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from: 弾き語りストさん
2013年06月26日 12時31分21秒
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【 月光堂のGuitar 「GABO」...レアだとか希少だとか、ホントか?】
珍しいものや入手するのに困難なものを「レア」とか言って珍重する。
それが高いものとは限らない。
ぐたらない、つまらないものの場合もある。
が「レア」には高付加価値の匂いがプンプンする。
価値観の違いで、Aにはゴミ屑でもBにはヨダレたらたら、ということも。
豚に真珠、犬に論語、馬の耳に念仏、牛に経文、猫に小判、兎に祭文...。
価値が分からなけりゃレアもヘチマもキュウリありゃしない。
で、これはどーだ。
ということで、〔GABO W-20〕だ。
made in Japanのアコースティックギター。
「希少、ジャンクですが...」の惹句にのせられて、また...Netオークションにて。
競札なし、初値入札のままにて、単独落札。
他人はノーチェックだったのか、スルーだったのか。
あるいは、「素性不明」で敬遠されたか。
出品者は京都のリサイクルショップ。
詳細は不確かで心もとないがといいつつ...スタート値は、
昔のLPレコード一枚分くらい。
そのまま、オレが落とした。
Net調べで、なんとなくの身辺調査。
sound-hole内部のラベルに何やら見覚えが。
古臭いラベルデザインは、60~70年代のJapan Old-GuitarによくあるType。
表記は上から順に、
「THE BEST QUALITY GUITAR」←よくある定番文言
「GABO」←brand名
「model № W-20」←western Guitarの意味。売価は20,000円
「made in Japan」←70年代に盛んに量産された国産Guitarたち。
なんの変哲ない四角いラベルをどこかで...見たことが。
それが、記憶の隅から湧いてきて...〔月光堂楽器〕の「GEKKO」のラベルが思い浮かぶ。
で、画像をぐぐると...やはりあった。
京都:月光堂楽器のoriginal-brand「GEKKO」というGuitar。
そのラベルの飾り罫とは違うパターンながら、
提携文言・brand名の位置・modelの表記・made in Japanの一文。
そっくり!
ついでにHeadstock裏のTunerの写真...を見ておどろく。
これがまったく同じTypeのRotomatic、ギアcoverの模様も同一。
これでほぼ、間違いなく〔月光堂楽器〕original-brandの一つと確信。
さらに個人ブログをググれば...、
「月光堂」の言葉とともに〔GABO〕の文字も発見。
学生時代に京都の「月光堂楽器」で「DXW」シリーズのアコースティックギターを買い、
その廉価版に「GABO」がある、とまで記述されていた。
が、調べはここまでで、その先には進めない。
そもそも〔GABO〕って何?
何かの略語?
英語じゃないわな。
なんとなくの予測...、
アタマのGとAは...
〝Gekkodo Acoustic...〟かも、しかしその次が見当つかない。
「B」→brand? 「O」→original?
いや、分からんぞ。
ブログの検索で〔GABO W-16〕というGuitarを、
リサイクルショップにて4,000円で入手、の書き込みあり。
70年代中期のこういうGuitarが、密かに中古市場で流通はしているようだが...。
Netオークションの元画面に立ち戻り、
出品者の掲載した現物写真を改めて見てみる。
典型的なドレッドノート。
Headstockにはbrand名「GABO」のGとBのイニシャルを組み合わせようなデザインのlogo。
abaloneぽく見えるが...そんな訳はなく、celluloidだろう。
logoデザインそのものは悪くないし、むしろ洗練されて何やらかっこいい。
Tunerは前述のようにRotomatic-Type。
このタイプは70年代中期以降、後半あたりから良くみかけるもの。
chrome-pegにはサビが見られるが、これは後から「Cre5-56」か「Shiny Man」で磨いてみよう。
Fingerboardはrosewood。
Neckにはwood系のBindingが施され、プラ製のnutの溝切りも的確な処理に見える。
6弦側の弦高設定値がやや高いようにな...感じもするがカメラアングルのせい?。
Fretの減りは少なさそう。
Topやサイド&バックに大きな傷は見られない。
