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from: 弾き語りストさん
2012年12月18日 16時26分39秒
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2012年師走に、ダメ押しでGuitarもう一本!
〔2012年師走に、ダメ押しでGuitarもう一本!〕
競札者なし、初値で落札、しかも手渡し対応可能で配送費無用...という好条件で、国産Old Guitarを一本入手した。
それが、※Pho.の〔K.country SH-330 by KASUGA〕だ。
結局、今年はこのGuitarを含めて全部で「9本も!」新たな〝相棒〟を手に入れた。
カミさんにばれたらどエライことだ! ちょっと多いかなと考えないでもないが、
いずれのGuitarも〝こりゃーここで見逃すにはぜったい惜しいよー〟という、まさに「一本モノ」ばかり。
しかも、どのGuitarも入手した価格以上の価値があると、とオレ自身は納得している。
...これで「24本」のGuitarを所有することになった(うち、4本は故障または弾かず嫌いで物入れに)。
かつて、一時期、「いろんなGuitarにアレコレ手を出さず、本当に良い物だけ少数精鋭で」と、
それまでのGuitar集めを、考え直していた時期もあった。
そのため、10本くらいのGuitarを楽器専門Used店に買い取ってもらったりもした。
が、しかし、世の中には自分の知らないブランドのアコギは数限りなく、
Netオークションを覗けば、これは!という一本がリーズナブルで日々出品されてくる。
一つとして同じGuitarはなく、それぞれに音質も弾き心地も違う。
キリがないとは分かりつつ、この世にいる間にいろんなGuitarを弾いてみてー。゚(゚´Д`゚)゚。 。と思うのが本音。
少ない小遣いのやりくりの中で(高いものは長期creditで)どうにかこうにか集めてきたわけで。しかも、単なるcollectionではなく、ちゃんとちゃんと弾いているもんねー。
と南野菅野と言い訳しつつ、結局、師走のギリギリにもう一本手に入れてしまったわけだ。
今回入手のGuitar、〔K.country SH-330 Guild D-50Model〕by KASUGA は、
名古屋の〔春日楽器〕が1975年に発売した国内向けoriginal-brandシリーズの一本。
SHシリーズのエントリーモデルで、発売当時の価格は33,000円(参考:75年当時の大卒初任給は約9万円)。
〔春日楽器〕は1935年創業の老舗メーカー(ちなみにYAMAHAの創業は1889年)。
フォーク全盛期の60年代から70年代にかけて、多くの米国のGuitarメーカーからOEMにて製作を受注していたメーカーだ。
〔K.country〕のブランド名は、米国のcountry musicにinspireされて命名された、日本国内向けのoriginal-brand。
〔春日楽器〕にはそのほかにも〔THE KASUGA〕や〔Kimberley〕、〔春日〕などのブランドがあり、Guitarの他にもbanjoやmandolin、エレキギターなど、多くのラインナップがあった。
実は、オレは学生時代に当時、京都・宝塚出身のYのアドバイスで〔KASUGA〕の五弦banjoを入手。
一時期はかの〔Earl Scruggs〕の名曲を少しだけ練習したこともあったけど、いまじゃcaseにしまいっぱなし。
〔春日楽器〕は80年代以降は徐々に企業活動が衰退、残念ながら96年には完全に操業を停止してしまっている。
ただ、嬉しいことに同社の全盛期に〔K.country〕の企画・検品・販売に関わっていた I 氏が、
このbrandの商標を買い取り、新たに登記して新生〔K.country〕として2000年から製造・販売を復活。
customオーダーにも対応しながら、かつても名門brand・名器のspiritを再興している。
さて、今回入手の〔K.country SH-330〕だ。
「SH」は〝セミ・Hand-Craft〟の意味で、製作工程の一部に当時のGuitar職人による手工技術が活かされている。
これより上位機種のオール・Hand-Craftの「HC」シリーズやBluegrass向けの「BG」シリーズや、「F=フォーク」なんかが当時の製品カタログには掲載されている。
