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独断と偏見で楽しむイタリア芸術

独断と偏見で楽しむイタリア芸術>掲示板

公開 メンバー数:54人

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  • from: シニョレッリさん

    2014年03月28日 09時24分54秒

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    美術館・教会巡り(264) Padova、Chiesa di San Nicolo


    Via San Nicoloです。

    広場に来ました。

    サン・ニコロ広場です。

    鐘楼が教会の建物にくっついているサン・ニコロ教会です。

    銘板ですが、教会のパンフレットとはかなり違います。

    創建が10世紀頃ですが、最近の発掘調査によって、それよりも遥か以前に初期キリスト教会があったことが確認されました。完成は、恐らく1305年、14世紀の完成と言えば、より確実でしょう。(教会のパンフレットに基づきます)

    元々はロマネスク・ゴシック様式の建物ですが、17-18世紀の修復の際、外観が変更され、それが現在の姿に至っています。
    13-14世紀建設の鐘楼は、荒廃が進んだので18世紀に取り壊されました。現在の鐘楼は19世紀に再建されたものです。

    内部は、左右非対称の四廊式のゴシック様式となっていますが、幾度か行われた修復によって複雑な構造と建築様式になっています。

    右側に二つの側廊があります。

    左側廊

    今は殆ど装飾がありませんが、元々は壁と言う壁すべてがフレスコ画で覆われていたと考えられています。

    後陣です。祭壇が無いのが不思議です。

    後陣のフレスコ画は15世紀頃に描かれたそうですが、制作者不明のようです。

    Gerardino da Reggioのフレスコ画(1353-1379)が部分的に残されています。

    Giovanni da Pisaの「聖母子のテラコッタ」(帰属作品)

    こちらの礼拝堂の壁の一部にもフレスコ画が残されています。

    15世紀頃に描かれたものです。

    制作者不明です。

    ジャンドメニコ・ティエポロの「聖家族と三聖女」(1777)

    ヤコポ・ガバーノの「玉座の聖母子と洗礼者ヨハネと聖フランチェスコ」(1747)

    資料に記述がなく、詳しいことが分かりません。

    この「聖母子」は可なり新しいと思います。

    教会を出て、ドゥオーモに向かいました。

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  • from: シニョレッリさん

    2014年03月27日 16時10分51秒

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    傑作選(81) ヴィンチェンツォ・フォッパの「書物の聖母」


    15世紀のロンバルディア派における最も重要な画家であるVincenzo Foppa(1427c-1515)の代表作(1460‐1468)です。
    パドヴァのフランチェスコ・スクァルチョーネに師事したのですが、そこの工房にアンドレア・マンテーニャがいて、大きな影響を受けました。この作品は初期のもので、幼きキリストの肌着や画面周囲の文字はマンテーニャからの借用です。
    パドヴァやヴェネツィアで腕を磨くと共に、マンテーニャに加えてヤコポ・ベッリーニやカルロ・クリヴェッリなどヴェネツィア派の影響を受けながら、画風を次第に変えて、人間性に溢れる写実主義の独自の様式を確立したのです。

    この作品は、ミラノのスフォルツァ城のミラノ市立博物館にあります。

    ミラノ市立博物館には、フォッパの作品が「書物の聖母」の他に7作品あるので、フォッパ・ファンには堪らない場所となっています。

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  • from: シニョレッリさん

    2014年03月27日 10時01分57秒

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    美術館・教会巡り(263) Padova、Basilica di Santa Giustina

    今回は、バロック期祭壇画の宝庫とも言えるサンタ・ジュスティーナ聖堂です。

    広いPrato della Valleは、市の人出で賑わっていました。イギリス国旗の先に教会のクーポラが見えますが、あれが目指す聖堂です。

    非常に大きな教会です。

    5世紀頃の初期キリスト教会が前身ですが、1117年の地震によって倒壊してしまい、12世紀に再建されました。15世紀後半、信者の増大と教会権力誇示のために巨大な教会の建設が決まり、1502年に再建された教会が取り壊されました。
    1532年に創建され、1579年に一旦完成し、1606年に奉献された教会がほぼ現在の姿となっています。

    クーポラが8つあります。

    この聖堂は有名ですが、一応撮っておきました。

    ファサード前の左横にある彫刻です。

    三身廊、ラテン十字形、ルネサンス様式の聖堂内部です。

    内陣中央から右側廊の眺め

    左右の側廊に礼拝堂が設けられています。
    では、祭壇画を見ることにしましょう。

    ピエトロ・リベーリの「サンタ・ブルトルデの光悦」(1677-78)

    Carlo Lothの「聖ゲラルドの殉教」

    ルカ・ジョルダーノの「サンタ・スコラスティカの死」(1674)

    パルマ・イル・ジョーヴァネの「弟子を歓迎する聖ベネデット」(1618)

    アントニオ・バレストラの「天使たちに助けられる聖コズマと聖ダミアーノ」(1718)

    右翼廊です。手前に見えるのは「殉教者の井戸」です。

    ピエトロ・ダミーニの「殉教者の井戸の発見」

    右翼廊の先は、フレスコ画で一杯です。

    一説に1502年に取り壊された教会のもの、と或るのですが、それ以降に描かれたように思います。

    制作者は不明のようです。

    パオロ・ヴェロネーゼの「サンタ・ジュスティーナの殉教」(1572)

    礼拝堂の名前を控えてくるのを忘れました。

    アントニオ・バレストラの「聖コズマと聖ダミアーノの殉教」(1718)

    セバスティアーノ・ガルバーニの「嬰児虐殺」

    Valentino Le Fevreの「病人を救う聖マウロ」

    ルカ・ジョルダーノの「聖プラチードの殉教」

    Antonio Zanchiの「聖ダニエーレの殉教」(1677)

