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弾き語りストの独り言

弾き語りストの独り言>掲示板

公開 メンバー数:7人

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  • from: 弾き語りストさん

    2010年11月24日 18時16分56秒

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    【自分の愛し方に疑問を抱いたある男の話】


    【自分の愛し方に疑問を抱いたある男の話】

    ♪弾き語りストです

    その男はとても焦っていた。
    どうすればあんなアコギになれるのか。
    いや、そいつは自分がアコギになりたいんじゃない。
    そんなことしたら、幼稚園時代のアンケートで
    〝将来、手裏剣になりたい〟
    と回答していた下の息子と同じじゃないか。

    そうじゃないんだ。
    写真で見たGibsonのアコギのことだ。
    あるCountry好きのオヤジが所有していたそのGuitarは
    Guitarトップがピックの弾き傷でものすごいことになっていたのだ。

    サウンドホール回りは剥げちょろけて
    ピックガード周辺もわざとガシガシこしくったんじゃ
    ないかと疑うほど傷だらけなのだ。

    どうすれば…というより、どんだけ責めて弾き込めば
    あんなに素晴らしい状態になれるんだろう…と。
    そうなのだ。男は、そのCountryオヤジと同じように
    乱暴なまでにきつく厳しく激しくアコギを「愛したい」
    と願っているのだった。

    男にすれば、
    〈弾き語りスト〉というスタイルゆえに
    ハードロッカーやパンクロッカーのように
    ドSな性格丸出しでアコギをガシガシという楽曲はほとんどない。

    ストローク弾きだってゆるいテンポが多いし、
    フラットピックもセルロイドのミディアムだから
    弾き傷がGuitarトップに及ぶのも稀だ。

    男が望んでいるのは
    愛用しているアコギたち(現在8本)に
    自分という人間の生々しい痕跡を残したい、ということだ。

    〝傷つけることは愛することか?〟
    などと、ハードボイルドにせまってみたら、
    〝優しさは偽善だ〟と男は答えた。

    丁寧な取り扱い、適確な手入れ。
    ないよりはあったほうがいいそんなことどもも、
    惜しみなく注がれた愛のキズを癒すためのものでなければならない。

    男はそう語りながら、
    彼の練習部屋を案内してくれた。
    Guitarスタンドのアコギはどれもキレイに磨き上げられていた。

    その中の一本〝天下御免のYAMAHA〟のFG以外は
    どのアコギも状態は美しく、指板にわずかに指の弾き痕がみられるものの
    ピックガードさえもきついかき傷は見られない。

    オマエは本当にこいつ達を愛してあげているのか。
    そんなストレートな詰問に
    男は〝俺の愛し方がまちがっているとでも…!〟
    沈黙の瞳で反論した。

    私たちの望むものは、
    見せかけの愛情の排斥と
    万難を排しての時間共有だ。

    男の焦りの気持ちは分からないでもない。
    GibsonだろうがMartinだろうが
    弾き込んでなんぼみたいな割り切り方で
    かのCountryおやぢのように
    とことんアコギを弾きまくりたいのだろう。

    しかし、
    よく考えてみろよ。
    オマエには家もあれば仕事のある。
    毎日酒も飲みたいというし、
    共働きで、こなすべき家事分担もあるだろう。

    平均寿命が70であろうが80を超えようが、
    所詮それは統計学の幻だ。
    冷え込んだ明日の朝、道で滑ってアタマを打ってお陀仏かもしれぬ。

    人間ドックもMRIも所詮は機械のやることだ。
    名誉院長の診断がパーフェクトであっても
    夜明け前にポックリ逝っても、院長が香典を持ってくるワケじゃない。

    今夜の飯が最後の晩餐になるかもしれず、
    お休みのそのキスが最期に触れた彼女の体温かもね。
    一瞬先に光を見るな。すぐそこに潜んでいる闇に恐怖するがいい。

    そんな勝手な話を聞いたか聞かずか、
    男はやおら傍らのアコギを一本手にすると
    黒い涙型のフラットピックをつまんで
    なつかしいあの時代の一曲を弾き語り始めた。

