政治資金規正法違反で、小沢一郎が、検察審査会から二度に亘って起訴相当という決定が出された裁判の控訴審が無残の判決となった。
　政治資金報告書にウソを記載したことは事実であるが、それを小沢は秘書任せにしていたために知らなかったというのが無罪の理由である。
　この判決は、法の文言からすれば、正しいかも知れないが、立法の精神には反するものであると思う。
　政治資金の収支について、正しい報告をさせるというのが法の精神であり、その最高責任者である、当の代議士が、その報告書が虚偽であっても、秘書任せであったため知りませんでした、で無罪放免になるようなことでは、立法の精神を無視すに等しいからである。
　こんな法規であればあってもなくても同じである。この事件は上告は難しいと言われる。違憲とはとえないからだと言う。これもおかしいが。法的には無罪であって三人の秘書が有罪判決を受けているのだから、政治的には責任を取らねばならないはずである。
　民主党を離党したから、この問題をしつこく追及してきた野党も知らぬ顔をするつもりであろうか。
　村上新八