無花果も今年は、もう終わりだ。去年は実は沢山ったが、青いまま枯れてしまった。
無花果の一番生りを、出来のいいところを　5個彼女の家に持って行った。
無花果の大好きなその人は　もういない。去年は初盆　大好きな無花果を持って行こうと思っていたが　持って行くことが出来なかった。今年もおかしな天気で　心配したが　それなりに生ってくれた
ご主人が　無花果大好きだったからねーよー貰いに行ってたねーと　嬉しそうにして
帰り際　忘れないでいてくれて　有難う　と
忘れるもんですか　いつもいつも　思い出していますよ　と言って帰った
おかしなもんだね　元気なころはそんなに気にならなかった。思い出したように電話したりして
たわいない話　仕事の話　これからの事　諸々　愚痴ったり　おしかりを受けたり　励まされたり
そんなに頻繁に会うわけでもない　日々の忙しさに忘れている事さえあった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
ただ無花果の生るころは　無花果貰いに来たデー　そう言ってよく家に来たもんだ。
持ってきー私がいない時でも　勝手に　持っててもいいよー
そう言っても私がいない時は　しなかった　彼女は　そういう人だった。無花果が生ると、彼女は来るもんだ　それが当たり前だった
忘れるもんですか　毎日無花果を見る度に、思い出す、もういないんだね。忘れないよ・・・・