「Re:Communication コミュニケーション」
２０１０年の６月、

フランスのミディ、ピレネ地方に旅行をし、ルルドに行ってこよう、、と思わされたのは、回りの知り合いに、数人、癌にかかってほとんど毎日、彼らの事を考えない日がなかったからだった。

一人、J さんは、末期だった。

しかも ２０年以上 音信不通だったのが、フイに訪れてきた共通の友人が、
「 ねぇぇ、、J さん 覚えてる？、、」という風に話してくる。

かれこれ、癌の末期で、３ヶ月前からホスピスに入院しているのだけど、、、、という話しで、わたしの 耳に入る。

丁度、Jさんの入院している病院に行くには、２００キロくらい 離れているけど、何故か？そのような事を聞くと、別件で、その近所にいかないとならない用事が出来る。

そして、お見舞いに行った。それから、数回お見舞いした時に、

「近じか、ルルドのに行く予定してるのよ 」 わたし

すると、Jさんは、

「 あれ？ キリスト教徒?」Jさん

の返事が返って来た。

これは実に 日本人的な思考だと思っていた。

神域に行くのは、その宗教を信じている信徒だけであろう、、、という考え方は、 すごく 日本人に多い。

この部分に 帰属してしまう、、という 考え方が、

きっと、 頑なな）思考になっているのではないか？と思う。


フランス人に、 ルルドに行く、、という人に、

あれ？貴方 クリスチャン？と聞く人は、皆無でしょう、、というか、

そのような 考え方にならない、

空や場を、なんらかの私的なテリトワール、、という唯物＜支配＞感をもって、捉えてしまっているから、このような返事の仕方になるのかしら？

と思った事があるのですね。

例えば、洗礼という 儀式を見ると、日本人は、「かわいそうですね、アンナに 小さい赤ちゃんの額に 水かけられて、もう、キリスト教徒に 無理にさせられるんですね」という感情に支配される。

しかし、潜在意識では、西洋宗教だから、受け入れたくない、、、という 批判や認めたくない、、という 能動意識が、他教を批判したくそのような言説を放つ、誘引してしまう自分が 分からないのであるのでしょう。


洗礼は、昔と違って、大概 年齢が小さい時に行われる、つまり、日本でいう、初の赤ちゃんを抱いていくお宮参りと同じ意味をなす、

その後、自分の 一生の信仰を キリスト教にします、、という自発 能動意識が芽生えるまで、１４歳以降に行われる、 コンフェーマシヨン、、という儀式の間に、２回ほど、コミュにヨン＜堅信礼＞という 儀式もすます。

つまり、洗礼を受けた、、、という行為だけをみて、その赤ちゃんが、強制的に、信仰を持たされているとは判断しないんですね。

海外に飛行機旅行すると、帰りの飛行機のチケットを持っていても、日にちが 分かっていても、必ず、その飛行機に乗ります、、という意志表示を 海外先で、確認する為になんらかの 連絡を、飛行機会社や空港に しなければならない。この行為を、コンフェーマシヨン、CONFIRMATIONというのですが、何故か？この確認行為を 嫌がって、いつも文句がでる。

日本人側の文句はいつも同じで、

「最初からその日に、飛行機に乗るって 分かってて、チケットに書かれているのだから予約しているのでしょう。どうして、外国で又 コンフェーマシヨンしないと駄目なの？
サービスが行き届いてない国なんでしょう？」

と文句タラタラのサービス過剰国から来た、団体さんの 相手をする、通訳の わたしの 知り合い達は気の毒であるけど、黙って聞いている。

その 意味の コンフェーマシヨン、CONFIRMATIONと同じ、、、

乳児の時、親が勝手に洗礼させても、大きくなって、中学生、高校生になって、自分で、それなりの 意志をもってカテシズムと呼ばれる、公教要理の説明を受けることで、初めて自分自身が考えて 自分の宗教として 選びます、、、という 儀式の意味と、赤ちゃんの洗礼とは意味が違うのですね。

そのような 事を知らないで、ただ 違う信仰や宗教教だから、、という事だけで、なんでも、批判するだけでいる、、というのは、、大の大人であるのに、協調性欠如した大人として恥ずかしいと思うのですね。

そういう事を、哲学は思考の途上、構築の仕方、自分を知るのは、自分と違う他者を知る事で 分かるという事なのでしょう、、、

どちらにしても、普遍性は正直です、 閉塞世界を造って、人間関係もそのような 世界だと、ドンドン、孤立世界を自分でつくるようになりますから、、これは 哲学しているとは、言いがたいのですね。

それで、Jさんの日本人的返答の仕方から、話しは飛びましたけど、

それまでの、色々彼の話から、考えると、６月１５日中りに亡くなられるのではないか？という 勘がありました。

空海さんの 誕生日だった事もありますし、結局 ６月１５日に他界されたのです。
でも、 シャガールの 天使の絵や ルオール作の SARAH,というステンドグラスの作品を保管してある教会の歩いて直ぐ近くのホスピスだったんです。


写真は、ルルドにある地下礼拝堂、聖母マリアの出現に１８回遇った、ベルナデット、聖人です