参院選は予想通り低調であった。自民党は快勝し、単独過半数に達したが、これが国民の大失策であることは、年内にも明瞭になるであろう。日本経済を成長軌道に乗せるはずの第三の矢が失敗し、借金増と物価高騰、所得格差拡大、福祉サ－ビス低下、失業増が残るだけになるであろうからである。それが自民党の政策なのだが、与党快勝によるねじれ解消でそれにブレ－キを掛ける勢力がなくなったからである。
　その苦しみを味わされるのは自民党を圧勝させた国民なのだから、自業自得ということだ。
　自民党快勝の原因は単純だ、博打的な金融緩和と財政支出で長年低迷していた株価が上昇、これも長年不当な円高が急激に円安に転化し、景気がよくなるかもという期待を持たせられたからである。国民がそれに乗ってみようと思ったからだけである
　しかし、世界の景気は相変わらず低迷、何とか世界景気を
支えてきた新興国経済もアメリカへのドル還流で腰折れしてしまっているし、といって日本から輸出して儲けられるような新製品もなし、となれば景気がよくなるわけはないのだ。政府もそれはよく知っているから、消費税引き上げ時期の繰り下げ論も自民党ないで出ているのである。
　国民はまたまた高い授業料を払うことになろうが、授業料を払うだけで勉強しないのだから、いつまで経っても成長はしないのも当たり前だ。
　村上新八