討議が紛糾して、会期を過ぎても決議がまとまらず、議長案を次次に修正した結果、やっと決議がまとまったＣＯＰ１７の決議は取り返しのつかぬ事態を招くことになるのではなかろうか。
　中身は、地球温暖化対応のための各国の行動の決定を、京都議定書の延長という変な形で、１０年も先延ばししたに過ぎないものだからである。
　「温暖化をもたらした責任は先進国にあるのだから、先進国が対策すべきだ」「先進国にだけ責任を押し付けられるのは不公平だ」「ＣＯ2排出量の４０％を出している中国、アメリカが入らない温暖化防止協定などは意味がない」「新興国が入らない協定には反対である」など等の下らない議論などには、刻一刻と加速度を増していっている地球温暖化は、待ってはくれないのである。
　バカなねずみどもが、お互いに「お前がやれ、お前こそやれ」と押し付けあって動きがとれなくなっている間に、地球温暖化という凶暴な猫はますます牙を尖らせているのだ。
　こうして、人類自滅までの時間はどんどん短くされてゆくのである。やんぬるかなである。
　村上新八