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from: 弾き語りストさん
2013年03月06日 17時11分45秒
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国産 Hand-Craft Guitar …これで千円とは、ホホホホ(^-^)ゞ
〔掘り出し物の宝庫:千円オークション?〕
早くも、今年になって「五本目」のアコギを再びオークションから入手。
○イソーの百均もおんなしことが言えるけど、百円とかいいつつお値段以上のけっこうな便利グッズが見つかるのだから、
「どうせ百均なんだべ」とかいって、商品の事さして知らない癖にあなや疎かに侮ってバカにしてはいけない。
自意識過剰・恥の上塗りだと自覚できずに、悪どい口車にのりて騙され有り得ない高値で手に入れた痰ツボやら偽掛け軸を意気揚揚と鑑定団に出して、
髭の中島誠之助やらポッチャリ安河内眞美らにコテンパンに叩きのめされる
とーしろー趣味人のごとく、
半可通を気取って意気軒昂・鼻天狗ビンビンになっているアコギ好きなんてのは、
Used Guitarの正当な価額設定など実際が所、
さして正鵠を得てまともに分かろうはずもないのだ。
そこえ行くと、「千円均一」で検索びびびーと並び替えなぞしてのち安い順にNetオークションのGuitarをみてゆくと、
初っ端から他人と競るつもりなんかノミの糞ほどにも持ち合わせてないから、
競札なし千円ポッキリでそれを落札してもよい、
と思えるかどうかに耳目を傾注させて、あれこれ検討し選んでゆくので、
精神健康上はけっこう気が楽だ。
千円ポッキリで入手したらどれだけオトクで掘り出し物かなかの裏付けを得て自分を納得させるために、同Type同レベルのGuitarをあちこち検索して覗き見て、
さらには念には念をと発売当時の元値や実勢価格などまでも把握した上で、
初めて入札に踏み切る、慎重さと言うか小心者というかセコイ小市民的なダニのごとき
ノミの心臓で、Netオークション対峙しないと、あとあと痛い目にあうこともママありと、
実際がとこムダ金をむき身でドブ川に落としてしまったことも、
二度や三度や四度や五度では指が足りない、両手が出る足もでる。
千円Guitarを見つけてCheckをつけておいてオークション〆切までじとじと見張っていて、道すがら誰か一人でもよこっちょから入札してきやがったらすぐさまCheckをはずしてそこは潔く身を引くのだ。
日陰にひっそりと咲く野の花か、妻と名乗れぬわが身を哀しむ道ならぬ悲恋の女のように、つまみ食いと勢いで出したその手をすぐ引っ込める。
年上の小学校低学年に隠れん坊を見つかった年長組幼児のごとく、脚だけは早いちびっこに隙を突かれて缶を蹴り上げられた当番鬼のごとく、牡丹餅の盗み食いを見つかってシラを切ろうとする小坊主のごとく、
誰かが入札したら、即諦めてCheckそのものを削除して
サバサバするくらいに淡泊な性格のオレ。
つい先日も、毎度おなじみのNetオークションで「千円Guitar出品」を見つけて、
最後まで競札なし、スタート値の千円のまま落札した。
80年代製作の国産Hand-Craft Guitar〔ARIA W(WINGS)20D〕である。
雨後の筍、柳の下のどぜう、梅雨時の青かび、初版に群がる文学屋のごとく、
一大フォークブームの70年代から80年代は単なる木工屋から家具屋・三味線屋・バイオリン屋・mandolin屋までが、
オレもワシもあたいもとアコギを造りまくった。
〝copy-Model〟と称して単なる猿真似のクセしてさもoriginalを凌駕するがごとき甘言に載せられて、本家の物まね・偽物・バッタもん・まやかし・もぐり品のGuitarがめったやたらと造られた。それをこれまた、何の根拠もないまやかしのねつ造キャッチコピーで
「Vintage」だの「Japan Old-Guitar」だの、
はては「レア」だの「希少」だの、おまいはほんとに調べて調査して分かってゆってるの、
嘘と髷はゆったことがありまっしぇん、ボクハ死にまっしぇん、などと書きなぐって
Netオークションに出してくる、単に古くてボロイだけのホコリ臭いアコギ。
そんなのをバカ正直に、値段つり上げの邪なシマウマかトラかというようなあくどい手管をかまされる可能性もあるというのに、
字義通り身銭を切りつつ競るなんて陽水のカミさんじゃあるまいし、
セリてその先どーすんの勢い止まんないよまったくローラーゲームで
飛ばされちゃった東京ボンバーズみたくなっては、はした金と言えどもアタシにはわずかなよすが趣味の元手なわけで。
国産Hand-Craft Guitar〔ARIA W 20D〕千円なりしも、その値は千金かというとそれほどのことはないわけで。
当時の価格は型番通りの二万円。三十年前の二万円がどれほどの貨幣価値かとふと自分の半生をどらいもんのmachineで遡る。
四年制の地方私大を大過なく卒業し、先ごろ身罷ったEzoe氏のR社の就職bookもない中、今でいうところの就活をしておったワシ。
入ったところが肉の卸と小売店も展開する商社なんだか商店街出店を束ねた会社なのか判然とせぬところ。
大卒とはいえ税込で手取りが10万円、もろもろ引かれりゃ手もとに残るは数万の月給。
家賃と食費で何も残らないカツカツ生活。
そんな時に果てたしてオレが二万のGuitarを贖ったとお思いか?それはないね有りえない南極と北極がひっくり返ってもまずないね。
そう考えれば当時二万のこのアコギは今ならさしずめ5、6万がとこの価額は札付けしてもよいよと店主が太鼓判押すほどの品。
見た目は悪くない、ちょっと見美人のスタイル良し子ちゃんサリーちゃんてくやくまやこん静香ちゃんになれーと言うくらいの見栄え。
Headstockのロゴこそ印刷だがタテ位置に「WINGS」の欧文を厚めのcelluloidで型抜きして偽金箔塗りてし貼り付けてある。
そも「WINGS」とは何を意味するものぞ?