    そうだよ、それでいいんだ。
    弾ける時に弾いて、歌いたい時に唄えばいいんだ。
    そのひと弾き、ひと節は、確かに確かにオマエのアコギに
    染み込んでいるのだよ。

     ……ま、分子レベルでの話になるけどね…。




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  • from: 弾き語りストさん

    2010年11月12日 18時53分03秒

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    【一人で演りたい一人だから…】


    【一人で演りたい一人だから…】

    ♪弾き語りストです

    人嫌いってわけじゃないよ。
    でも気さくにガハハハというタイプじゃないな。
    お調子もんて言われるよりは、マジメなのねって言われるほうが気分はいい。

    初対面なら「堅苦しくて何考えてんだか分かんない」
    これがオレの第一印象だ…と。
    そうだろうそうだろう、否定もしないし逆らいもしないよ。
    最初のつかみは最低、相手の心を鷲づかみどころか甘噛みさえできんヤツ。
    それがオレって人間だ。

    他人と一緒に何かするより自分のペースでシコシコやっていたい。
    孤独とは違うな。
    孤独っていうのは、その裏に人と群れたい願望が見え見えだろ。
    そういうのとは違う。

    少し仲良くなって気さくに慣れ慣れしい付き合いが始まっても
    途中でそんな付き合いに息切れしちゃう。
    最初は適当に合わせるさ。
    社交辞令、大人の交際術、常識的な応対ってやつ。

    しかし、
    それも長くは続かない。相手に合わせたり、
    気を遣ったり気配りしたり、だんだんとそういうのが
    自分で煩わしく辛くなって、それが自然と顔や態度に表れる。

    すると、
    たいていは相手も気がつく。馬鹿じゃないから察しがつくわけだ。
    上っ滑りの会話や中味のない返事、気乗りのしない言葉の端々に
    いちいち疑り深い不信の眼差しを投げつけてくるようになる。

    何を求めているんだ!
    偽りのない友情か?底なしのお人好し加減か?
    オマエが王様でオレは奴隷か?

    そういうのが鼻につくくらいなら
    始めからコンビもタッグもグループも組まないことだ。
    合わせること、アンサンブル、そういうものの楽しさは、たしかにある。

    アコギなんて、一本増えるだけで伴奏の深みは倍増。
    声質がナイスな組合せなら
    その上、上手いことハモってくれたりしたらさぶイボだらけだ。

    子無しは子育ての喜びも悲しさも実感はできぬ。
    下戸には上戸の悪ふざけが理解できない。
    つるんで演るのが好きな弾き語りストは
    躁でも鬱でも自分次第の弾き語りソロリストのノビノビ感を知らない。

    「わがままなんじゃないの」
    …反論はできない。こういうのをわがまま、ジコチューというなら
    たぶんそうだろう。

    〝弾き語りはソロリストが基本〟
    と言えなくもないが、
    オレはつくづく一人で演ってきて良かったと思っている。

    世の中には心の間口が広い人がいて
    受容度合いが高く、他人からのアプローチを
    いつも真綿のように柔らかく受け止めてくれる。

    生まれ持った性格なのだろうが
    幸せの放物線はその人の笑顔に純粋に比例するだろう。

    幸せってヤツはやはりしかめっ面のところには来にくいものだ。
    眉間にしわよせているヤツよりは、いつもアホみたいに笑っている
    タイプが好きなのは人も動物も同じだ。

    苦虫かみつぶして、哲学者然としてやってるわけじゃない。
    他人からの視線も別段気にもしてない。
    弾き語りの時間は何にもまして穏やかでご機嫌だからね。
    一人遊びで楽しくしていりゃ悪さもしない良い子なのだ。

    一人で演りたい一人だから、
    今夜もまた、弾き語りはソロリストで行こう。

    それじゃ、また(*^^)v


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  • from: 弾き語りストさん

    2010年11月09日 19時52分28秒

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    いらっしゃいませ〈弾き語りスト〉御用達のギター専門店です。

