エジプト大統領の選挙結果は、空軍出身のムバラク時代の最後の首相ムシャフィクが４１％、ムスリム同胞団のムルシが５１％でムルシが接戦を制した。
　が、ムシャフィク支持の軍は、憲法を改訂して、軍の権限を強化し、大統領の権限を縮小するという挙に出た。
　国家の基本法である憲法が、こんなに簡単に軍の一存で変えられるル－ルになっているとしたら、おかしな話であるが、政治がイスラム化されることに危惧を抱く国民も半分はいることは確かである。
　ムパラク時代には、非合法であった、ムスリムと同胞団は、医療や教育の面で貧困層の面倒を見てきた実績があり、貧困層には、根深い人気がある組織であるが、民衆は、厳格なイスラム法に沿った政策を打ち出されることを嫌がっているのである。
　これに対してムルシは、女性の服装や民主社会の自由は最大限尊重すると言っているが、民主化を求める若者や軍の動向如何によっては、エジプトの混乱はまだまだ収まらないのであろう。
　村上新八