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  • from: 22世紀さん

    2010年10月21日 20時18分52秒

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    池田大作「権力者」の構造

    以後、池田は日曜日ごとに、後には毎朝一時間ずつ、矢田俊隆『世界史』、熊谷幸次郎『日本史――概説と問題点』、鵜飼信成『憲法』、鈴木安蔵『政治学』、高田保馬『経済学原理』、ガモフ全集などを教材に戸田の教えを受けたとされている(草柳大蔵「"手つ゛くり人間"池田大作」、『文藝春秋』昭和44年9月号)。
    戸田が学校教材風のこれらすべてを実際に用いたかは疑問であり、また戸田の講義を受けたのは池田ばかりでなく、たとえば26年入信の秋谷城永(のちに、栄之助)も受講者の一人だった。「(秋谷は8:30から)9:00までの30分、かならず博学の戸田会長から雑談ふうの講義をきいた。池田現名誉会長も仲間であった」(『文芸朝日』昭和38年8月号)
     彼らは貧弱の中で、いっそう身を寄せ合い、時に叱られながらも、猥雑なまでに密着した。
    「『さあ、寝るか、伸(池田をさす)、ぼくの布団で一緒に寝ようよ』戸田は隣室の布団に入った」
    「幾度か 戦の庭に 起てる身の 捨てず持つは 君が太刀ぞよ」(戸田から池田への返歌という、いずれも池田『人間革命』四)
     池田にとって戸田とともにする労苦は信仰の危機ではなく、信仰の証だった。彼は、「この地を受けつぐだけでなく、天国をも受けつぐことを定められながら、今はおとなしい様子をしている王子である」(E・ホッファー『大衆運動』)と自分自身を考えていた。そういう池田にとっては、あと半年通えば卒業できた大世学院を断念させられようと、金銭的に恵まれなさ過ぎようと、戸田を見限るなどは論外であり、彼はひたすらマゾヒスティックな快感さえ覚えて、日々を試練として耐えつつ゛けた。一方、それは池田のいうとおり、使われるよりは仕える境地でもあり、彼の前時代的な作風が、自己犠牲をしのびやすくしたのも事実である。

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