リビアのカダフィは民衆の反政府デモから首都トリポリを死守しようとしているが、反政府勢力の怒涛のような勢いには抗しきれまい。
　といって、カダフィの亡命を受け入れる国はないであろうから、カダフィは自決するしかないと思う。
　しかし、問題は、最後までカダフィを支持した治安部隊だ。彼らは、民衆から手ひどい仕打ちに遭うことになるであろうから、対岸のイタリアあたりへの脱出を図るであろう。その数は何万人も上ろう。これは、隣国にとって頭の痛い問題である。
　この一連の動きを最も注視しているのは、同様なリスクを抱える中朝であろう。
　中朝は、この北アフリカの革命連鎖から、中国ではまだ大丈夫だとしても、北朝鮮で、このようなことが起こった場合に、中国になだれ込んでくるであろう難民問題に改めて懸念を強め、それを防止するために、中朝のつながりを更に強化し、北朝鮮で民衆革命が起こらないような対応と結束を強める動きを始めるであろう。
　村上新八