    いらっしゃいませ〈弾き語りスト〉御用達のギター専門店です。

    ♪弾き語りストです

    ええ、そうです。
    お客様が言われるように、良い材料を組合せているからと言って
    必ずしも良いアコギになるとは限りません。

    用材や部品のスペックが良くても
    肝心の作り手が感心しないレベルだと
    良いアコギができないのは、やはり仕方のないことですね。

    さらに言えば、
    国産と海外生産はどちらが良いのか。
    あるいはブランド本国と本国以外でのOEMでは
    どの程度の違いがあるのか、
    ハンドクラフトがかならずしも良く鳴るとも限らないとか
    なかなか一概に決められないのが
    アコギという生楽器の難しさと奥深さなのでしょうか。

    どのブランドがオススメか?
    ということでございますか?
    はい、それが大変に難しいご質問で
    私たちも日々いろんなブランドを弾き比べては
    その違いに驚くばかりです。

    もちろん、
    楽器店として戦略的に
    イチオシのブランドというものもございますが
    だからといってすべてのお客様に
    同じようなオススメの仕方はいたしておりません。
    はいぃ〜、本当でございますとも。

    え?それじゃ何を選んだらいいんだ、とおっしゃるのですか。
    ごもっともですね。
    定番でかつとても有名なメーカーを選べばいいかというと
    それはそれで満足する方ばかりでないのが
    この商売の難しさと、ま、面白さでもありましょうか。

    なるほど、そこそこの値段でそこそこの良い鳴りのアコギはないのか?
    というお尋ねですか。
    さすがですね。そこをポイントにされますか。
    ごもっともですね。

    高ければそれに見合った品質はある程度期待できますが
    かといってアマチュアミュージシャンの方が
    やみくもに何十万ものアコギにはそうそう手が出せませんし
    かといって、中級以上のレベルの人が満足するアコギとなると、
    あんまりお安いものはオススメできませんものね。

    はいはい、その通りでございますね。
    お客様が言われるように、できるだけたくさんのアコギを
    試奏してみるのが一番良いのはまちがいないことです。

    ただ
    東京や大阪・福岡などの大都市ならいざ知らず
    このあたりの地方都市では、当店のように売場スペースにも
    限りがあるお店も多ございますし、なにより
    アコギばかりを置くわけにもまいりません。
    いくら私自身もアコギが好きといっても
    店の方針もございますので…。

    お取り寄せですか?
    はい、もちろん可能な限り対応させていただきますが
    代理店やメーカーによってはご希望のアコギを
    ひっぱってこれないケースもあって
    正直、あれもこれもというワケにもゆかないのが
    ワタシとしても実にもどかしいのですよ。

    そういえば、
    先日来られたお客様がこんなことをおっしゃっておられましたよ。
    〝無いものねだりで、迷って迷って
    アコギ購入を躊躇するよりも、試奏ができるブランドがあって
    もしそれが気に入ったのなら、それを一期一会と考えて一日も早くそのアコギを
    弾いてやる方がいい〟と。

    これまた、なるほどと私も納得しました。
    お客様に教えていただいたようなものでございます。

    当店としてはお客様が求めるアコギを可能な限りの方法で
    手配することを優先すべきなのでしょうが
    一人のアコギ弾き…なにやら最近では「弾き語りスト」という
    言葉もあるようで…えっ、お客様も聞いたことがおありで…
    なかなか言い得て妙なネーミングですよね。
    その「弾き語りスト」にとって大事なのは
    なかなか手に入らないアコギを待っているよりも
    今、手にできる最善のアコギを一日でも早く一日でも長く
    弾き語ることではないか、と私は考えるわけです。

    そんなー、お誉めいただくようなことではございません。
    そのお客様からのただの受け売りなんですから。
    私が考えたことじゃありませんて…。はははは…お恥ずかしい。

    人である「弾き語りスト」の体型がそれぞれで違うように
    アコギもボディサイズや各部のサイズが微妙にことなりますので
    同じブランドの同じタイプでもお客様によって
    弾きやすさが違ってまいりますね。

