先頃、中国で人権活動家が、病院に強制入院させられ、病室で縊死したとされ、即火葬に付された事件があった。
　遺族には自殺の原因が思い当たらず、遺体を解剖して死因をはっきりさせるように求めていたにも拘わらず、即火葬にされたものである。
　これでは、当局が殺害し、それを隠蔽するために早々と火葬に付してしまったという疑惑をもたれても仕方がないし、真相はそうであったかも知れないのである。
　この事件を機に、中国の人権、民主活動家の間では、予め「自分は自殺しない」と言う宣言をしておこうという考えが広まっているという。
　これは、当局に拘束されて、拷問や口封じのために殺害されることを防ぐために、こういう宣言をしておこうという苦肉の自己防御策であるし、それなりの効果はあるであろう。
　が、こんなことまでしないと、正義の声もあげられず、主張もできないという国には、世界の大国の資格はないと言わねばなるまい。
　村上新八