橋下が、大飯原発の再稼動の条件として、八つの提言を引っさげて首相官邸に乗り込んだ。
　藤村官房長官は、これを「将来の課題」だと取り合わなかった。
　橋下の提言は、それ自体としては間違いではないが、非現実的だ。時期も規模も分からない天災相手の問題だから、どんなに智恵を絞った答えをもってきても、いくらでもケチを付けられのだ。
　その提案の一つに「１００キロ圏の府県との安全協定締結」というのがあるが、どうすれば安全と言えるかをつきとめれば、結局は、原発を止めて全部廃炉にするしかないし、それでも不十分で、現在の原発を止めるだけでは、何十年、何百年の間、天災が襲ってきた場合の危険は残るのである。絶対安全になんか゜在り得ないのである。
　リスクとメリットのバランスと言って、リスクの大きさそのものが分からないから、計算の仕様がないのである。
　そんな話が、まとまる道理はないのだ。
　村上新八