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独断と偏見で楽しむイタリア芸術

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from: シニョレッリさん

2013年06月24日 10時57分03秒

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美術館・教会巡り(140) レカナーティ市立博物館

おびえる聖母を描いた、ロレンツォ・ロットの非常にユニークな「受胎告知」を知ったのは、美術本からで随分前の事です。レカナーティ市立博物館で展示されている

おびえる聖母を描いた、ロレンツォ・ロットの非常にユニークな「受胎告知」を知ったのは、美術本からで随分前の事です。レカナーティ市立博物館で展示されていることは、その本から分かりましたが、レカナーティが遠くにあるので中々訪れる機会がありませんでした。初めて行ったのは2004年でしたが、ロットの作品とレカナーティの落ち着いた街並みに直ぐに病み付きになり、その後度々訪れています。

博物館は旧市街の西端にあるので、9月20日通りを西に向かいます。

街の西の入り口ロマーナ門です。左に見えるのがドゥオーモです。

左はロマーナ門、右がドゥオーモです。右の道の突き当りが博物館です。

これは市立博物館が置かれているVilla Colloredo Melsです。

7世紀頃からのマルケ州貴族コッロレード家の別荘です。

この別荘の裏に広大な市立庭園がありますが、庭園はコッロレード家の農園だったところで、19世紀頃まで葡萄やオリーヴ、野菜などが栽培されていました。

別荘ではヴィーノの醸造も行われていたそうです。

この別荘は16世紀に建てられましたが、17世紀に新古典様式に改造され、現在、見ることが出来る建物は改造後のものです。

建物の中に入ります。

博物館の入り口です。

2月の雨が降りしきる寒い日で、例によって入館者は私一人でした。

展示室はイタリアの1階、日本でいう2階にあります。

第1室です。ありました、「受胎告知」が。

ロレンツォ・ロットの「受胎告知」(1527c)です。受胎を告知する大天使ガブリエルの驚き怯えて逃げ出す聖母です。クロネコは悪魔の象徴として描かれています。

展示室天井の装飾も見どころです。

ロレンツォ・ロットの帰属作品とされる「天上のキリスト」です。私にはどうもロットの筆とは違うような気がします。

Olivuccio di Ciccarelloの「天使たち」(剥離フレスコ)です。

これもオリヴッチオの剥離フレスコ「キリスト」です。以上、2点はサンタゴスティーノ教会にあったフレスコ画だそうです。

グレゴリオ・パガーニの「聖母子と聖人たち」です。

フェリーチェ・ダミアーニ・ダ・グッビオの「チルコ・マッシモの聖人たち」です。

ヴィンチェンツォ・パガーニの「聖母子」です。天使たちが家を運んでいますが、ロレートの聖なる家を描いたのでしょう。

コッロレード家の人々の衣装だそうですが、何の用途の衣装でしょうか?

Olivuccio di Ciccarelloの剥離フレスコ「受胎告知」ですが、一枚の写真では撮りきれないので大天使と聖母に分けて撮りました。

この剥離フレスコはサンタゴスティーノ教会にあったそうです。

マルケ州の無名画家による「聖母子」です。中々の出来だと思います。

ピエトロ・ディ・ドメニコ・ダ・モンテプルチャーノの「聖母子と四聖人の多翼祭壇画」です。見事な作品です。
時間が無くなってきたので、この辺で一旦終わります。
(その2に続きます)

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from: シニョレッリさん

2013年06月24日 15時33分35秒

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レカナーティ市立博物館(その2)

博物館は1988年に設置されました。
ここの見所は何と言ってもロレンツォ・ロットの真作3作品でしょう。ロレンツォは1506年から1508年までレカナーティに住居を構えた時期と1532年から1542年までのアンコーナ、マチェラータ、イエージのマルケ滞在中に度々レカナーティを訪れた時に、幾つかの作品を制作しました。
尚、博物館はノーフラッシュならば写真OKだったので、こうして作品を紹介出来るわけです。

ロレンツォ・ロットの2作品を展示する部屋にやってきました。

ロレンツォ・ロットの「キリストの変容」(1510-12)です。

ロレンツォ・ロットの「サン・ドメニコの多翼祭壇画」(1506-08)です。サン・ドメニコ教会の主祭壇を飾っていた作品で、代表作の一つと言われる傑作です。

「サン・ドメニコの多翼祭壇画」の各パネルを見ておきましょう。

中央パネルは「玉座の聖母子と聖人たち」です。

各聖人のアトリビュートが明確に描かれているので、聖人の特定は簡単です。

多翼祭壇画というと、各パネルに分解されて分散している作品が少なからずありますが、この作品は全部揃っているようです。

でも、よく見るとプレデッラ(裾絵)がありません。

この作品には元々プレデッラがないのか、プレデッラだけ外されて何処かにあるのか、どちらなんでしょう?

この展示室の天井フレスコはかなり落剝が進んでいます。

ポマランチオの「キリストの教会への出現」です。

ピア・シモーネ・ファネッリ工房による「聖フランチェスコ」です。

マルケの無名画家による「聖フランチェスコ」です。ファネッリ工房作よりも、こちらの方が良いと思います。

ジャンバッティスタ・プラッツェッタの「男の肖像」(帰属)です。

ピア・シモーネ・ファネッリの「聖フラヴィアーノの殉教」です。

ピア・シモーネ・ファネッリ工房による「聖ジロラモ」です。

典雅な天井装飾に見とれてしまいました。

上ばかりを見ていると首が痛くなります。

コッロレード家の紋章です。

別荘の調度品も展示されています。

コムーネ関連の多彩な展示も、この博物館の特徴です。

この辺はざっと見るだけです。

絵皿の展示が見事です。



これらの絵皿の用途は何でしょうか?


この壺、何と騙し絵です。

考古学部門や近代・現代絵画・彫刻部門など、本当に沢山に展示がありますが、ここでは紹介を省きましょう。
退館する前に、ロレンツォ・ロット作品の展示室に戻って、もう一度見て、再訪を期しました。


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