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from: 煌世(こうせい)さん
2012年04月15日 15時01分28秒
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伝奇ミステリー
上野に花見に行って帰ってきたら…突如すっごい花粉症に!鼻水が止まらない(*o;*) 2日間ダウン↓
気を取り直して。
今回はついでというか、横道にそれてトリックのないミステリーについて。
といっても、ボクは怪奇的なものが好きなので、小野不由美の伝奇ミステリー「黒祠の島」を参考にしてみよう。
この作品は画・山本小鉄子でコミック化もされています(幻冬舎)。内容は小説とほぼ同じ。
ちなみに山本小鉄子は「名探偵音野順の事件簿」(原作・北山猛邦)で単行本も出ている。この漫画、大好きだ\(^o^)/
さてと。
“伝奇”といっても、ファンタジーではない。疑似民俗学的?な世界観(物語の舞台)の中で事件が起こるというものである。
ノンフィクション女性ライターが行方知れずになり、主人公の探偵は、彼女が夜叉島という孤島に渡ったと突き止める。
島民は“カンチ”という化物を恐れる特異な信仰を持っていた。そしてカンチ信仰を代々守ってきた支配者がいた。
密室トリックもアリバイトリックもないけど、最後にどんでん返しがあります。トリックといえばそれかな。
これを読んで3つのことが気になった。
1つは、信仰と行方知れずの事件とは本来何も関連がない設定のようにみえる。ところが、行方知れずの理由と、その後に殺人事件が起こるんだけど、その動機とが結びついてゆく。
こういった物語を描くにはどうしたらいいのか?と思って読んだんだけど、失踪とその動機と、殺人事件とその動機とを、怪奇的な設定(アイディア)に結びつけた構造にすればいいんだと勉強になりました。
2つ目は、聞き込みと犯人の推測。
よくテレビのミステリードラマでやっている聞き込み。
これをどう面白く、ワクワクさせるか、が大切なのだと。
聞き込みしていくうちに、あいつが犯人じゃないか、こいつはどうだ、と探偵役は推測を立ててゆくが、これは読者へのミス・ディレクションでもある。
3つ目。コミックの方の主人公は全然魅力がない。
漫画とライトノベルのキャラの作り方をごっちゃにした解説書があるけど、単に共通項目があるだけで、別物です。
例えば、鉄腕アトムやドラえもん、ワンピース、ゴルゴ13なんかを小説にしたら面白いだろうか?
ラノベで漫画化アニメ化して面白いものは何点かあるけど、今の小説家は漫画も参考にしているので、漫画的な感覚をもっている作家もいるからなのでは、と思う。
また「欅(けやき)の木」(画・谷口ジロー/原作・内海隆一郎/小学館)という大人向けの漫画(劇画だね)があるけど、これは小説が原作だけど、とても面白い。
でも漫画化してある作品は、漫画として成り立つお話だけを選んでいるんだよね。
そういったことで、漫画のキャラはラノベのキャラ作りの技法だけではうまくいかないこともあると。
もし悩んでいる人がいたら再考しましょう。-
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