〔SH-330〕はエントリークラスのModelであり、今の価格相場に換算すれば、
7~8万円くらいのGuitarかな。※YAMAHAのLLだともっと上質なSpec.だけどね。
まずは調べられた範囲での本器のSpec.をば...。
Type:Dreadnought(Guild D-50 copyモデル)
Top:plywood spruce
Side&Back:plywood rosewood
Neck:Nato
Fretboard:rosewood position-mark Pearl in dot
bridge:rosewood
bridge-pin:white Black in dot
saddle & nut:plastic
Rosetta:circle
Binding:celluloid (Body&Neck)
tuning machine:original
finish:GROSS
case:None
1975年:春日楽器製
弦高設定値:12Fret 6弦-2.5mm 1弦-3.0mm
用材と基本的な仕様はオーソドックスながら、Headやbridge、pick-guardなどは、
Guildをコピーしたもので、Guildオーナーとしては嬉しいポイントだ。
製作後、すでに四十年近いが状態は良く「美品」といえる。
前オーナーの保存状態・使い方が良いのか、
経年数の割には致命的なキズ・打痕・割れなどがなく「美品」と言える。
Topにひっかきキズ、Headstockの打痕があるくらい。
使用頻度は少なかったのか、指板とフレットの減りはともに少なく、Fretboardはまだ黒々している。pegはオリジナルのようだが、ややギアが甘いのかところどころで空滑りするが致命的ではない。Neckの反りはなし、bodyのふくらみもない。
弦高設定値が高いのでsaddleを削ろうとはずしてみたら、
高音弦側に木製の薄いシム(=ゲタ)が二枚入っていた。
このため、1-2弦の弦高が高かったのだ。
シムを取り外し、saddleを万力に挟み、金やすりでゴリゴリ削る。
そのあと、平らなテーブルの上に細かい目の紙やすりを置き、
その上でsaddleをこしくり、できるだけ水平を出してゆく。
※曲尺の上に削ったsaddleを置き、電灯や日差しに向けてみる。光が透けるような隙間があれば、さらに水平が出るように紙やすりをかけてゆく。
次に、Fretboardとbridgeにlemon-oilを塗り込み少し時間を置いた後、布でふき取る。
フレットを金属磨きで磨き、body全体をワックスできれいに仕上げた。
ざっとこれだけ手入れした後で、新しいLight-gaugeを張ってみた。
弦高設定値は、regular-tuningで、12F 6弦:2.3mm、1弦:2.0mmと最適な数値に。
tuningが安定したのち、フラットピッキングとフィンガーピッキングで試し弾き。
...その感想。
低音弦はそれなりのハリと音圧があり、サスティーンも長い。
中高音に特徴があるようで、コロコロと心地良いブリリアントな音質だ。
弦による違いもあるので、次回は別のブランド弦で試すとして、
音の印象は、〔Guild D-50〕というよりは、〔Martin D-35〕に似ている。
これから弾き重ねて行く間に音質も変わるかもしれないが、
嫌味のない温かな印象の音だなと感じた。
Netオークション出品者の T 氏とは、たまたま隣町に住んでいたこともあり、
手渡しで取引を行い、その時少しだけ立ち話をした。
五つ年下だったが、古いGuitarの事にも詳しく、いろいろと教えてもらった。
なんと、彼の父さんが米国製のGuitarを何本も集めておられたということで、
実家の倉庫にあったものを、取り出しては整理してNetオークションに出品。
それでも、まだいいものがあるそうで、Netオークションにはしばらく出せないから、
良かったら貸しましょうか、なんて気さくに言ってくれた。
Netオークションでもない限り、
隣町とはいえ、T氏から、状態の良い国産Old-Guitarを譲ってもらうなんて機会はないわけで、いまさらながらこの便利なNet-社会の恩恵が、自分のGuitar生活を豊かにしてくれたんだなと、感謝している。
それじゃ、また!。.:♪*:・'(*⌒―⌒*)))
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