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from: 弾き語りストさん
2011年10月03日 18時36分53秒
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【黴臭い閉ざされた世界を三次元の空間に解き放て!】
【黴臭い閉ざされた世界を三次元の空間に解き放て!】
★弾き語りストです。
ワタシはずっと「70年代フォーク」というものを弾き語りしてきた。
が、リアルタイムで聞き知っている「70年代フォーク」はたかがしれている。
そこで、古い楽譜や復刻版の音源やYouTubeなどを聞き調べて、
初めて知った70年代の古い楽曲をひとつづつレパートリーにしている。
聞き覚えのある歌はいいが、まったく聴いたことがない、あるいは
音源もYouTubeで歌っている人もいないような曲の場合は、
楽譜を頼りに自分なりの解釈でその歌を覚えるしかない。
おそらくはオリジナルと違う曲調やテンポであったり、
もしかしたら歌い方そのものも大きく勘違いしている場合もあるだろう。
それでも、こうしたやり方はどこか「発掘」めいていて、とても楽しい。
メロディ譜の音をひとつづつアコギで弾きつつゆっくり声を合わせる。
なんどか繰り返すとなんとなくの全体感がつかめる。
次には、これまた適当な感じだが、アコギのコードストロークかフィンガーピッキングで
伴奏をつけながら歌ってゆく。
このあたりまで来ると、その未知なる曲にふさわしいテンポやアコギの伴奏がイメージできてくる。知っている歌手ならいいが、聞いたことも見たこともない70年代フォークのシンガーソングライターやグループの場合は、あくまでその曲から感じられる自分の個人的なイメージで弾き語りをすることになる。
カバー曲はたいていオリジナルよりもよく成ることはないが、
時としてオリジナルよりもずっといいんでないか、という場合がある。
これと似たようなものかどうか…、初めて見つけた古い歌を自分なりの解釈で唄ってしまうと、それはもうカバーというよりも、新しい解釈とアレンジによる「Newカバー」ともいうべきオリジナルソングといえるかもしれない。
なにしろ、originalを聞いたことがないから先入観も持たず、
真似のしようもないので、好き勝手に唄える。
どこかのLiveで実演して、その歌をもしも知っている人がいたら、
自分の解釈はどうでしょうか?と聞いてみたい。
「70年代のフォーク」というひとくくりで考えても、
知らない曲はまだまだたくさんあるし、たぶんあの世に逝ってからも
永遠に探し続けることになってしまうだろう。
宇宙というものが「そこに在る」ことは理解できても、
それがいったいどういうもので、
その果てはどこにあって、その果てのまたその向こうはどうなっているのか、と
考えても、まったく納得のゆくような答えは明示されない。
その点、集めた古い楽譜というのは、
見開きページやそれ以上のページでひとつの「世界」を形成している気がする。
ただし、そのままでは「閉じた世界」である。
その閉じた世界をこじ開けて、
三次元の7.5畳の現実空間の中にその曲を解き放ってあげるのが、
ワタシのやっていることだ。
押し入れに眠ったままの古いアコギをひっぱり出してきて、
新しい弦を張り替えて弾くこともまた、
眠りの森の美女をキスで目覚めさせるのに似ている。
ま、その美女はホコリ臭くてカビ臭くて、キスなんてしたくはないけど…。
眠った子を起こすとどえりゃーことになるが、
いったん起こした子の機嫌を取り繕うのもまた骨が折れる。
子供を持つ親なら分かるだろうが、
起き抜けの機嫌を損ねた幼子やいったんへそを曲げたおなごの気分を
ハイなテンションに持ってゆくテクニックというのは
激しく高度であり、その奥義は中国四千年の秘儀と比肩できるほどのものだろう。
実は、ゆうべもベッドに入る前に、
Netオークションで仕入れた古い70年代フォークの楽譜から、
古くてまったく聞いたことのない楽曲を一音一音サイレントギターを弾きつつ
オレの三次元空間ではなく(イヤホンをしているからね)脳内空間に解放する作業をしていたのだ。
結句、そこからまた二曲の古くて新しいネタ曲を仕入れることができた。
いやあ、「70年代フォーク」って、ほんとに楽しいですね。
それでは、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ…。
それじゃ、また!
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