パレスチナのアッパス議長は、９月２０日にも国連に対して、国家として承認を求めるという。
　国連加盟国の２／３以上の賛成を得れば議決されるが、問題は安保理事会で米国が拒否権を発動するとみられていることである。
　米国は、パレスチナの承認申請には、イスラエルと和平協議の枠を超えるものだとして反対しているからである。そんな枠組みの取り決めはないから、もし、アメリカが拒否権を発動するとすれば、それはイスラエルの圧力によるものであろう。
　６７年の第三次中東戦争前の境界線を境界とする案は、この５月にアメリカが提案し、先月、イスラエルりネタニヤフも同意した案であるが、イスラエル政府は、その後も東エルサレムに１６００戸の入植住宅の建設を許可している事実がある。完全な二枚舌である。
　国連加盟ではパレスチナ対イスラエルとアメリカが、境界問題ではイスラエル対パレスチナとアメリカが対立するという、複雑な展開になっている中東問題は、やはり容易に解決する問題ではないのだ。
　村上新八