ムバラク後のエジプトは、新憲法を制定し、９月に国会議員選挙を１１月には大統領選挙ほをおこなうことになっているが、いまだに混沌常態である。
　ムバラクを僅か１８日で追放した「若者勢力」は、積極的に政治の乗り出すへきだとする「参政派」と、今は、政治に乗り出さず政治の監視に徹すべきだとする「監視派」の二派に分裂している。
　また、ムバラク時代には非合法であった「ムスリム同胞団」は新党「自由公正党」を結成して、勢いを増しつつある。
　さらに、現在暫定統治を行っている軍がどう出るのかは分からない。軍が中立を維持すればよいが、その如何によっては大きく変わるのだ。
　このエジプトの動向に最も関心を持っているのはイスラエルであろう。親イスラムのムバラク後に、反イスラエル政権が出来て、和平条約を破棄でもされたら、大きな影響が出るからである。
　選挙は「自由公正党」が勝利するであろうが、軍がどう出るかが鍵となろう。
　村上新八