    たとえば、ナット幅が45ミリと43ミリでは
    たった2ミリでもお客の手の大きさや握力の違いで
    弾きやすさに格段の違いがでますし、ネック幅だけでなく
    U型・V型などのネックの形状や、またネックの厚さによっても
    握り手の感触は微妙にちがってまいりますね。

    さらにいいますと、
    指板…フレットボードの表面のRの違いや材質、
    フレットの打ち込みの深さの微妙な差が
    弾く方の手の感触には敏感に影響してきます。
    はい、その通りです、それほど人の手の感覚というか
    触感は微妙なのでしょうね。

    おや、もうお帰りにならないといけない時間ですか。
    これはまた長々と勝手なおしゃべりをしてしまいまして
    申し訳ございません。

    ええ、またおいでいただけるのですか?
    ありがとうございます。
    ぜひともお待ちしております。

    いえいえ、すぐに何かお買い求めにならずとも
    ゆっくりとあれこれお選びください。
    というか、同じアコギ好きから言わせていただければ
    アコギ選びにはおおいに迷われることをオススメしますよ。
    そして、これだ!という一本と出会われたのなら
    その時は、当店で迷わずお買い求めいただけますよう
    重ねてお願い申し上げます。

    ありがとうございました。


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  • from: 弾き語りストさん

    2010年11月08日 18時35分01秒

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    「アコギを見たらすぐ欲しくなる癖は直してね」


    「アコギを見たらすぐ欲しくなる癖は直してね」

    ♪弾き語りストです

    「アコギを見たらすぐ欲しくなる癖は直してね」
    あの人は言いました。
    ボクはちっともその約束を守らずに、
    今でもアコギを見るたびにすぐ預金残高を確認してしまう。

    「たくさんあっても全部は弾かないでしょ」
    あの人の言い分はもっともで、
    そうそうまんべんなく弾くわけじゃないけど
    アコギの音色がそれぞれ違うのもまた事実なわけで。

    毎年新しいスキー板を買い換えるスキーヤー、
    毎夏ニューモデルの水着を買い換える海好きギャル、
    たいしてスコアも良くならないのにニューモデルの
    ドライバーを買うゴルフ好き、
    似たようなデザインなのに毎回新しい服を買いに
    セールス会場に出向く主婦、
    新しく買った高級スーツほどに人間的な中味があるとは思えない
    サラリーマン…
    そんなこんな、みんな似たようなものなのに
    たぶんあの人はボクのアコギ好きな気持ちを分かってはくれない。

    昨日のお休みにもボクは街のリサイクルショップで
    カナダ製のアコギがちょっといいくらいの値段で出ていて、
    残念ながらその日はあの人を車に待たせていたので
    ちょっこっとアコギのボディをなでて帰ってきたけれど
    カード2回払いなら買えなくもないなって心で電卓叩いていたんだ。

    初めて入ったその店には、
    アコギトップに穴の空いたオールド日本製の名器や
    ブリッジが剥がれかけた国産アコギや
    おいおい本当に売ってのかぃ、といいたくなるような
    ボロボロのマイナーブランドものもあったけど
    そのカナダ製のアコギはまあまあの状態で
    トップはシダー、サイド&バックはワイルド・チェリーを使っていて
    ボディ厚が120〜125ミリくらいの17インチ幅のジャンボタイプだった。

    見ただけじゃ分からないのはアコギも女性も同じ。
    鳴らして(話して)、触って(触って)、眺め回して
    (いろんな角度から見つめて)、
    しばらく弾いて(しばらく付き合って)みないことには、
    自分のものにしてよいものかどうかなんて分からない。

    見て、いいな、と思っても弾いてみるとそれほどでない。
    見て、好み、と思って付き合ってみるとそれほどでもない。
    あっちもこっちをそう見てる。
    アコギは物言わないけど、お前なんかにゃアタシはもったいない。
    気に入らない?おふざけ!こっちが願い下げ、おととい来やがれ!
    塩まいておくれ、ってね。

    片思いのままで終わる出会いもあれば
    片思いのはずが、なにやらするするすと通いつめるうちに
    こっちの気持ちとあっちの気持ちが、ピタピタと合わさって
    いまでは良いお付き合いをさせてもらってます、ということもママあるもの。