ドレッドノートのentry-modelであるはちくとも疑いがないがそこに「WINGS」を付加することで、単なるDreadnoughtではなくかつ並みのentry-modelともひと味違う付加価値なるものを追加盛り込んだのかしらん。
ところが、いくらNetを検索しまくりても「ARIA×WINGS」なるきいわーどに引っかかってくるものの影も尻尾もなし。
同型のアコギの持ち主の掲出する写真を見てもそんなタテ位置logoは見当たらない。
そこで、よくよく入手のアコギのHeadstock部分に己がまなこをこらすとなにやらその貼りしロゴがわずかに傾いているような。
もしや、これは前オーナーの完全なる創作・手慰み・工作、いわゆる手作りたらいうもんではあるまいかするめいかもんごういか。
とすれば、型番の〔ARIA W 20D〕の「W」とは「WINGS」でも何でもないということですか?ネエさんそーなんですか?
それでも意外とこの貼り付けたようなロゴは良くできていて、単なるドレッドノートのアコギにプラスアルファと色合い風情・景色などを、うまいこと演出しているものであるのだ。
Usedのアコギのご多分に漏れず、このGuitarもどこやらの押し入れに押し込め・蟄居の責めにあえいでいた模様で、きちゃないことこの上ないのであった。
磨けば光る玉のごとくも牛蒡も土付きのままならなにやら見てくれの悪い根っこのようだが、ひとたび束子などてこしくりて、
薄手の包丁などを絶妙に傾けつつ笹掛けなどの手技によりて水に晒せば、
山出しの娘っこが江戸の水に磨かれて、ちょいと小股の切れ上がったオイラのお股も思わず屹立しそうなほど美形に生まれ変わった娘っこのごとく蘇らせてみせよーぞ。
サビと曇りが出ているheadのペグは〔Cre5-56〕でこしくるとけっこうな黄泉がえりでSilverの輝きを取り戻す。ペグそのものがぐらついているので、coverを外して、ギア内部の歯車の留めネジを締め直した。
本当は、これに潤滑性を高めるグリースなど少量塗れば、先っぽにちょいと塗るだけで教師も生徒もビンビン物語となる天狗印特効薬のごとき、
効能が発揮されるのだが。生憎とまだそれを入手しておらず、
開腹したものの手が着けられない病巣のごとき諦めをもって、
coverを再び取り付けるにとどめたのだ。〔Cre5-56〕恐るべし。
錆びてどもこもならん古い弦はとっぺがして、Fretboardとbridge周辺にCheckの目を移す。
指板は意外と使用感なく減りがないし、フレットそのものもあまり減ったところが見られないのでさして頻度高く弾かれてはおらないようだ。
指板というのはたいてい「rosewood」やら「Ebony」など硬めの用材を使うが、長く弾いておると巌を穿つ雨だれのごとき執念をもち、
使用頻度の高いローFretの高音弦あたりが指跡で凹むものだが、
それすらないほどに構ってもらえてなかったのかコイツはみたいな感じ。
指板にはlemon-oilを塗り込み汚れも落としつつ油分を補填、フレットも金属磨きシートでこれまたこしくる。
ふとみると、Fretboard横のcelluloidのBindingが剥がれかかっているのに気が付く。
entry-modelとは言い条このアコギけっこな装飾美人であり、処処にプラスアルファのお飾りが施されておった。
まず、今見たばかりの、Fretboardの両サイドはcelluloidのBindingで、HeadstockもcelluloidのBinding。
body周りにはabaloneを模したcelluloidのBinding、同様のものはsound-hole周りのRosettaにも施工してある。
70年代のGuitar職人はentry-modelであってもこういう面倒な手間を掛けたのだなあと感心するばかり。
body-Topには、汚れ・キズ等あり、おまけになにやら原型の分からぬシールを剥がした跡あり。Guitar caseになんやらのシールを貼るのはまだしもなんでGuitar本体にシールなど貼るものかよくその趣味分からん。
オス犬の小便マーキングのごとき縄張り主張のつもりか単なるオシャレを気取ってか、ならば剥がすな最後までといいたげな自分。
bridgeにカケ、sound-holeの一部に割れ、Neck裏にも打痕、
Neck-heelの突板も割れ...とカケ・割れのオンパレード。
ま、そういうのはUsedなので当たり前。よほど中まで割れこんでいるとか首折れNeckとかFretが外れてるとか、
もうジャンクとか部品取り専用とかの範疇を超越してはるかかなたの銀河系外に吹っ飛んでるようなものでなければ、入手後の手入れ、つっても大したことはしてないんだけど、
そういう処置で見場はよくなるもんです。
この〔ARIA W 20D〕もsaddleを市販のプラ製のものに取り替えた以外は現状ママで使用できそうですな。
〔Martin Light-gauge〕normalなbronze弦に張り替えてtuning後、弾いてみることに。
70年代80年代の国産〔ARIA〕は製作を請け負う工房がHand-Craftで造っている場合が多いので、基本性能には安定感があるようです。
今回入手のこのGuitarもそこそこハリのある低音弦とサスティーンの長さ、中高音もブリリアントとは言えないまでも
程よいキラキラ感があって、弾き語りにはちょうどいいホンダ!的、お手頃な一本でした。
それじゃ、また!。.:♪*:・'(*⌒―⌒*)))