橋下が野田首相を「凄い人だ」と褒めた。が、それは別に驚くようなことではない。
　野田が、国民に人気の悪い消費税増税を先送りしてはならない緊喫の課題だとして、政治生命を掛けるとまで言って強行しようとしている姿勢に、自分もそんな政治をしたいという思いが一致しているからである。
　いままでの大阪市政は、労組に牛耳られて、説明の付かないような手当て尽くめで、日本一でたらめなル－ズ市政であったから、退治する余地は一杯あったし、それをやり遂げた橋下の功績は評価する。
　が、これまでの、国歌の起立斉唱の強制、競争の過激な促進、公務員の政治活動の禁止、タト－に対する憎悪、伝統文化文楽に対する軽視など等、息のつまるような圧政策は人権問題でけでなく、橋下の政治センスを疑わせる数々の事案である。
　彼の唱える維新八策をみても、国会の一院政、首相の公選などは、民主主義を利用して、国民から選ばれ、政治を委嘱されたという名目を盾にしてヒットラ－型の独裁政治を、郵政民主化推進のときの小泉張りに、やろうとする橋下の下心がむき出しで見えているのだ。
　こういう政治を許してはならない。
　村上新八