週刊朝日が、橋下大阪市長が部落民出身であるとか、親族が暴力団で、覚醒剤中毒者であった等の記事を掲載した件で、橋下が怒り、今後は朝日新聞の取材には一切応じないと言明した。
　彼の言い分は、政治家の出自や係累の問題を云々すのは、差別であり、公正であるべき社会の公器としての新聞の在り方に反するというものであった。
　その言い分は一理ある。が、警察官を採用する場合には係累に犯罪履歴がないことが条件となると聞いたことがある。つまり、ＤＮＡがきれいであることを条件にしているのである。
　だとすれば、政治家も警察官も同じく公人であるから、それに差をつけることは問題であるとも言えるし、このような係累に関する報道も一概に否定することは出来ないとも思うのである。
　政治家という公人に対しては、刑法の名誉毀損罪の要件でも私人とは差が付けられている点を考えると、この謝罪の当然性は疑問の余地がないでもないと思う。
　村上新八