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奇跡をくれた犬たち

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公開 メンバー数:8人

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  • from: きなこさん

    2012年01月24日 18時36分57秒

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    「もう一つ、ゆうこを買ったのは農家で、農作業の合間に繁殖しているんです。そこの親父が、子供を産ませたらいい、生まれた子犬は五万円程度で売れるし、一回に六、七頭は生まれるからちょっとした小遣いになるとも言われて。これから小遣い稼ぎに繁殖しようと思っています」

    上原さんの言葉に、私はギョッと目をむいた。

    犬の繁殖は、イコール新たな命を創(つく)り出すということである。遺伝性疾患(いでんせいしっかん)の勉強はもちろん、性格や体格、毛色ひとつとっても、かなり深く勉強せねばならない。ちょっとした小遣い稼ぎ程度の気持ちで安易に命がつくれるほど現実は甘くないのだ。それを無視して繁殖すれば、母犬になるゆうこも、生まれてきた子犬たちも幸せなどなれない。私は、このような安易な気持ちで繁殖された犬たちの不幸を、保護犬を通してイヤというほどの目の当たりにしてきた。

    「繁殖…ですか。教室が終了した後もなお小遣い稼ぎに繁殖したいと考えられたら、そうしてください」

    私はそう答えた。彼はまだ教室に参加したばかりで、世にあふれている保護犬たちの不幸を知らない。教室の中でそれらを少しずつ話してゆき、それでも繁殖したいと思うのであれば、それはもう私の立ち入る世界ではなくなるのだ。

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