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弾き語りストの独り言

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公開 メンバー数:7人

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  • from: 弾き語りストさん

    2011年07月08日 17時14分16秒

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    わが娘たちに付喪神が宿るまで


    ★弾き語りストです。

    ちっとも音が良くない、鳴らない手持ちのアコギをどうにかして少しでも良くしようと
    あれこれ細切れの情報をNetで見つけて試してみるがびっくりするような変化は起こらない。

    餅は餅屋で、リペアのプロの依頼すれば、素人には思いもつかないポイントを
    的確に修復・改善してくれるらしいが、なんもかんも一式頼んだら、はたしてどれほどの見積もりになるのか。

    リペアの知識に乏しい悲しき素人のアコギ弾きにできるのは、せいぜいがサドル&ナットを取り換えるとか、弦を替えるとか、ブリッジピンをかえるとか、弦の張り方を工夫するとかくらいしか思いつかない。

    いいなと思って手に入れたアコギが思ったよりの腰砕けで
    『なんだかなー』という場合は、♪悲しくて悲しくてとてもやりきれない♪ものだ。

    前職よりも高い給料になることはめったにない転職と似て、入手金額よりも高く転売できるアコギはそんなに多くない。楽器専門の中古ショップならいざしらず、
    そんじょそこらのリサイクルショップなんかだとたとえ元値が10万くらいのものでも、容赦なく二束三文に買い叩かれるのがオチだ。

    性格はいいんだが、いかんせん顔に愛嬌がない女と、我がままで好き嫌いが激しい美人と同時に付き合っていたとしたら、どうしたって後者とのデート回数が増えるでしょ、アナタだって。ワタシもおんなじです。

    いま家には12人の娘がいて、年増から女子高生まで年齢もさまざま。
    ジャンボからスリムまでBodyTypeもいろいろ。生まれも日本・韓国・米国・インドネシア・チェコ・中国・カナダと世界各地。
    言わずもがなだけど、「アコギ」のことです……。

    弾かないことには決していい音に育つことはないのがアコギだ、と聞かされているから、できるだけ万遍なく弾きまわしてやろうと思う。たとえ一本あたりが一時間くらいしか弾けなくても毎回必ず鳴らしてやりたいと思う。

    手間のかけ方に比例して良くなるのは、なにもヌカみそや料理だけではない。
    天然物由来のアコギも日々いじってやらないことにはこの世に生まれてきた甲斐がないだろう。

    景気が悪くなると真っ先に削られる宣伝・広告費のように
    アコギをいじる時間を確保しようとしたら削れる時間枠は限られる。

    夜明けが早いことを利用して早起きしてアコギをいじる。家事手伝いを効率よく集中して済ませてアコギをいじる。残業を部下に押し付けて早く帰り夜な夜なアコギをいじる。
    晩酌を半分にして眠気を抑えてベッドに入る前にアコギをいじる。せいぜいそんなとこか…。

    時間の使い方の上手・下手は、結局やりたいことにどれだけ集中してできるかだ。好きなことに集中できたあとの満足感が大きいのは人間がもともと夢中になることが好きな生き物だからか。

    嫌なことをいやいやながらだらだらと続ける生き地獄は拷問だ。精密機械でありながら意外な脆さから機能不全に陥る。半世紀以上も機能し続けて、たいしてメンテナンスも受けていない肉袋マシーンは意識的に楽しいことを考えることで致命的な機能不全に至らずにここまで来た。

    当たり外れのある工業製品のように肉袋マシーンも個体差が激しい。ストレスに効果的な自己補修機能が発揮できる個体とわずかな外圧にも神経質に過剰反応して自分で自分をダメにしてしまうタイプがいる。

    いわゆる〝遊び〟を持たないタイプ。遊びのないハンドルだから、わずかな動きにも大ぶれする。カリカリ、オタオタ、ビクビク、ピリピリ…なにをそんなに大げさに、と思うほどの過剰な反応。

    遊びがありすぎ、もまた路肩に突っ込む悪たれ小僧になるが適度なゆとりが心を平静に保つことは
    「遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん(梁塵秘抄)」と謡われた、平安の古より、この国の肉袋マシーンが自戒を込めて言い続けてきたこと。

    閑話休題…、
    鳴らないアコギをちょこちょこといじくって昨日よりなんだが良くなってきたねと語りかけるとなんだか嬉しくなってくる。

    楽器…とくにアコギのように抱きかかえ系のものはその鳴りが身体に直接響くから、一体感が強く、肉袋マシーンとの共鳴が共感を生み出す。

    日本に古くからある付喪神(つくもがみ=九十九神)の信仰は長く健全に生きたものに霊魂の宿りを見るねのだが、それはそのもとわれわれ肉袋マシーンとの心的交流が生み出すものだろう。

    いくら古く長い時代を生きたものであっても、手から手へと流浪の流転を強いられたものよりは同一コンビで果てるまで一緒の組み合わせの方が宿る魂は清純であろう。

    それぞれの出生のエピソードを小脇に嫁してきたわが娘たちよ。わが体温を感じつつ身悶えながらも良き声で今日も唄っておくれ。

    それじゃ、また!

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