カ－タ－元大統領が訪朝して北朝鮮幹部と会談したが、金正日とは会談できなかった。
　カ－タ－は、人が良いから、これを仲介役として、まず、韓国の李明博大統領との首脳会談を実現させ、いずれ、オバマとの接触を企んだのであろうが、李大統領は、帰途立ち寄ったソウルでもカ－タ－とは会談しなかった。
　北朝鮮が、韓国哨戒艦の撃沈や延坪島砲撃に対するきちんとした謝罪をしない限り、北朝鮮しとは一切接触しない、という李大統領の判断は正しい。
　これを枉げれば、韓国に対しては、かなり手荒いことをやっても大丈夫だ、という誤ったメッセ－ジを金正日に送ることになることは、目に見えているからである。
　村上新八
　

　福島第一原発事故にからんで、福島県双葉町の会社社長が東電を相手に、損害賠償を求める仮処分の申し立てをした。
　それに対して、東電は、原子力損害賠償法の「異常に巨大な天災地変の場合はこのかぎりではない」という条項を盾に、免責を主張する構えでいるという。
　これはおかしい。東電の福島第一原発と同様の大津波に襲われた、東北電力の女川原発の被害は軽微で、町かが壊滅した女川の町民の避難所となったほど安全だったのである。
　この違いは、津波の波高の想定の違いで、東電は４．５－５．７メ－タ－の波高を予想していたのに対して、東北電力は、９メ－タ－を予想し、これにプラスして１４メ－タ－の高さに原発を建設したのに対して、東電は９メ－タ－の高さにした、その違いが明暗を分けたのである。
　といことは、東電が主張しようとしている｢異常に巨大な天変地異」というのは当たらないということなのだ。
　裁判所の公正な判断を望みたい。
　村上新八

　陸山会の政治資金規正法違反事件で小沢一郎の元秘書3名の裁判で、水谷建設の元社長が、井沢ダムの下請けに入れてもらうための「天の声」を期待して１億円を陸山会に贈賄した事実を生々しく証言した。
　これは大変勇気の要る行為である。「天の声」の裏話を公開することなどは、業界では絶対の不文律として禁じられていることだから、これをやったら、裏切り者として、業界から村八分にされてしまう、という大きなマイナスを覚悟しないとやれないことだからである。
　それを敢えてやったのだから、真実性は高いと考えねばならない。
　弁護士から、最初の供述と違うじゃないかと、反対尋問されて「そのときは死ぬまで自分の中に封印しようと思っていたから」と答えていたのも、本当の気持ちであろう。
　これは、小沢の裁判ではないが、１億円の献金を小沢に報告はしないことはあり得ないから、小沢の裁判で不利な要因になることは間違いあるまい。
　こういう、田中角栄ＤＮＡの「政治とカネ」が染み付いた政治家は小沢を最後にしてもらいたい。
　村上新八
　

　２６日からカ－タ－元大統領が訪朝する。
　彼の訪朝は１９９４年、２０１０年に続いて３回目になる。
　初回のの訪朝では、金成日と会談し、軽水炉原発建設や石油支援と引き換えに核凍結を行う約束をしたが、これは完全に騙されたのである。２度目の訪朝では、拘禁されていた米人二人を釈放させた成果はあった。
　今回の訪朝は、中国の武大偉朝鮮半島問題代表の依頼で、「非核化の打診」と「６カ国協議の再開」打診目的で行くようだが、後者はともかく、前者の問題については全く見込みはないと思う。
　アメリカには、「一度騙されるのは相手が悪い。二度騙されるのは騙されるほうが悪い」という諺があるそうだが、人の良さそうなカ－タ－でも、今度も騙されるようなことはよもあるまい。それにしてもムダな訪朝だと思うが。
　村上新八

「Re:自民党西垣総裁は菅内閣に協力したほうが得策だ」
私も同意見です。

　自民党の西垣総裁は、菅内閣の倒閣一辺倒で動いている。
　「原発事故の初動がだめだ」「菅内閣で本当の震災対応が出来るのかと危ぶむ有権者が多い」などと言っているが、戦後最大の震災で、誰が処できるのか、わかっている人はおるまい。「オレならやれる」と言える人はいないはずである。
　だから、西垣のこういう発言は単なる菅卸しのイチャモン付けとしか聞こえない。
　そんなことをするよりも、良い知恵があるなら、具体的にどんどん提言して、やはり西垣でないとダメだという形にした方が、自民党への信頼も高まり、政権復帰への距離も縮まるのではないか。
　西垣の作戦は大間違いで、本当は中身は何もないから、そんなことを言うだけだ、と思われても仕方あるまい。
　村上新八

