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  • from: 22世紀さん

    2010年10月24日 15時49分54秒

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    池田大作「権力者」の構造

     戸田にインタビューした大宅壮一は彼の印象を「如才がなく、ぬけめのなさそうなところは、小さな印刷屋や製本屋のオヤジ、でなければ、地方の小学校校長か役場の収入役といった感じである。・・・・・そういえば金貸しにもむきそうな面がまえである」(『婦人公論』昭和32年10月号)と記した。
     戸田の人相、風体、言動、著作物などいずれも聖性とは縁遠く、そのすべてに俗臭が立ちこめていた。池田はそのようなものの弟子であり、戸田から池田への進化はただ一つ、後者がスノビズムを身に付けたことだけであった。
     総じて生前の戸田を知る人々の戸田像は、もうけを片時も忘れることのない小事業家、「勝負」に生きがいを見出す投機的商人、はったりと大言壮語で人をけむにまく山師的性格、さばけた苦労人といったものであった(日隈、前掲書)。
     が、そのような戸田にも、戦前、当局の弾圧に「退転」しなかったことに典型的に見られる、強い力がひそんでいた。戸田を支えた力は、初めは牧口への敬愛の念だったろうが、後には日蓮正宗への強信と入れ替わった。彼の強信は、信仰のフィルターを通せば、その人柄を十分魅力的に、人物を尊敬に値するように見させたのだろうし、一見性格的に相容れそうもない池田をはじめ、多くの青年の心をつなぎ得たのだろう。
     池田は戸田のカバン持ちとして、信用組合の厄介な外交戦の第一線に、責任を負って立たされ、金や法、人や組織、インチキや嘘や脅しなど多くのものを学んだ。
    「毎日の目標をきちんと立てさせる。私も戸田先生から厳しくやられた。耐えられる人はいないね、窒息してしまう。今日はどこに行って何をどれだけやってくるのか。株も勉強させてもらった。二百万円位やらせてもらって二年で三十五万円位損をした」(池田の回想、『社長会記録』昭和46年7月27日)
     この実地教育が大世学院で教える課目以上に有用だったことはいうまでもない。池田は後に修羅場で学んだその知識や技能をおおいに創価学会の経営に役立てたし、また創価学会の成功により、その試練の期間を、池田の先見の明を表す証左ともしたのである。


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