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from: シニョレッリさん
2012年12月30日 14時51分39秒
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傑作選(32) ヴェッキエッタの「聖母被昇天と四聖人」
ピエンツァにはこのところご無沙汰していますが、来年4月頃に行って、この作品と再会するつもりです。
この作品はピエンツァ大聖堂にありますが、ピエンツァに現存する美術品の中の最高傑作だと思います。
ヴェッキエッタはシエナ派の画家として有名ですが、絵画だけに留まらず彫刻家、建築家、軍事技術者としても実績があった、本当の万能の天才でした。リナシメント期には万能の天才が何人も出たのは何故でしょうか?このことを考えると、本当にイタリアは奥が深いと改めて思います。-
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from: シニョレッリさん
2012年12月29日 07時52分42秒
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傑作選(31) セバスティアーノ・マイナルディの「受胎告知」
この作品ですがサン・ジミニャーノの参事会教会にあるフレスコです。優雅な表現が光りますが、見る限りドメニコ・ギルランダイオの作品の様に思えます。
ところでセバスティアーノ・マイナルディ又はバスティアーノ・マイナルディと言う画家をご存知でしょうか?
実は、この作品は従来ドメニコ・ギルランダイオ作とされていましたが、研究が進みドメニコの作品ではなく、最近になってサバスティアーノの作品と帰属されたのです。
セバスティアーノはドメニコの妹と結婚したそうで、ドメニコの義弟に当たるのですが、ドメニコの工房で修業して、その後独立しました。と言ってもドメニコの工房の一員として働いた期間が長かったことから、彼の作風はドメニコに極めて近似しており、違いと言ってもドメニコよりも少し典雅くらいでしたから、彼の独立後に制作した作品もドメニコの作風とほぼ同じだったので、その帰属を巡って混乱が生じているのです。
裏話は兎も角として、この作品は中々の傑作だと思います。-
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from: シニョレッリさん
2012年12月28日 04時40分57秒
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傑作選(30) ヴェロッキオの「ダヴィデ像」
ダヴィデは巨人ゴリアテの首を切り落とし、英雄となってユダヤ王国の二代目王となりましたが、彼はキリストの先祖でもあるので人気者という事で、多くの芸術家が彫刻や絵画にダヴィデを手懸けました。
バルジェッロ国立博物館にあります。
同博物館の一階下にはドナテッロの「ダヴィデ像」もあります。アッカデミア美術館には勿論ミケランジェロの「ダヴィデ像」がありますが、どれも最高傑作ですね。
これはブロンズ像です。フィレンツェにある三つのダヴィデ像のうち、正直なところ、この作品が最も影が薄いかも知れません。
このダヴィデのモデルですが、ヴェロッキオに入門したばかりのレオナルド・ダ・ヴィンチと言う説があります。だからこそ、私はこの作品を穴のあくほど見てしまうのです。
若きレオナルドは美男として有名でしたね。私にはこのダヴィデは美少年というよりも、どうも少し女性ぽい感じがします。-
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from: シニョレッリさん
2012年12月27日 09時19分43秒
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苦手選(4) ティントレットの「最後の晩餐」(ルッカ大聖堂)
ティントレットは多作な画家で、イタリアでも名の知れた美術館の殆どで彼の作品が展示されています。
初めてルッカ大聖堂に行った時、彼の「最後の晩餐」があったので、驚くと同時に妙に感心しました。「ルッカからでも注文があったのですね」と。
ヴェネツィアや当時ヴェネツィア領だった所の教会で彼の作品があるのは自然ですが、当時、ルッカは独立した都市国家でしたから、彼に作品を依頼する確たる理由に思い当たりません。
ヴェネツィアは海水のためフレスコ画が向かない土地でしたから、フレスコの代わりにキャンバス画を壁に貼り付けるという事で大画面のキャバス油彩画が盛んになったとの事です。また、ヴェネツィア政府はヴェネツィア領だった各都市に対して、ヴェネツィア共和国繁栄のPR手段として大画面の絵画を贈ったそうです。それによって共和国政府の公式画家になると多数の大画面絵画の注文を受けることになりました。
ティントレットはその代表的な画家で、多くの弟子を抱えた大工房を運営して多くの作品を手懸けたそうです。ティントレット作と言っても彼の手が全く入っていない作品も結構あって、駄作・凡作の類も少なくありません。
弟子は独立してギルドに入会し、親方になるのが夢だった筈ですが、今日まで名が残っているティントレットの弟子は息子のドメニコとマルティン・デ・ヴォスくらいしかいませんでした。
アンドレア・デル・サルトと比べれば何たる違いでしょうか?-
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from: ザヴィエルさん
2012年12月27日 01時04分05秒
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from: シニョレッリさん
2012年12月26日 07時20分49秒
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傑作選(29) ジョゼッペ・サンマルディーノの「ベールをかけられたキリスト」
この作品には何時も驚嘆させられます。イタリアにはどうしてこのような天才としか言いようがない、名人芸の彫刻家が輩出するのでしょうか?
