幹事長に輿石、副幹事長に樽床を、国対委員長に平野を据えるなど、小鳩配慮の人事は、ノ－サイドを謳いながらも、脱小鳩に徹したために、党内からの足の引っ張りで、政策遂行に苦労させられた菅内閣の経験に鑑みた布石であろう。
　しかし、これも方法を変えた、党内対策であることには変わりない。また、それで、災害復興や補償、第三次補正予算措置、財政規律の回復、福祉と税の一体化など、懸案の諸問題にたいする対応が、菅内閣のようにごたごたせずに、スム－ズにゆかせるための段取りなら、その必要性を認めてもよい。
　しかし、そんなことは、必要な政策の遂行円滑化のための必要悪とも言える措置に過ぎないことは言うまでもなく、本命はあくまで、その政策の中身と実行なのだ。こんなことにかまけていること自体が、政治の質の悪さを物語っているのだ。
　こんな問題は早く片付けて、本命の政策策定、遂行に早く取り掛かり、その実効を上げてもらうことを期待したい。
　村上新八

　小鳩派の支持した海江田が３８票差で野田に敗れた。小鳩にとってはまさかの敗退であろうが、候補乱立の選挙だから、当然あり得ることである。
　これに対して小鳩の反応は「挙党一致の精神は人事で分かる」というものであった。つまり、執行部の重要ポストを小鳩派によこせというのである。問題は「幹事長ポスト」であるが、カネと公認候補指名権を握り、野党との接点である幹事長ポストは党運営の要である。
　党の方針が固まっていれば問題はないが、マニフェスト一つを取ってみても、それを見直すという「三党合意」の扱いを巡って、小沢と反小沢との隔たりがあるなかで、幹事長に誰を据えるかは微妙な問題になってくる。
　これが最初の難関門だという人が多いが、大局を踏まえた判断で決めるしかあるまい。それが「どじょう野田」なのだ。
　村上新八
　

　小鳩グル－プは、誰が一番傀儡になり易いのかを見定めて、消極法で海江田支持を決めたのである。
　その狙いは間違いなく、海江田は、既に発言をふらつかせている。
　かってその発言のふらつきを批判された首相がいた。麻生太郎である。麻生の場合は、おしゃべりで、何でもすぐ口に出すから、後で訂正するようなことになったのだが、海江田の場合は麻生とは違う。
　本人が思っていることとスポンサ－である小鳩の期待との違いとの間でふらつくのである。
　小沢の党員資格停止の見直し問題がそうであり、マニフェストについての三党合意の見直し問題がそうである。小鳩サイドの発言をして、他候補からそれはおかしいと、正論を向けられるとも途端にふらつき始めるのだ。
　自説がないのでなく、票が欲しいために無理をして小鳩よりの姿勢を取っているからである。こういうことでは、リ－ダ－としては、質問に泣き出す癖よりなおひどい欠陥だと言わざるを得まい。
　村上新八

　ポスト菅の民主党候補に５人が立候補している。最大派閥ながら、候補者を出す力のない小沢派に擦り寄る候補、擦り寄らない候補様々だが、「挙党一致」「全員野球」「スピ－ディな実行」「首相寿命の長期化」という点では一致している。
　しかし、現在の選挙態勢は、反小沢と親小沢の、旗幟を鮮明にした形であり、これでは菅政権下と何ら変わらないし、内部分裂は継続されることになる。
　これを解消して、「挙党一致」「全員野球」という、候補者の一致点を実現するための一番良い方法は、小沢の傀儡にならない候補者を首班にして、落選した立候補者が全員、その首班の下に閣内に入ることである。
それこそ、「挙党一致」「全員野球」の第一歩になるはずである。
　先のアメリカ大統領選でオバマに敗れたクリントンが、国務長官としてオバマ政権に入閣した事例もあるのである。
　村上新八

　口を揃えて、挙党一致を述べていた民主党代表戦候補は、皆民主党分裂を衝いた野党攻勢や党内の足の引っ張り合いでは、この難局が乗り切れないことを痛感したいたからであろう。
　ところがここに来て、小沢が、鳩山派の海江田を支持すると明言した。これで海江田に決まりということではない。実際の投票となれば、議員投票のみであっても、民主党の場合は派閥の締め付けがそう強くなく、派閥拘束から離れるものもあるからである。
　それは、ともかく、首相候補としては抜群の人気のある前原ではなく、海江田支持を明確にしたということは、反小沢と親小沢の民主党の分裂を今後とも継続してゆくのだ、という強い意思を表明したものである。
　これでは、菅政権とは何も変わらないのである。菅政権と同じようなもたもた現象が継続してもかまわないことを公認したことになるからである。民主党は解体すべきである。
　ぶち壊しや「小沢」の面目躍如である。
　村上新八

