中国湖南省の病院に入院中の民主活動家、李旺陽氏が、首を括って自殺したとされる件について、支援者等は遺体の状態について不審な点があるとして、当局による偽装殺害の可能性があると指摘し、香港で真相の解明を求めるデモが実施された。
　この件に対して、同省政府は「一流の法医学者らに依頼して調査した結果でも自殺である」と述べている。
　その真偽は分らないが、中国では人権活動家が政府によって、殺害されることが珍しくないからこそ、このような騒ぎになるのであろうし、また自殺だとしても、その原因が何かを究明するのが普通なのに、それは脇に置いて、殺害されたものではないことだけしか調査、証明しないというのもおかしな話である。
　自殺の裏に、当局からの不当な圧力があったとしたら、それも究明されねばならないはずである。そんなことはほっていて、殺害はしてませんということだけを釈明する程度の中国なのである。
　村上新八

　森本防衛相は、２９日のテレビ出演で、オスプレイの安全性に触れて、「米軍の言うなりになるな。日本政府独自で安全性をチェックし、結論を出すべきだ」と発言した。これは正論である。
　が、問題は、その方法である。飛行機は機種によって、それぞれ操縦特性が違うから、民間の旅客ジェット機でも機種専門のパイロットが決められているという。
　とすれば、日本から専門家やヘリコプタ－のパイロットを派遣したくらいでは、その安全性を確認することは出来ないのではないのか。
　少なくとも、暫くは、オスプレイ操縦のきちんとした訓練を受けさせた後に、実際に操縦させてみて、操縦性、安全性、風の変化対応性などをチェックさせてみないと本当のところは分らないのではないか。
　そこまで、森本防衛相が考えた上での発言なのかどうかが問題であると思う。
　村上新八

　ロシア訪問中の玄葉外相は、北方四島問題で、黒海の保養地ソチで避暑中のプ－チン大統領、ラブロフ外相と相次いで会談した。
　プ－チンとは、相互が受け入れ可能な解決策を求めて会談を継続しようと合意したが、ラブロフ外相は、会談の継続には合意したものの、日本が嫌っている、ロシア要人の四島訪問は継続すると釘を刺した。
　プ－チンとラブロフとの温度差はかなりのものがある。プ－チンは、昵懇な森元首相のロシア訪問も歓迎すると言っているし、森も四島問題での話し合いの推進を期しているからこそ、政府特使としてのロシア訪問を快諾したのであろう。
　しかし、四島問題に好意的なプ－チンも、歯舞、色丹の二島くらいしか考えていないことは確かなのだ。こんなものでは話にならない。日本としては国後、択捉を含めた四島返還が絶対条件だから、四島問題はまだまだ先が見えないレベルだと思わざるを得ないのだ。日本政府の辛抱強い交渉継続が望まれる。
　村上新八

　消費税増税問題に加えて、「原発再稼働」と「オスプレイの配備」という国民に不人気な難問を抱えている政府にとっては、オリンピックは「時の氏神」みたいなものであろう。
　というのは、オリンピックが終るまでは、マスコミはオリンピック一色になって、これらの難問の報道は隅に追いやられることは確実だからである。
　金曜日毎の国会前のデモ参加の人数も減るであろう。オンンピック放映りのテレビに釘付けになる国民が増えるはずだからである。
　しんかし、その間に、スルスルと進められては困るのである。勿論、古代ギリシャのオリンピックのときのように、その間、これらの問題は休戦というわけにはゆかないが、国民の目がオリンピックに向いているうちにこそこそっと進めてしまうのは良くない。
　その点は、マスコミが、目を離さず、ク－ルに報道をし続ける必要があろう。
　村上新八

　オスプレイ１２機は岩国に陸揚げされ、飛行場に並べられているが、野田首相も防衛相も外務相も、口を揃えてオスプレイは安全確認がされるまで飛ばせないと言っている。
　この飛行機は、その後の情報では、３ランクに分けた故障統計では、過去１０年間に４０件の事故があり、低ランクレベルの故障発生比率が他機に比べて圧倒的に高いという。機体設計には問題はないが、これは操縦ミスが多いというが、操縦しにくい飛行機というのも欠陥機である。
　こんな飛行機の安全性を一体どうやって確認するのだろうか、専門家が渡米して確認するというが、同乗してみたくらいではだめ、事故原因を聞いて。その対策済みを確認してもだめ、それだけで事故が起こらない保証はないからである。
　安全確認するまでは飛ばせない、と言葉で言うのは簡単だが、どうやって確認できるのか。長期に亘って飛ばしてみるしか確認の仕様がないのではないか。いろいろ要因が多すぎて、いつどのような状況で起こるのかが分らないからである。
　村上新八

