シリアではこの１年で犠牲になった丸腰の反政府民衆は６０００人を超えた。しかし、アサドの武力を使った、反政府勢力への無差別の武力虐殺は続けられている。
　国連安保理へ提出された「武力行使中止決議案」は中ロの拒否権で否決され、是をよしとしアサドの虐殺は続行されたままである。
　隣国レバノンのヒズボラは、アサドから武器支援を受けているからアサド支持、シリアと敵対するイスラエルさえも、アサドが倒されるほうが厄介になるとして、アサドを支持するという変な関係だし、新たに反政府を支持するとしてアルカイダきが名乗りを上げたことで、アサドの反政府勢力攻撃はテロ退治だという、こじつけの大義名分がお墨つき化するなど、各国各派の利害交錯の混沌のなかで、非武装の大衆虐殺は続けられるのである。
　この不条理に、唯一の救済期機関、国連の無力性は嘆かわしい限りであるが、国連憲章上どう仕様もないのだ。
　今の国連を解体して、新しい国連を造ることしか策はないのだ。
　村上新八