saddleはやや黄ばんでいるが、saddle溝にきっちり収まっている。
(ピッチ補正Typeではないごくnormalなプラ製)
saddle高にはまだ少し余裕があるので弦高設定値が高ければ、
底面を削って調整が可能だろう。
bridge-pinは汚れているがwhite-プラ製にabalone風celluloidのdotが見える。
これもピン穴に根元まできっちりはまっている。
つまりpinの口径(さらにテーパー値)とピン穴が適合しているわけだ。
bodyにもcelluloidのBindingが施されて、しっかりした造りのよう。
TopはCedarには見えないので、普通にspruceだろうし、価格帯から、当然Plywood。
現物を見て、もしもこれが「Solid(単板)」だったらスゴイことだけど。
Side&Backは木目のキレイなrosewood(もちろんPlywood=合板)
70年代のMorrisやcat's eyesなどに良くみられる、
またまだ用材豊富だった70年代の質の良い木が使われている。
Backのセンターにはモザイク模様が施されてもいる。
楽器店などがoriginal-brandのGuitarをメーカーに発注する際、
Spec.についてどの程度きっちりオーダーに盛り込むものなのか。
OEMに手慣れたメーカーならば、各価格帯に合わせて用材を選定し、
造りそのものはしっかりとしたqualityで仕上げてくるだろう。
Guitar用材に詳しいわけではないが、
Side&Backのrosewoodやmahoganyに木目のキレイなものが使われているだけで、
音質についてもある程度の期待が持てたりするものだ。
「W-20」という型番から、当時売価、20,000円だろうと思われるGuitarとしては、
normalなSpec.ながら、写真を見た限りは、しっかりした手のメーカーが造ったものようだ。
Netオークションの写真は得てして実物以上に「美品」に見えるため、
七掛け六掛けくらいに差し引いて考えることも必要。
〔月光堂楽器店〕は創業七十年近い楽器専門店。
1945年創業というのがスゴイ。終戦の年だもの。
京都市の北、左京区の「下賀茂神社」近くにあり、
地元ではなじみ深いお店のようで、
月光堂でGuitarを買ったとかいう人がblogに書いていたりする。
今回、出品のリサイクルショップも京都市近郊の町にあり、
その点からも「月光堂楽器」の「GABO」が出品したこのshopに持ち込まれた可能性は大いにある。
これで〔GABO〕の製作メーカーなり工房までが判明すれば、さらにレア感が増すのだが...。
フォーク・ブーム、ギターブームだった70年代は、
ひとつのbrandの同タイプを複数のギターメーカーにOEMで制作しているケースも多く、
楽器店がoriginalーbrandのGuitarを販売する際も、
conceptや価格帯によって製作メーカーを選定していた。
だから同じbrandのGuitarでも、
制作するメーカーの技術レベルによって仕上がりに差が出る。
○○社製は鳴るが○○のはいまいち、というふうに。
ブログの記述から、
この〔GABO〕というbrandは、高級機ではなく普及機・entry-modelのようだ。
しかし、もし製作したのが当時、力のあるメーカーだったりすると、
その価格以上の完成度を期待することも、あながち的外れでもない。
さて、NetオークションやNetショップでのGuitar買いには、
必ず付いて回る見た目と価格と現物とのギャップ。
つまり、Netオークションの写真では「美品」でも、
実際に届いたものは当たりも多い反面、スカが無いわけでもない。
造りが良くても肝心の音が...。
ムリして張りこんだのに肩すかしで...。
期待薄だったのが驚くほどの掘り出し物で...。
思わぬLuckyも安物買いのなんとやらも、何回か経験してきた。
Netオークションでしか目にすることがないGuitarも多く、
一か八かで品定めして入札するしかないと思っちゃうのは、
アコギ好きの病気みたいなもの。
〔GABO〕なんて、いま住んでいるエリア周辺だけじゃ絶対に目にしないGuitar。
リサイクルショップなど小まめに回ってレアもの発見の可能性もあるが、
Netオークションの情報量と機能はその比じゃない。
さてさて、〔GABO〕なる、古の都の老舗楽器店のGuitarとは、
本当にレアで希少で掘り出し物で目っけもんなのだろうか。
今週末に、宅急便営業所留めから、引き取ってくる予定。
とっぴんぱらりのぷう (*^ー^)ノ☆。・:*:.・★,。・:*:.
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