外務省は、１９８１年にイスラエルがイラクの実験原子炉をミサイルで破壊したのを機にも原発のがミサイル攻撃をうけた際の放射能被曝の影響を調査していたが、その反響を恐れて公表しなかったという。
　こんなことは、素人でも容易に予想することが出来る問題である。筆者も１０年以上前から、「世界に核兵器はいらない。原爆弾頭なしの中長距離ミサイルで原発を攻撃すれば、放射能汚染で核兵器を使ったと同じ程度の実質効果はあるはずである」と述べてきた。
　国土が狭く、細長い日本の場合なら、数箇所の原発をミサイル攻撃されたら、それで日本はおしまいになる。それに備えるには、核兵器攻撃の察知とミサイルによる先制攻撃しかない。ＭＤだけでは防ぎきれないという意見も投稿してきた。
　そんなことは誰が考えてもすぐ分かることである。これは「想定外」の問題ではないのである。しかし、その防御体制はできてはいないであろう。
　村上新八

　九電の玄海原発再開説明会に端を発した「やらせ質問」だが、今度は国主宰の保安院のシンポジュ－ムで、推進側の参加者の動員や推進発言を指示していたことが露見した。
　「やらせ」については、九電の際にさんざん批判されたのに、これに懲りずに、何故そんなことをしたのか。それが露見すれば、保安院は国の機関であるだけに、国の原子力行政に対する信用はカダ落ちになることが分かっていながら敢えてやったのは、それなりの裏があるのであろう。
　これは全くの推測だが、原発の再開を望んでいる産業界が、官僚の天下りを餌に、通産省に働き掛け、通産省がこれを受けて、保安院に働き掛けた結果、こういうリスクをあえて冒すことになったのではなかろうか。
　これで、いよいよ国民の原子力行政に対する信用は地に落ちることになるのだ。
　村上新八
　

　驚いたというか、さもありなんというか、中国政府は、力で新幹線事故にたいする抗議を押さえ込もうと躍起になっている。
　抗議の先頭に立っていた人たちが、次々姿を消しているのは、警察や勤務先から、これ以上派手なことをやるな、やれば、極めて不利な立場に追い込まれるぞ、という脅しによるものである。
　また、弁護士会に対しては、「事故問題について告訴の弁護依頼があっても受けないように」との通達が早々と送られたため、弁護を依頼しても断られるケ－スが多いという、
　抗議もするな、裁判も起こすな、弁護は断れ、という一連の口封じ工作で、この問題を早く封殺してしまおう、というのは、政府にとってまずいことは一切合財、世間には知られないように封印してしまう、という今までの中国政府の基本方針に沿った措置なのである。
　こういう、事故隠匿工作は、いつか更に大きな事故発生の報いを受けることになるであろう。
　中国という国は、北朝鮮と並んで、つくづく嫌な国だと思う。
　村上新八

　金桂寛北朝鮮第一外務次官が訪米して米朝会談を行うという。
　「北朝鮮は世界各国との友好な関係を築きたい」「６者協議の場で東アジアの安定を協議したい。その際非核化も議題にしたい」としおらしいことを言ってはいるが、本音は食料不足に行き詰ったから、またきた６者協議で食料を詐取しようというのが本音なのであろう。
　アメリカは、金次官にはボスワ－ス北朝鮮問題担当特別代表が当たるのであろうが、「６者協議の前に南北会談をしなさい」と伝えるだけのことであると思う。
　韓国の哨戒艦撃沈事件や延坪島砲撃事件を曖昧にしたままでは、韓国が６者協議に応じるわけがないし、この問題についてのけじめをきちんとつけないと、北朝鮮は、何をしても大した問題にならない、という誤ったメッセ－ジを送ることになるからである。
　つまり、この会談は、北朝鮮の不法行為については、時間は経過していてもアメリカの認識は風化していませんよ、きちんと謝罪しなければ前には進めませんよという確固たる意思を北朝鮮に確認させるという意味があるのだと思う。
　村上新八
　

　原子力安全委員会は、政府の諮問に応えて、食品の被曝基準を決めようとしたが、デ－タがないために断念し、「生涯被曝基準量」を１００ミリシ－ベルトと定めた。
　人間の被曝は、自然の放射線被曝のほかに、レントゲン検査、放射線治療、今回のような原発事故被曝、あるいは食品からの被曝などいろいろある。それをどう測定し、記録し、積算し、現在値と基準値と比較できるのか。全くお手上げである。
　このような体制は、国民背番号制を実施した上で、報告制度をきちんと整え、ITシステムを使えば出来ないことではないが、膨大な手間と費用がかかるであろう。
　さらに、デ－タをみて、日常生活にどう反映させるのかという問題もある。基準に達しているから、もう検査はしない、放射線療法も止めたで済むのかという疑問がある。
　まずは、こういうわけの分からぬ基準を造った理由から説明すべきである。
　村上新八

