その日の夕方、学校から次々と帰宅してきた子供たちに、昼間の犬の様子や、何とかして捕まえたいという私の思いを話した。
「病気かもしれないんだ。じゃあ、すぐにお医者さんに連れていってあげたほうがいいよね」
次女がそう言うと、みんな「うんうん」とうなずき、次は、どう捕獲するか、といった話になった。
「逃げるってことはさ、人間が怖いんじゃないかな」
長男が言う。
「そうだねぇ。その可能性はあるね。じゃさ、しばらくの間、その犬が警戒心をといてくれるまで、庭にフードを出しておいたらどうかな」
長女が提案する。