてはいるのだろうが、それは施設に対するものだけであろう。今後どうなるのか心配である。
　村上新八

　福島原発事故の収拾作業で、ついに人身事故が起きた。三号炉の作業場で二人の下請け作業員が被爆し、入院した事故である。この原因は三つある
　第一は、作業現場の放射能を事前に測定し、それに基づいて安全な作業体制を整えてから作業をするという鉄則が守られなかったこと
　第二は、放射性物質を含んだ水が３０センチもの深さで溜まっている現場で、短靴で作業し、足が水びたしになったたために被爆したこと
　現場で作業していた３人のうち、長靴を履いていて被爆を免れたのは１人だけだった
　第三は、東電の社員でなく、下請けに作業をやらせたため、安全に気を配る度合いか薄くなっていたと思われること
　要するに、安全の事前チェックが手抜きされていたと思われるのだ
　これによって、負傷者を出し、作業がまた遅れ、放射能放出の抑制遅れによる、農産物、酪農品、空気、水の汚染を拡大させることになったのである。
　お役所的企業東電はこんなに、だらしない会社だったのだ。それが危急存亡時に顕在化されただけなのだ。
　村上新八
　

　北朝鮮の外務省報道官は、英仏米の多国籍軍がリビアのカダフィ軍への武力攻撃に踏み切ったことに対して非難した。
　「主権国家の自主権と領土保全を乱暴に侵害し、リビア人の尊厳と生存権を無残に踏みにじる最大の反人道的行為だ」というのだ。
　この非難は、そのままそっくり、金正日とカダフィにお返しできる非難である。
　つまり、自国政府が非条理に自国民を弾圧してしても、それは内政問題であるという屁理屈で、リビアの民衆が決起したように、北朝鮮の大衆が反政府に立ち上がったときに、それを弾圧することを正当化せんがための屁理屈である。
　これは予想された通りの北朝鮮のスタンスであり、金正日の本質である。
　村上新八

　３．１１の大震災以来、テレピも新聞も大震災関連の報道オンリ－の感がある。
　その功の面としては、
・災害地の惨状がつぶさに報道され、義捐の緊急性を広く知らしめたこと
・福島第一原発の事故対応活動と状況推移を刻々と分からせたこと
・猫の目のように変わる計画停電の計画と変更を知らしめたこと
　であろう。
　その反面、罪もある。
・大衆の不安感を煽り、「買占め」や「ノイロ－ゼ」を多発させたこと
・もの不足や電力不足についての流言飛語を起こさせたこと
　この罪の面は大衆心理の特性だということもあるが、それを配慮に入れての報道であったかどうかというと、疑問である。
　知る権利と知らせる任務との狭間で、「怖いもの見たさ」の視聴者、読者心理を煽るジャ－ナリスト根性が垣間見えるのだ。これは報道というものの永遠の課題であろう。
　村上新八

　東北関東大震災により、災害地の物資が不足している、これは主として道路の損壊で物流が困難化したためである。が、これに関連して、枝野官房長官は、「買いだめを控え、被災地への物資供給を優先させよ」と記者会見で述べた。
　この言葉が、大地震で、生産が止まり、物流が厳しくなることを懸念して、買い置きの必要性を感じていた大衆を「やっぱり心配していた通りだ」とばかりに、「買いだめ」に走らせることになったのだ。
　買いだめの必要性を裏書きする働きになったのである。
　更にマスコミは、この現象を、ス－ハ－の商品棚がガラ空きになている写真を掲載したり、放映することで強調し、買いだめ行為を煽ることになったのだ。
　これは枝野の失敗である。枝野は「道路事情で被災地の物資は不足しているが。、供給は十二分にあるから、物流を早期に改善させるべく努力している」とだけ述べればよかったのである。
　自分の発言の影響に対する行動科学的思考と判断の欠如である。
　村上新八