週刊文春　１２月３０日・１月６日新年特大号より転載

イチロー「初めて聞いて驚いた」

　そもそも、なぜIYI社がこのプロジェクトに参加することになったのだろうか。長年イチローを知る人物は、驚きを隠さない。
「腕時計一つ買うにも、弓子夫人にわざわざ確認するほど慎重な男です。それが、なぜこんな話に手を出すのか・・・・・。私が知る限り、彼は学会員でもないですし、キナ臭い話に名前が出ることを嫌がるはずです」
　日本に滞在していたG氏に話を聞いた。
「この件に彼（イチロー）は全く関係ない。報告もしていないし、IYI社は何の関係もない」
　だが、彼自身がIYI社の名前と本店所在地を記し、サインまでした融資書類や事業協定書のコピーを見せると、メガネを外して俯いてしまった。
「忘れたけど、僕の信用じゃダメだから、IYI社のままやってしまったのかな。彼らの名前を使ったほうが便利と思って。彼らに知られると、切られちゃいますよ。マズいですね。日本で使う名刺の中で一番パワーがあるのがIYI社の名刺。某企業の応援ツアーの企画をとったこともありますし、一緒に仕事をしているのも嘘じゃないですから」
――土地購入資金は、IYI社のものでは。
「色んな投資家が知り合いでいっぱいいますから。僕自身もそれなりの資産を持っているので。これくらいはすぐに用意できます」
　だが、G氏は資金の出し手を明らかにしなかった。グランド社への融資は、「アイワイアイコーポレーション」という法人口座名で振り込まれている。G氏は「ノーコメント」と言うのみだった。マネジメント会社を通じて、イチローは次のようにコメントした。
「野球選手という立場でシーズン中は、なかなか判断できないので、不動産投資は、Gさんを信頼し任せていました。会社の代表責任者として恥ずべきことかもしれませんが、今回の件については、初めて聞いて驚いています。心配をおかけして申し訳なく思っています」
　創価学会広報室は「土地の紹介はございましたが、お話は当初からお断りしています」と回答した。
　野球眼にかけて超一流のイチローも、人を見る目に難があったということか。