【人を感動させる「偏屈者」】

♪弾き語りストです

新年だからといって何も目出たいわけじゃない、とかいう人がいる。
そういうのを「偏屈」とか「へそ曲がり」とか「天の邪鬼」という。
はっきり言って、友だちにはなりたくないし、できれば距離を置きたいタイプだ。

人の性癖（下ネタでなく）は簡単には変えられないもので、
何かっていうとひと言余計なことを言わないと気の済まないような人は
一瞬でその場を凍りつかせる自分の悪癖を承知しているにも拘わらず
どうしてもそうしないとムズムズするものらしい。

もうそうなると、半分は〝病気〟だ。
よく世間では、「B型」や「AB型」に対して
この「偏屈病」を札付けしたがる。

世間のBとABの人からの反論を承知で言うが、
血液型によるステレオタイプな性格診断を
科学的根拠なしとする説が有力だが、
ならば逆に問う。「なぜ血液型というものが存在するのか？」と。

とまあ、
新年早々、小難しい話も野暮なので今日はやめるが、
血液型と行動・思考・性癖の相関性というのは、
実際、……あると思うね。

どんなに頭が良くて、イケメン・美形であっても
性格が「偏屈」なら、半径1メートル以内には接近したくない。
どんなに阿呆で、へちゃでな♂・♀でも
性格が素直で笑顔のキレイな人の回りには善男善女が群がるものだ。

無い物ねだりでかくいう私は「偏屈者」といっても良いだろう。
私はBでもABないけど偏屈な人はAにもOにも結構たくさん出現する。
ま、多少その出現率が偏っているという位のものだ。

素直な性格の方が良い、なんていいながら
若いときの藤原紀香みたいな人に近寄られたらむずむすしてしまう。
普段は、いいふりこいてまともな事いっておきながら
人には「エコなんて意味ねーよ」などと声だかに宣言している。

せいぜい生きてもあと10年。
生きてる内に美味いもの食べて美味い酒をのまなきゃ、なんて
人生を達観したようなことを考えているのに、
ちょっと胸焼けがしたり上り坂で不整脈がでるとオロオロしている。

自尊心の強すぎる人や自意識過剰な人は嫌いだし
自分のことを好きだととか平気な顔して言うのは寒気がする。
人のことは良く批判するくせに、誰かが自分の事を話題にしていたら
耳がダンボにもウサギにもチェブラーシカにもなってしまう。

自分のことが嫌いだと生きてはいけない、なとど
ナルシストな人はいうかもしれないが、
そんなことはけっしてない。

自分のコピーロボットがいたら付き合いたいか？
という質問にどう答えます？
私は、即決で「No！」「否！」「勘弁してよ〜」だね。

よく考えてもらいたい。
人は誰でも自分のことを優先して考えて生きている。
腹が空いた時に他人の腹の空き具合を心配する人はいない。
疲れたなー、休もうか、いや時間まではきっちり働かなくてはなんない。
でも、課長も部長も不在だしちょっとさぼるべ〜。
ああ、眠たい。でも雪かきしなくちゃ車出せない。
でも、もう30分だけもぐっていたい。
いいか、今日はバスでゆくべ。

ね、
なんかかんか理由つけて自分の行動を正当化しているのが
人間…というか私という個体なのだ。
そんないいかげんなヤツのことを信用できます？
だから、まちがっても私は私のことを「好き」だなんて思わない。

じゃ、嫌いかって？…そう聞くアンタもアンタだが、
好きじゃないけど嫌いなわけでもない、と答える自分も自分だ。
ようするに、私は私のことを「仕方のないヤツだ」くらいに思って
この半世紀ほど付き合ってきたんじゃないだろか。

人が見てなきゃズルをするし、
できれば楽して暢気にギターを弾いて暮らしたいし、
人のために何かをしようなんてちっとも考えてないし、
お世辞と知っているくせに、誉め言葉には弱い。

ほんとにしょうがないヤツだなぁ〜と思う。

そう自己評価してみると、
こんなヤツを伴侶として扱ってくれているカミさんは
本当に偉い人だと思う。

こんな私をまともな職場にいさせてくれる
会社の上司や仲間達は本当に立派な人たちだと感謝したい。

ところで、
私の嫌いなイチローをはじめとして
スポーツ界や音楽関係では「偏屈者」の方が
活躍したり、良い成績・作品を残す場合が少なくない。

特異な分野でそれなりの仕事をする人にとって
「偏屈・頑固・へそ曲がり・天の邪鬼」は不可欠な資質なのだろう。

性格はいいんだけどね、つまらない歌ばかり作るんだ、というような
シンガーソングライターよりは、
女好きで酒癖が悪くてドラマを地で行くような破天荒な暮らしを
送っている、人間的にどうもならんヤツだよな、
とみんながダメ出ししている
シンガーソングライターの歌が感動する場合はけっして少なくない。

ということは、
人を感動させるような〈弾き語りスト〉も
「偏屈者」の方が断然いい、ことになる。

とすると、
私もその候補の一人…なんだが
まだまだ破天荒さが不足して単なるへそ曲がりおやぢの域をでない。

その人の人生は顔や手に現れる。
額や目尻に刻まれた深いシワや
酒やけの顔色と悲哀の色をたたえた瞳…私には無い。

節くれた両手指、傷ついた手の甲、えぐれた指のギターだこ。
不摂生がたたっただらしない体型、あるいは痩けた頬からアゴまでの稜線。
言葉少なのぼそぼそとしてしゃべり口調。

やはり、
人を感動させられるような「偏屈者」をコンプリートさせるには
こうした暗く、不健康で、どよよ〜んとした
ヘドロみたいな深淵さを、資質の一面に持っていることが必要なのだな。

だから、
「偏屈者」とは決して友だちにはならなくてよいし
半径1メートル以内に近寄らなくてもよいが、
「偏屈者」の弾き語りストが出てきたときには
遠巻きでよいのでその歌に聴き入り、ささやかな拍手を送ってもらいたい。

====書き込み後記====
そうかぁ、だから私には友だちというものがいないのだな…うん、妙に納得。