９６条は第３項の例外ばかりにとらわれがちで原則を忘れてしまいがちな条文です。
私はかつて、とらわれっぱなしでした（＞＿＜）

９６条１項
「詐欺または強迫による意思表示は取り消すことができる。」

そう、まさに条文どおり取消オッケー。で、その例外が９６条３項
「（略）詐欺による意思表示の取消は、善意の第三者に対抗することができない」

つまり、詐欺かつ善意の第三者がでてこなければ取消ができるわけです。（強迫は皆さんご存知のとおり、３項の反対解釈によって善意の第三者にも対抗できます）

これ、条文をみれば当たり前じゃん！と思うことなんですが初学者時代、条文をみてもさっぱー（さっぱりわからないの略）ですし、情けないことに私は条文をひきませんでした（笑）

すると当然テキストにはこの例外ばかりがどーんと載ってますから善意の第三者・・・にとりつかれてしまい、善意の第三者がでてこないとき・・・あれどうしたっけ？となったものです（・＿・；）
いやあ、お恥ずかしい（＞＿＜）

やはり、条文なくして法律の勉強なしですね。

ちなみに２項は
取引の直接の相手方（例えばＡ→Ｂ間の契約だとすればＢ）が詐欺した場合ではなく契約部外者のＣがＡに対して詐欺を働き、その詐欺の存在をＢが知っていた（悪意）の場合にのみ取消できるよと定めております。
契約は当事者間の問題ですからＡ・Ｂ間の事情だけ本来決するべきですからね・・・知っていた場合には例外として取消オッケーとされるわけです。

↑ただし、例外によって取り消せる場合でも、善意の第三者Ｄには対抗できませんのでご注意を（９６条３項に前２項つまり１項２項とあるので）

結構込み入ってきましたね・・・つまり総括するとまず契約当事者同士で取り消せるのかを考える・・・で、そこから第三者がでてきたらどうなるのかを考えると言う方法をとるのが、ベストだと思います。

なかなか文面での伝達って難しい・・・でもやはり法律は面白いですね。