　消費税の増税は、与野党合意で成立することになっているが、これは毎年１兆円つづ増える、社会保障費に当て、１０００兆円もの借金による次の世代の負担を少しでも減らす目的のものであったはずである。
　ところが、このところ、公共事業費増指向が表れつつある。これは野党だけでなく、与党にもあるという。しかし、これは話が違う。
　景気回復策は必要であるが、公共事業投資は乗数効果がなく、景気回復には効果的な投資とは言えないことは、小渕政権の経験から分っているはずであるのに、何故、今その話が出てくるのか、不可思議千万である。
　福島はじめ、東日本大震災の復興資金もままならぬのに、公共事業投資はまかり成らぬ。
　公共事業投資なら、老朽化した拘束道路や橋梁、上下水道などのインフラの修理費用だけに限定すべきである。それも消費税増税分以外の財源むを当てるべきである。
　村上新八

　シリアの内戦状態は益々過酷度を増しているという。女、子どもまでが殺され続けるような蛮行は、アサド側しかやらないのは分かっているのだ。
　大衆に、ここまで憎しみのタネを植え付けたら、国の統治はできるはずはない。
　こんなことは中ロにも分っているはずなのに、国連安保理でのシリア制裁決議は３回ね中ロの拒否権でつぶされている。
　中ロは、このような惨状を見て見ぬふりをし続けるのだろうか。せめてアサドの残虐行為を止めるための何らかの手は打つべきではないか。それさえしないということになれば、中ロの圧政、人権無視の姿勢を世界に見せ付けることになるだけである。
　中ロは、このようなシリアの惨事報道は国内向けには、規制しているのであろうが、それは、回りまわって、中ロ国内の少数民族からの政府不信を増幅させ、反政府のマグマを増大させることになるのである。
　村上新八
　

　オスプレイ配備の問題も同じである。昨日オスプレイ１２機が岩国に到着、陸揚げされたが、これを迎えたのは多数の反対派であった。
　だが、このオスブレイの配備は、１６年前の佐藤政権のときに配備が同意されていたものだという。政府は、それをひた隠しにしてきたが、米軍との約束は生き続けていたのである。
　こういう経緯があるから、今になって、持って帰って下さい、分りました、という具合にはゆかぬしろものなのだ。
　とすれば、配備を大前提として考えねばなるまい。つまり、事故を起さないように、改良対策が施され、その効果が確かめられていることを確認できることと、事故が起きても被害がないようなところ、たとえば海上でしか飛ばさないなどの制約条件を合意の上で配備するなどの措置が必要であろう。このような条件闘争の形にしないで、単に「帰れ」「飛ばすな」だけでは、何の実りもないムダあがきに終るであろう。
　村上新八

　原発反対、大飯原発の再稼働反対、オスプレイ反対など等世間は騒いでいるが、プラカ－ドを掲げて「反対」と騒ぐだけでは何事も解決しない。「反対」が「止める」ことには繋がらないのだ。
　「原発」ひとつとっても、エネルギ－の不足やコスト如何による日本工業の海外移転と空洞化、失業増、規模、発生時期が分らない天災、その防衛の難しさ、放射能被害の甚大さ、被害期間の長さ、代替エネギ－への切り替えの可能性や実現の見通しなど、総合的な判断が必要である。
　信頼できるように、それらの見通しデ－タを揃えて、公正、的確に判断すべき問題である。そのような論議がきちんと進められるような方向を求めないで、単に反対を唱えるだけでは、何も解決しないうちに息切れしてしまうのは目に見えているのだ。
　それらの総合思考の進め方を整理するたけなら、そんなに時間は掛からない。それを整理し、政府にその実行を求め、それをチェックしてゆくことこそが、賢明にして効果的な市民活動と言えるのだと思う。
　それがなくて、ただワ－ワ－騒ぐのは、空回りするだけのヒステリ－症状に過ぎない。
　村上新八

　シリアではアサド側と反政府間の激戦が続いている。もう今までに何万人もの民間人が殺害されたことであろう。
　この惨害を止めるのは国連安保理だが、動きが取れない状況である。シリアへの制裁は中ロの反対でダメ、やっと６０日間の国連監視団の派遣期間延長が決まったが、これも中ロと米英仏との思惑が１８０度違う形での成立であったし、丸腰のままの国連監視団がいても、今まで通り効果はないであろう。
　自国に反政府勢力を抱えており、シリア問題への対応いかんで、それを刺激することになるのを怖れる中ロは、アサドの女子どもへの虐殺蛮行をも、国内問題だから、干渉すべきでないと見て見ぬ振りをするスタンスを変えようとはしないのだ。
　こんな機能不全の国連は要らない。一旦解体して、安全保障問題で機能できる国連を新たに造る必要があると思う。それを推進するのは、安保理常任理事国を除いた新興国群であろう。
　村上新八