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from: 煌世(こうせい)さん
2013年01月15日 02時10分31秒
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「放浪記」と「男おいどん」
東京はすっごい大雪。
北海道で生まれ育ったボクにはたいしたことないけど。外に出る用事もなかったし。
森光子さんが亡くなられ、長く続けた舞台「放浪記」というものにちょっと気になりました。
調べると、この林芙美子の原作は何度か映画化されているとわかり、TSUTAYAへ。
一本だけありました。
モノクロ映画で、東宝作品なんだけどクレジットでは「宝塚映画」。この頃はそうだったんだ(^^)
観ると林芙美子が「放浪記」というベストセラーを書くまでと、売れてからちょっとの生活を描いた自伝的映画でした。
面白かったし、きっちりと作られていました。
ただ。
主人公は大変に苦労をして小説家になるという自分の夢を叶えた物語です。
その人生の送り方にあまり共感できませんでした。ほぼ実際の話らしいので他人がとやかく言う筋ではないけど、映画に描かれた主人公に対しての感想です。
映画の締めくくりも「花の命は短くて苦しきばかり多かりき」という林芙美子が詠んだ句です。
それで松本零士氏の「男おいどん」を思い出しました。
同じ貧乏の中で苦労しても目をあきらめないという、「放浪記」と同じ主人公です。
でも「放浪記」と違って、読後は夢や力を与えてくれます。
これが純文学とエンターテインメントとの違いだと思いました。
でも少し林芙美子に興味を持ったので新宿区立の林芙美子記念館に。
ここは林芙美子が家族と暮らした家です。
ぐるっと観て、林芙美子の印象ががらっと変わりました。
母屋の隣は画家である夫のアトリエがあって、ここに林芙美子が描いた水彩画が飾ってあります。
デッサンは素人なんだけど、とても繊細で透明感のあるふくよかな色使いです。
そしてテレビのインタビューの録画が流れていました。
「貧乏というものは大変希望のあるものだ。あとは上がればいいのだから」「苦しい思いをしないと、良い人にはなれませんよ」ということを何度も強調してました。
家も自分で構想したようで、庭にはかなりの種類の花が植えられていました。
そして木々も植えられていて、春には桜、夏には新緑から緑、秋には紅葉、冬には庭の雪景色がきれいな写真がありました。
売れるまではともかく、本当に豊かな人間性を感じました。
それにしても庭に面した仕事をする間がとても良い雰囲気でした。-
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