    本当に弾くために必要なら
    いいものが3本くらいあればいい。
    正直、それはとても正しい青年の主張だ。
    壮年も老年も、よくよくアタマを冷やして考えれば
    まったくそのとおりで、そうだよなーって。

    道を歩いていて自分好みの美人を見るたびに
    付き合いたい、あまよくば自分のものにしたい、
    なんてことはNGなのに、
    相手が物言わないアコギだから
    あれもこれもと交際を申し込んじゃうんだ。

    ガマンのできる人って素晴らしい。
    ガマンのできないボクってやはりダメだと思う。
    ガマンできることが一つ増えるたびに大人の階段を上がってゆく。
    ガマンができなくて、いつも同じ踊り場でウサギ跳び。

    間食がやめられないふくよかな人、
    玉遊びがやめられないハイリスクローリターンの人、
    レバーに有休あげられない般若湯好きの人、
    ほこり臭くてかび臭いのに法外な値札が付く品集めに奔走する人、
    みんなみんなまちがっても立派な人ではないけれど
    心が弱いくせにどこか憎めないな。

    欲のない人も素晴らしい。
    自分よりも先に他人に譲るような人、
    欲しいと思ってもけっして口に出さない人、
    貰うよりもあげたいと考えている人、
    お金を使うよりは自分で済ませてしまう人、
    真似できないけどすごくエライ!

    欲しい心にセーブが効かなくなると
    その結末はたいてい悲惨なことになる。
    それほどに人の欲望はその中に狂気をはらんでいるということか。

    ほどよく抑制を利かせた欲望の出し方をする人は
    ある意味〝美しい〟って言える。
    遠慮もしすぎると嫌みになるし、
    いつまでも他人行儀のままじゃ気持ちも通じ合いようがない。

    一度は軽く遠慮して、それでもどうぞ、っていうなら
    そこまでいうなら遠慮無く、といただけば良い。
    欲しい気持ちも5回に3回はぐっとこらえれば
    先に立たない後悔の被害も最小限に抑えられるかも。

    「アコギ見るたびに欲しくなる癖はやめてね」
    とあの人が言った時、あの人はボクの欲望の蛇口を
    ちょっとだけ右にひねってくれたのかもしれない。

    それじゃ、また(*^^)v

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  • from: 弾き語りストさん

    2010年11月02日 18時11分18秒

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    【オトコの弾き語りスト…その生きる道】


    【オトコの弾き語りスト…その生きる道】

     ♪弾き語りストです

    男の〈弾き語りスト〉には男の弾き語りストとしての生き方がある。
    (おぉーーー、いきなり大上段から打ち込みかぃ)

    オンナの弾き語りストはいいのである。
    極端な話、オンナの弾き語りストは音痴でもいいのだ。
    見てくれが良ければ音痴も愛嬌の内だからだ。

    耳をふさいでも目で楽しませてくれるからだ。
    「いやらしい。オンナ弾き語りスト蔑視だわ」
    …そんなこたぁない。誉めているのだ。

    その点、
    男の弾き語りストの音痴はいけない。

    目だけじゃなくて耳までふさがなけりゃならない。
    かてて加えて、音痴で見た目もむさかったら…
    もう一つの穴までふさがにゃならない。
    「空いた口が…」なんとやら。

    ♪トイレの○様♪のあの娘みたいに
    唄は上手いし可愛いしアコギも上手い
    三拍子揃いの弾き語りストなら何も言うことありません。
    まいりました、てなもんや、だが、世の中そうそう三種の神器取り揃えた
    弾き語りストはいない。

    なにかい、
    三拍子そろわにゃ弾き語りしてはいけんとか?
    そんなことはないさぁ〜、シーサー、アルマジロ。

    そりゃ、お世辞にもビジュアル云々言えるようなご面相じゃなく
    アコギの技もヘタウマでも
    超絶声帯絶対音感ビブラもしゃくりもてんこ盛りだったりすれば
    それはそれそれそれならば、おーでぃえんすも大拍手もんでしょ。
    イケメンの美声でアコギテク初心者れべる
    というのでもまた、初心な感じでいとおかし。

