増税にもろ手を挙げて賛成する人は財務省の官僚くらいだろう。一大衆は反射的に反対する。稼いだカネがピンはねされるのだから、当然である。
　今回の消費税率引き上げも、与党内にさえも反対派が少なくない。彼らは、以前の橋本内閣が３％の消費税を５％に引き上げた結果、景気が落ち込んだ例をあげて、デフレのときに消費税をあげたら、デフレスパイラルを起すと心配するのである。
　しかし、その一方で年金、医療などの社会保障が行き詰まっており、即何らかの対策を打たねば、崩壊してしまうことにもなりかねない状態であるし、国債頼りも限界にきており、景気浮揚を待ってやるといっても、世界経済の状態から、その見通しは立たないのに、それを待っていたら、いつまでもやれないことなりかねないのだ。
　この時期に思い切って断行し、耐えてゆかねばならない時期が到来しているのである。
　村上新八