オバマ大統領が、中国の猛反対を押し切って、チベットの最高指導者ダライラマと会談した。
　これは次の大統領選向けに「新興大国中国に遠慮しないアメリカ」を米国人向けに演出したものと評されている。
　それはともかく、これによって中国がチベットに宥和政策を採ることにはなり得ないが、人権、民主を国是とするアメリカが中国の項門を一刺したことに意義がある。
　このなかで、ダライラマは、チベットは中国の一部であることは認めるが、チベットの人権、文化、言語を維持し得る自治を拡大してほしい。と言う控えめな主張をしているに過ぎないのだ。
　しかし、民族も文化も宗教、言語が違い、それなりの地域と人口を持つチベットは、中国の一部とは言えない。台湾は中国の一部であるといえるが、台湾とは違うのだ。
　それにも拘わらず、独立は求めないという、この控えめなチベットの主張までも押しつぶし続ける中国は、国連憲章違反の国家である。
　村上新八