残っていた東京、沖縄を最後に、暴力団排除の条例網が完結したことは喜ばしい。これは、官民が一体になって、暴力団を「村八分」にし、息の根を止めようとする条例である。
　「みかじめ料」は払わない、暴力団には不動産は売らない、貸さない、工事も引き受けない、宅急便も引き受けない、催し物への入場もお断りだ、金融機関の口座もお断りだ、一切の取引はしないとなれば、完全な「村八分」である。
　一見して暴力団と判断するのは困難な場合が少なくないとは思うが、これが完全に実施されれば、暴力団は壊滅する。
　しかし、国内に8万人もいると言われる暴力団も、食ってかねばならない。それをどうするかだ。
　彼らが食うに困ったら、また何をやりだすか分からない。麻薬、覚せい剤、売春、暴力酒場から闇金融、ホルノ販売、振り込め詐欺など等あらゆる犯罪に手を広げようとするのではないか。彼らを追い詰めるだけでなく、いかにして正業につかせるのか、それをどこで考え、斡旋してやるのか、そこの配慮が抜けているのではないか。それが問題である。
　村上新八