十字架降下した死せるキリストをベールで覆った状態の大理石彫刻なのですから、これには感服します。薄いベールで透けたキリストの裸体が見えるのです。大理石彫刻でベールで透けた表現するとは正にサンマルディーノの名人芸ですね。
サンマルディーノはロココ期の彫刻家ですが、この作品はバロッコ彫刻の最高傑作の一つだと思います。
ナポリのサンセヴェーロ・デ・サングロ礼拝堂にあります。-
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from: シニョレッリさん
2012年12月25日 07時02分06秒
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傑作選(28) アントネッロ・ダ・メッシーナの「受胎告知される聖母」
ヴェネツィア派に大きな影響を与えたアントネッロ・ダ・メッシーナはリナシメント期の天才の一人と言えましょう。
パレルモのシチリア州立美術館で展示されています。
「受胎告知」は告知する大天使ガブリエルとセットで描かれるのが普通ですが、この作品では聖母のみで、告知する大天使はこの作品を見ている貴方という構成です。この作品に感動したレオナルド・ダ・ヴィンチはこの作品と対になる大天使ガブリエルを描いたと伝えられていますが、レオナルドの作品は現存していません。見たかったよ!!!
この作品の精巧な模写がヴェネツィア、アッカデミア美術館にあります。アントネッロの甥アントネッロ・デ・サリバの作品です。
また、この作品の姉妹編と言うべき作品がミュンヘンのアルテ・ピナコテークにあります。勿論、これもアントネッロ・ダ・メッシーナの作品です。ついでに作品画像を載せましょう。
どちらがお好きでしょうか?
私はパレルモにある方が好きです。-
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from: シニョレッリさん
2012年12月24日 07時25分16秒
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傑作選(27) フランチェスコ・アイエツの「憂鬱な思い」
バロッコ期までを対象にしている私ですが、例外は何処にでもあるもの、好きなのだから仕方が無い、という事で、再び19世紀の作品を取り上げます。
服の襞、花、背景の壁、片肩のしどけなさ、等々で女性の憂鬱な思いを更に間接的に表現したところが絶妙です。一応ロマン主義の分類されるアイエツですが、この作品は古典主義への回帰が認められると思います。
個人蔵の作品のようですが、何故かミラノ、ブレラ絵画館で常設展示されています。-
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from: シニョレッリさん
2012年12月23日 12時53分28秒
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美術館・教会巡り(61) ローディ、インコロナータ教会
ローディの必見はインコロナータ教会でしょう。
御覧の様な狭い道に面しています。
正式名称はTempio Civico della Beata Vergine Incoronataと言います。
鐘楼があるので教会と分かりますが、正面は普通の建物のような造りなので、この教会を探す場合、少し注意が必要かも知れません。
1488年に建設が始められ、1494年に最初の献堂式が行われました。
教会正面ですが、教会の様には見えません。
教会の入り口です。
内部は教会としてはユニークな八角形で、その各角には礼拝堂が設けられています。堂内の柱、天井など壁面全てに装飾が行われています。ここは本当にお宝芸術品に溢れた空間なのです。
主祭壇です。
天井にはカッリスト・ピアッツァとステファノ・マリア・レニャーニの二人による「聖母の物語」のフレスコ画があります。
各礼拝堂に平均4枚の祭壇画があるので、じっくり鑑賞するには時間が必要です。
ベルゴニョーネの「受胎告知」です。この教会に於ける最高傑作は恐らくこの作品だと思います。ベルゴニョーネの祭壇画はこの他に3枚あります。
マリティーノ・ピアッツァとアルベルティーノ・ピアッツァの二人による「聖母戴冠の多翼祭壇画」です。
過剰とも言える装飾の目的は何だったのでしょうか?
主祭壇です。
ロンバルディア・リナシメントの宝石と言われるだけあって、行くだけの価値は十分あると思います。-
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from: シニョレッリさん
2012年12月23日 08時02分35秒
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傑作選(26) アンニーバレ・カラッチの「エジプトへの逃避」
エロデ王の虐殺を逃れるために聖家族がエジプトへの逃避行に出たと言う、所謂「エジプトの逃避」は宗教画の定番と言うべき画題で、多くの画家が手懸けています。
中でもアンニーバレのこの作品は風景画のようです。ドーリア・パンフォーリ美術館で展示されています。
初めてこの作品を見た時、風景画と思いました。途中でガイドブックを買って漸くのこの作品の主題が分かった次第です。
ドーリア・パンフォーリは質が高い展示を誇りますが、壁一面に沢山の作品が所狭しと展示されているので、傑作中の傑作さえも見逃すことがあって鑑賞が大変です。それでも、この作品は異質で目立ちます。
伝統的な描き方である聖家族を大きく、周りの風景はオマケを脱して、風景が主体、人物を小さく描いたという、本当に新しい描き方をしたところにアンニーバレの革新性の真骨頂が出ています。-
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