この１年で、女子どもを含む５０００人以上の反体制勢力を殺害したシリアのアサド政権は、今度は周辺のアラブ諸国から、国連総会への「反体制派への武力弾圧即時停止」を求める決議案を提出されようとしている。
　これは、先に国連安保理に提出したが、中ロの拒否権行使で廃案になった代わりに、提出されるものであろう。
　ここまでやられれば、普通は大統領がギブアップするのだが、アサドは強気で、弾圧を続けている。
　アサドを強気にしているのは、米欧と敵対するイランのバックがあるからである。イランのアフマデネジャド大統領は、イスラエル憎しで、シリアを援助しているのである。
　これも、更に、根源をさぐれば、アメリカ、イスラエルの連携という根源的な禍根が横たわっているのだ。
　国連総会では、アラブ諸国連合の決議案は採択されるであろうが、実効は期待できまい。
　村上新八