　白熱教室で有名になったハ－バ－ド大のサンデル教授がこの問題を取り上げた。彼は次のように述べている。
　「大震災で、生まれた日本への共感むは、国境を越えた共同意識を生まれさせることになる」と訴えた。
　この大震災の救援に世界の百カ国以上が参加したことを言っているのであろう。が、この考え方には疑問を呈したい。
　このような国際的支援活動の動きは、２０１０年のハイチ大地震でも２００４年のインド大津波でもやられている。
　しかし、それは、いうなれば「惻隠の情」であって、そのときだけのものである。
　その一方では、熾烈な経済競争、資源獲得競争が、相手国を蹴落とそうと続いているのである。
　このことは、大震災で痛めつけられている日本が気の毒だと始まった円高是正のための協調介入も、ドルレ－トが８４円台止まりで、一週間も経たないうちに元の８２円台に戻ってしまったことをみても明らかである。
　所詮、資本主義社会の過酷な競争自体は変わらないのである。
　村上新八

　日本の原発はすべて自民党政権時代に建設されたものである。
　自民政権は時代は、官僚主導の政治が行われていた。だから、特に専門知識を要する原発問題については、政治家に何が分かるかと、蚊帳の外に置かれており、政治家は盲判を押しただけであったであろう。
　しかし、政治は、国民の生命と財産を守ることが最大の使命であるから、この原点に立って、原発の建設に当たっては、完璧な安全対策を求めることは出来たはずである。それをやったとは到底思えない。
　その自民党の責任は重大である。
　とすれば、今回の原発事故処理に当たっては、自民党は全力を挙げて、菅内閣を支援すべ責務があるのである。
　その自覚と決意、行動が今の自民党にあるとは思えない。ただ、菅内閣に手を貸せば、菅内閣の延命に力を貸すことになるだけだ、というような狭量な意見が支配しているように思う。これは無責任極まりない話である。自民党の猛省を望む。
　村上新八

　財政破綻の上に大震災と、日本の財政は、泣きっ面に蜂だ。
　これ以上の国債発行は不可能だし、まらまきマニフェストに拘る余裕など一切ない。
　そんな折に、ガソリン、灯油が高騰した場合に揮発油税を軽減するという「トリガ－税制」も聖域ではなく、これを一時停止するくらいはやむを得ない措置であると思う。
　ところが、この決定をする本会議で、小沢派の若手二人が菅総理に対して、反対の書面を呈出しようとしたという。受け取りを拒否されたことは勿論だが、これは誠に異な行動である。
　小沢は反対だそうだが、その歓心を買おうとする二人の、見え透いたパフォ－マンスであることは明確だが、それにしてもアホなことをしたものだ。
　こんなことを続けていれば、震災問題が一段落したｼ時点で、政界再編は必至だが、「ぶっ壊しや」小沢は政界の孤児になるであろうことは明らかだ。
　村上新八

　東北関東大震災の被害地は、まだ瓦礫の撤去も完了しておらず、その再建はこれからだが、これについての考え方は複雑だ。
　住民感情としては、いままで住んでいた町や人との絆をそのまま残した形で復旧したいという感情が強い。それはよく分かる。
　その一方で、津波の常襲地帯として、今後も津波に襲われる可能性の高い地域で復旧してみても、また壊滅的な津波に破壊されてしまうから、ムダである。これは認められない、という行政側の気持ちも尤もである。
　いや、今回規模の津波が来たとしても、それは１０００年先と思われるから、それまでは復旧でも良いのではないか、という考えもあろう。
　このような、考え方の狭間に揺れ動いていると思う。
　しかし、被災地の復興は、復旧と復興の両面があると思う。
　地震が地盤沈下し、大潮のたびに水浸しになるような地域は、土盛りや堤防などで復旧すべきであろうし、住宅は津波襲来の可能性ある地域は避けて建設すべきであろう。その上で、津波常襲地域を何にどう活用するかは別途知恵を出さねばなるまい。
　村上新八