　「政治とカネ」問題で強制起訴され、党員資格停止になっている小沢と、首相経験者は政界を引退すべしと言いながら居座っている鳩山の「ソンビコンビ」の二人が談合した結果、最有力と見られていた前原を支援しないことに決めたという。
　前原を総理にしても、挙党一致と言いながら、小沢系は政権中枢に登用しないであろうという判断に達したからだという。
　つまり、挙党一致とは、小沢の傀儡になることであったのである。鳩山首相のときもそうであった。
　小沢は、私は党を仕切る、政策は内閣がやれ、口は出さない。と言っておきながら、陳情を幹事長室に一本化し、その陳情を引っさげて、「国民の声を伝えに来た」と大勢で総理府に乗り込み、政策提言したのは小沢だったのだ。
　そんなやり方を今後も続けたいのが小沢の本音であり、小沢の傀儡元祖の鳩山の思いなのである。これでは挙党一致なぞできるわけがない。
　これは国民政党ではない、小鳩集団に過ぎない。こんなものは解体しするしかあるまい。
　村上新八

　民主党代表選には、５，６人の候補者が立っているが、「この国難に当たって」と「挙国一致で」とか「支援をお願いしたい」とか、口を揃えて言ってはいるが、それは、党内、特に最大派閥である小沢に向かっての発言であって、国民に向かっての発言とは聞こえてこない。
　この有様は、かって小沢が自民党幹事長時代のに、自民党総裁選の際、立候補者の宮沢、渡辺美智雄等を呼びつけて面接した情景を彷彿させるものである。
　今回の選挙は党員投票はなく、国会議員だけの投票だから、当選するためには、派閥の協力がなければならない事情は分かるが、彼らが、「挙国一致」と言うのは、「民主党内の一致」であり、「小沢の意に沿う候補者」とは、「小沢の傀儡になり得る候補者」のことなのだ。そこには、国民も被災者も不在なのである。
　一体どこを向いた、与党の代表選、次期首相の候補選なのだろうか。
　村上新八

　前原は「小沢史観から脱すべきである」と述べていたが、どんぐり候補が小沢に擦り寄ろうとしているのは、小沢が１００名を越すチルドレンを抱えているから、その票が欲しいだけのことである。
　その票をもらって、当選したとしても、小沢に牛耳られて、その傀儡になるだけのことである。それに逆らったら、また菅の二の舞にになるのである。
　それで、何の意味があるだろうか、小沢チルドレンにしても、次の総選挙で生き延びられる奴は５指にもなるまい。
　前原が本気むで民主党のリ－ダ－になることを考えているのだとしたら、ここは、自分の考えを貫いて、小沢的なものから決別して、その結果、負けるなら、そのほうを選択して、次の機会をねらうべきである。そうしないと、前原自体が消えてしまうからである。
　村上新八
　
　

　「地中海の狂犬」こと、リビアの独裁者、カダフイ大佐はいよいよ最後を迎えるようである。狂気の男だから、降伏はしまい、戦死するか、国外に亡命するかであろうが、いずれにしても終末を迎える1ことになろう。
　問題は、カダフィ後のリビアがどうなるかである。憲法、議会もなく、カダフィ一家と、私兵、私警察みたいなものでやってきたから、全く国の体をなしていないのだ。
　反タガフィの「国民評議会－ＴＣＮ」はあるが、これは、反カダフィ意識、カダフィ打倒だけのまとまりであり、いろいろな部族の利害が交錯しているし、石油の利権に群がる外国勢力のからみも複雑である。
　こういう混沌とした状況のなかで、どこがリ－ダ－シップを取って新しい国造りをしてゆくのか、そのとば口さえ見えていないのである。
　反カダフィ勢力に力を貸したＮＡＴＯが、その国造りを支援、助言することにはなろうが、その話合いもこれからである。
　一難去ってまた一難とは、まさにこのことであろう。が、必ず成功させねばならない一難なのだ。
　村上新八

　毎日新聞の世論調査によると、原発の廃止は時間をかけてやるべしが７２％、大震災の復興に、消費税をあてるのは５６％が反対という回答て゜あったという。当然であろう。
　即原発を廃止することは、国内産業を海外に移転せざるをえなくさせ、国内を空洞化させ、雇用を激減させることになるから、好ましくない反面、これを存続させることは、その予防策には限がないほどで、いつかまた、大震災の憂き目に遭うことになるから、原発なとないほうがよい。このバランスを考えれば、時間を掛けてなしていくしかないということになるであろう。
　また、大震災の復興には、公的資金を投入するしかないが、それを消費税でまかなうよりも、復興税という形で賄うほうが、原資と使途が明確になる点で、良いと思う。
　消費税は、あくまで、増加する医療保険の財源とするほうが、国民にとって、分かり易く、理解が得られ易いと思う。
　税金は、何よりもその使途が明確であるほうが好ましいのである。納得性が高くなるからである。
　村上新八