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  • from: Dr. slipさん

    2024年02月17日 10時08分35秒

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    猿丸太夫の正体(さつまるだいゆうのしょうたい)

    「体。い」

    柿本人麻呂の実像を解析した書物、哲学者・梅原猛の「水底の歌」を30代のころ読みましたが、今でも強烈な印象を残しています。本書は大化の改新以降の藤原氏の陰謀を主題としていますが、人麻呂更迭の話がメイン・プロットとなっています。本書では、猿丸大夫と人麻呂とは同一人物であるとされています。一般通説では、人麻呂は律令政治の中で、中の上程度の地位だったとされていますが、本書では、天皇や皇室と直接話ができる、かなり上位の地位にあったと言うことでした。そして、当時位人臣を極めた藤原不比等との抗争に敗れ、名前を猿丸大夫に貶められ、島流しにされたとのことです。人麻呂は釣り好きで、当時もっとも贅沢とされた鱸を釣り上げている姿が後世に残されていますが、彼の島流し時代の生活とよくマッチしています。
    百人一首には2人の歌が載っています。
    柿本人麻呂 「あしびきの 山鳥の尾のしだり尾の なかなかし夜を ひとりかも寝む」
    猿丸大夫 「奥山に 紅葉ふみ分けなく鹿の 声聞くときそ 秋は悲しき」

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