国連停戦監視団も手を焼いて撤退するこになったほど、独裁のアサド政権側と反政府勢力との激しい戦闘が続いているシリアで、日本のジャ－ナリスト、ジャパンプレス所属の山本美香さんが、取材中のアレッポで、政府軍の銃撃によって即死した。
　アレッポは物資補給の要衝で、政府側と反政府勢力が最大の争奪戦を展開していた地域であるという。
　彼女は、長年紛争地域での一番憐れな被害者である女性も子どもの被害の実態を直接把握し、その惨情を世界に発信して、関心を喚起し、紛争を止めるような動きにつなげようと努力してきた女性ジャ－ナリストだという。
　女性でなければ、分らない目と感性で、現地に接し、その惨状を報道することに命を賭けていたのであろう。その精神は崇高であり、その活動中に倒れたことは、本人にとっては覚悟のうえであったかも知れないが、何とも痛ましい限りである。
　村上新八