昨年はどれだけ時分は進歩したか振返ってみると、はずかしい思いになります。

　子供のころ、学校のイベントごとに年いった来賓からは、若いあなた方のうちに勉強しておかないと年寄ると相は行きません、とのお言葉をよくいただいたものです。

　当時は、それはないだろう、自分自身の今の勉強不足を子供にかこつけて言っているのではないかと、思ったものです。(根性がまっすぐでなかったこともあって)

　 しかし、この年になるとなるほどと思います。１０数年前に裸眼では本が読みづらくなって、老眼鏡をかけたのですが、それでもここ数年で、白内障が進み、文字がかすんで読みづらく、辞書も大活字版を取り揃えました。細かい振り仮名、ルビ、発音記号、ちょっと話の筋から離れた複雑な漢字名とはしばらくにらめっこした揚句にぼやけていた画面が焦点のあった画面になるようにして理解することができます。

　そして、年寄りは、さっきあったことをすっかり忘れているのに、何十年もの前野ことを、さも昨日のことのように話す、と言われますが、若いころ覚えたことはなかなか忘れないものがあるのですが、読み終えた本の感想をまとめようとすると、もう一度本をパラパラめくる始末。
　そのため、今はレポート用紙に主な事柄、登場人物、年代、気にいった言葉などを書くようにしています。
　記憶力も、保持能力の点で若いころには及ばなくなっています。

　このほか、耳もそのうち遠くなるでしょうし、理解力も。最近では物体や空間認識の力が落ちたと思うことがあります。

　まあ、こんな状況ですが、悲観していてもしようがありません。
　今年より来年・再来年にはさらに悪くなっているでしょうから、今でもやれるだけやっておかなければ。学生時代の豆単(小型の学習用英語辞書)の赤尾好夫さんが、「人間は忘れる動物である。忘れる以上に覚えなければならない」と言っていましたが、まさに、そのとおりと今さらながら自覚して、自分を慰めて、今年も過ごそうと思っています。

　今年の目標は、手元に溜まった４年分の本を読み切ること、改めて空手道２段を目指すこと、あらたな趣味を見つけること。