福島第一原発事故にからんで、福島県双葉町の会社社長が東電を相手に、損害賠償を求める仮処分の申し立てをした。
　それに対して、東電は、原子力損害賠償法の「異常に巨大な天災地変の場合はこのかぎりではない」という条項を盾に、免責を主張する構えでいるという。
　これはおかしい。東電の福島第一原発と同様の大津波に襲われた、東北電力の女川原発の被害は軽微で、町かが壊滅した女川の町民の避難所となったほど安全だったのである。
　この違いは、津波の波高の想定の違いで、東電は４．５－５．７メ－タ－の波高を予想していたのに対して、東北電力は、９メ－タ－を予想し、これにプラスして１４メ－タ－の高さに原発を建設したのに対して、東電は９メ－タ－の高さにした、その違いが明暗を分けたのである。
　といことは、東電が主張しようとしている｢異常に巨大な天変地異」というのは当たらないということなのだ。
　裁判所の公正な判断を望みたい。
　村上新八