    ぶさカワで多少の音はずれでも
    超絶アコギテクなら、それもそれそれ、魅力的。

    でもね、でもね、
    オトコの弾き語りストの基本は〝唄〟だと思うわけよ。
    たとえ田舎の片隅のアマチュアミュージシャンであっても
    「弾き語りスト」の看板掲げて、この先、音楽という一本道を
    とぼとぼと歩いてゆくつもりなら、
    〝唄〟の部分は肝心かなめの大黒柱。

    〝そういうおまえはどうなんじゃい!〟
    当然ですよね。そうくるよね、旺盛な批判精神に脱帽でさぁ。
    おのれの言霊に責任持つならしっかり持ちたい一家言。

    あたしゃね、ここだけの話だけど
    〝歌〟を〝唄う〟のは好きでゲスよ。
    下司な夜郎自大の分際で何をご大層な、とこれまた
    汗顔の至りで恐れ入谷の鬼子母神なんだけど。

    衷心から素直にシンプルにそう思うんですよ。
    好きこそものの上手なれ。
    好きというだけで世の中渡れりゃ苦労はしねーよ。
    まま、そうきつい切り返しをせんといてくれやっしゃ。
    遷都千年亀は万年。

    いまも両の眼を軽くつむれば、幼き頃、亡母の背のねんねこのゆくもりの中で聞いた
    ♪アカシアの雨にうたれて〜♪のメロディがだね
    私の大脳基底核より
    じわりじわりと沁みだしてくるほどに
    薄き我が胸の琴線をびゅりゅんびゅりゅん震わせるのは
    いつの時も〝歌〟であったのだよ。

    気がつけばそこに唄があった。
    気が向けばそこで歌を唄っていた。
    気がふれればそこここで唄いまくっていた。
    というほどに、私のそばにはいつも歌があった。

    小五、同姓の担任は音楽専門だった。
    男なのにピアノが上手かった。
    朝の会でいつも合唱させていた。
    小学生の先入観、「ピアノを弾く音楽の先生は
    キレイな女先生」
    と相場が決まってる。
    なのにあのひたぁ眼鏡でスダレでおやぢなのに
    音楽が好きだったのだ。

    音楽好きの担任との出会い、それが歌に目覚めたきっかけじゃない。
    それほど奇なりの事実はありゃしない。
    そのころ私、歌よりは昼の校内放送を企画し学芸会でドリフを
    やる方がずんと楽しい児童だったし。

    アコギを手に入れたらいつでも好きなときに歌が唄えるてなコペ転。
    驚天動地、コペルニクスもびっくりの新しき世界。
    それが中一の夏。世はまさに70年代フォークの大ブーム。
    便利この上なく、えにいうえい、えにいたいむ、えにいうえあ…。
    よるとさわると抱えて弾いて弾いて唄えやの弾き語り三昧。

    だから年季が違う、なんてことは言いませんよ。
    そんなのは自慢にもならない。
    長くていいなら蛇は王様、めめずは王妃。
    腐れ縁も長く続けば離れがたく、
    もはやそれなしに明けない日々はない。

    黄昏時にはやるせなさを、篠つく雨には空しさを、
    虎落笛(もがりぶえ)鳴く木枯らしの日には寒々と、
    送る日の折々に、アコギにのせて口ずさんできたものだ。

    繰り返すが、男の弾き語りストは何よりも
    唄への思い入れが無くてはならぬ。
    聴かせようとか聴いてもらおうとかおこがましいことは言わぬのだ。
    ただただ、アコギにのせて言の葉を紡いでゆけばよいのだ。

    めおと弾き語りストのことは迂闊にも思慮の範囲外であった。
    弾き語りストの駄・火亜歩や知絵里っ種はどーすんだ。
    どーしてくれるんだ、どううまいことまとめ上げてくれるんだよ。
    ととと…ここで紙枚も尽きたようで…残念ながら、このへんで
    お開きのお暇いただきたく、さらば昴よ、360よ、てなもんで。

    それじゃ、また(*^^)v


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