　平和の象徴とも思われてきたノルウェ－の首都オスロの官庁街での爆破テロと郊外のウトヤ島での青年集会での銃撃大量殺人事件は、世界中に衝撃を与えた。死者だけでも１００人は超えるであろう。
　しかし、どうも解せないことが二つある。
　逮捕された犯人は、イスラム移民1に寛容な政府を憎んでいたというが、イスラム移民は人口の１０％足らずで、それがノルゥエ－社会にどれほどの悪影響ほ与えていたのか、それほど憎むべき存在であったのか分からないこと。それ第一点である。
　第二点は、犯人は、犯行直前にインタ－ネットに流した、犯行をにおわせるビデオとは別に、２年も前に、テロ計画を示唆する内容の１５００ペ－ジもの文書をインタ－ネットに投稿していたというのだ。ならぱ、それを読んだ誰かが、警察に通報して、注意を促すことくらい出来たであろうし、そこで監視の目を光らせていれば、こんな事件は起きなかったであろうという点である。
　これらの疑念は、公判で明らかにされることになろう。
　村上新八

　近年、中国の経済、軍事発展のやり方が粗暴化して来た。
　「核心的利益」という言葉を乱用して、海軍力を急増させ、南シナ海、東シナ海を制覇しようと、ベトナムの海底資源探査のパイプを切断したり、ASEANと対立したり、その粗暴さは目にあまるものがある。
　今回の中国新幹線の大事故は、そのような粗暴な活動の綻びが顕れたものである。
　この高速鉄道技術は、日本、欧州、カナダから技術を購入して、それをはぎ合わせたもので、彼等はそれを独自開発技術として国際特許まで取ろうとさえしていたのである。
　そのつぎはぎのどこかに、大きな欠陥があったのであろう。それは上海鉄路院の幹部の免職くらいで、落着とはゆかぬ、根深いところに原因があると思う。
　中国が、アメリカ、日本を追い越し、世界の制覇を考える前に、原点の共産思想の弁証法に戻って、量的発展から質的発展への転換を図るべきではないのか。
　村上新八

　２３日ノルウェ－の首都オスロ中心部の官庁街での爆破テロと近郊のウトヤ島での労働党青年部の集いに向かって機銃を乱射した大テロ事件が派発生した。死者は１００人近くにのぼるという。
　当初はアルカイダの犯行かと思われていたが、犯人は極右のキリスト教原理主義政党に属する３２歳のノルウェ－人であた。
　その犯行の動機はま分かってはいない。
　北欧３国は、福祉王国で、平和と人権をリ－ドする模範国である。その一国であるノルウェ－でこんな事件が起ころうとは、夢想だにしていなかっただけに、ただ驚くばかりである。
　ノルウェ－は移民に寛容な国で、この問題で極右が反対運動を展開し、その勢力を伸ばしていることは知っていたが、こんなテロで解決するような問題ではない。
　一刻も早く、事件の真相を解明して、もとの平穏と安全をとりもどしてもらいたい。
　村上新八　

　IAEA事務局長は、「今後も中国、インドでは原発は増える」「福島の原発事故の影響はそれほど大きくない」と発言した。
　福島原発事故で、ドイツ、イタリア、スイスは脱原発を決めたが、フランス、ロシア、アメリカは原発建設計画は変えていない。日本は、菅首相が「脱原発」の意向を述べたが、政府見解ではなく、経済界は、これに異を唱えている。
　自然エネルギ－の開発は、これまでは、原発依存が強く、力を入れていなかったことも事実だが、その可能性については、まだ明確ではなく、このままで推移すれば、日本の製造機能が海外に移転され、雇用面でも更に厳しくなる可能性は大きい。
　また、一時的にヒステリック状態になっていた原発恐怖症も時間経てば覚めてくることも確かであろう。
　その意味で、この時期のIAEA事務局長の意見は、原発問題の現実面を示すク－ルな発言であるとは言えよう。
　が「喉元過ぎれば、暑さ忘れる」の愚は繰り返さないことは肝要である。
　村上新八

　インドネシアでは、イスラム過激派新世代の活動が活発化しているという。
　彼等は、地方出の大学生にねらいをつけて、誘拐し、監禁して、強制的にイスラム過激派のセミナ－を受講させるなどの洗脳を試み、毎月の献金を強制するのである。
　彼等の組織は、アルカイダ系の「ジェマ－・イスラミア」とは無関係で、イスラム国家の独立を目指す活動である。
　イスラム国家といえば、今はイランくらいで、イスラム教国は多いが、
中東、来たアフリカ諸国ではこぞって大衆運動による民主化指向の時代なのである。
　この時期に、このような恐喝的な強引な手口で、若者を洗脳し、それを通じて大衆をイスラム国家建設の向かわせることができるとは思われないのだが。
　村上新八