金正日は、国内視察中の列車のなかで、心筋梗塞のために急死した。これは予想されていたとは言えないが、そう意外な出来事でもなかった。
　去年の９月に、金正日の後継者に指名されていた三男の金正恩は、まだ２０歳代で経験も浅い青二才だから、金正日の妹やその旦那である張成沢や軍幹部などに支えられて国家運営に当たることになるのであろう。が、そうスム－ズにはゆかないであろう。
　そこで、頼りになるのは中国である。自国のために北朝鮮の安定と継続をどこよりも願っているのは中国だし、北朝鮮経済的にも政治面でも一番頼りにしているのは中国だからだ。
　問題は、北朝鮮に対して、中国がどのような助言をすべきかである。
　中国が、これを機に、北朝鮮に核開発を放棄させ、日韓米に対する敵視政策を転換させて、東アジアの一員として良好な関係を築く方向に向かわせることこそ、中国に期待される北朝鮮の方向づけなのである。
　村上新八