    セバスティアーノ・リッチの「聖グレゴリオに顕現する聖母子」(1700c)

    パオロ・ヴェロネーゼの追随者による「聖ジャコモの殉教」
    まだまだありますが、キリがありません。

    聖堂を出て、サンタントニオ聖堂に向かいました。

    サンタントニオ聖堂は大修復中でした。聖堂内部は写真禁止なので紹介できません。

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  • from: シニョレッリさん

    2014年03月25日 14時58分56秒

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    傑作選(80) ヴィターレ・ダ・ボローニャの「聖母子」

    傑作選、苦手選でこのサイトの対象外である19-20世紀の絵画を取り上げてしまいました。少し違和感があったので、本来の1700年以前の作品に戻します。

    別名「歯の聖母」とも言われています。小さな祈祷所の為に描かれた多翼祭壇画の一部と考えられています。他のパネルは残っていないようです。
    14世紀中頃に描かれた作品としては、際立って表情が人間的であることに加え、装飾が一段と華やかで、表現豊かである点が出色です。
    Vitale da Bologna(1330-1361記録)ですが、その通称の通り、彼の作品の殆どがボローニャで制作されました。
    この作品ですが、私はボローニャのMuseo Davia-Bargelliniで見たことがあるのですが、この項を書くに当たって、Web Gallery of Artを覗いたところ、Museo Civico di Imolaの所蔵とありました。
    現在、作品は何処にあるのでしょうか?

    ボローニャのPalazzo Bargelliniです。
    ここにMuseo Davia-Bargelliniが置かれています。展示作品数は多くないですが、何れも粒揃いの傑作ばかりで、楽しめる美術館です。

    入口にある、この彫刻がPalazzoの目印です。

    Plazzoの位置ですが、写真手前の柱廊の向こうにある建物がPalazzoになります。

    その柱廊は、サンタ・マリア・デイ・セルヴィ教会のものです。この教会を目印に行けば、美術館に行くことが出来ます。この教会にもヴィターレのフレスコ画があるので、見逃さないようにしましょう。

    イーモラ市立美術館です。私が行った時には、この作品は無かったと思います。

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  • from: シニョレッリさん

    2014年03月24日 15時51分40秒

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    苦手選(5) カルロ・カッラの「幽霊たちの楕円」

    私にとって、この種の作品は苦手中の苦手ですが、皆さんはどうでしょうか?

    ローマ国立近代美術館にあります。
    カルロがデ・キリコと出会い、形而上絵画を描き始めて間もなくの1918年の作品です。
    未来派だった頃の彼の作品と比べれば、私にとって何とか見ることが出来ますが、やはり肌合いが合いません。

    人気がないと思うのは間違いで、この作品の前でガイドさんの説明を熱心に聞いておられる方々が沢山いらっしゃいました。
    この美術館に行くと、人の好みは千差万別と改めて思い知らされます。

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  • from: シニョレッリさん

    2014年03月24日 07時52分17秒

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    街歩き(50) ローディ (その2)

    Stuccoが見事な建物です。

    装飾されている建物が多いのがローディで、それは街の繁栄を示していると思います。

    「聖母子」のテラコッタ

    フレスコ画が見事なインコロナータ教会の鐘楼です。インコロナータ教会は、既に「美術館・教会巡り」で触れました。

    サン・フィリッポ教会と市立美術館です。教会の方はあまり見所がありません。教会に隣接する修道院が市立美術館と図書館になっています。

    開館日の開館時間に行ったのですが、何故か、この日は開いていたので図書館だけでした。イタリアでは、このような事は珍しくありませんが、そうは言っても流石に意気消沈でした。

    美術館で2時間ほど費やす予定だったので、時間が余りました。

    教会の建物は、音楽会などに使用されているTeatro alle Vigneに変身しています。教会は音響が良いので、演奏会場としてピッタリです。

    何の建物でしょうか?

    Collegio S. Francescoと書いてあります。幼児を連れたお母さんが次々と建物に入っていったので、幼稚園かも知れません。

    幼稚園らしき建物のすぐ側にあるのが、サン・フランチェスコ教会です。この教会も「美術館・教会巡り」でやりました。

    回廊のフレスコ画が見事なマッジョーレ病院です。

    壁一面がフレスコ画で覆われたサン・ロレンツォ教会です。

    Castello Visconteoに向かいます。

    カステッロはあまり残されていません。街のシンボルとなっているIl Torrioneです。

    Porta Imperiale

    城は公園になっています。

    城壁で囲まれた街ですが、部分的に残されているだけのようです。

    この建物にも「聖母子」がありました。

    時間が無くなってきたので、この辺で終わることにしましょう。

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    ぐら姐 Yuko

  • from: シニョレッリさん

    2014年03月24日 07時15分20秒

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    Yukoさん、こんにちわ!

    コメント有難うございます!

    ブログ、拝見させて頂きました。いいですね、貴重なご経験ですね。

    旅先の本当に偶然としか言いようがない、出会いが私にもあります。その経緯は、いずれここで触れることにしましょう。

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    Yuko

  • from: Yukoさん

    2014年03月24日 00時57分29秒

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    シニョレッリさんこんばんわ。
    ローディ懐かしい町です♪
    4年前イタリア人ご夫妻の住む家に4泊させてもらいました。
    その方との出会いがドラマティックなんです。
    初めてのひとり旅でローマからカターニャに向かうフィウミチーノ空港で声をかけられ4年後イタリア語を習い始めたのを機にメールを出してヴェネチア サン・マルコ広場で再会した時「次にイタリアに来る時は私の住むローディにいらっしゃい」とお誘いを受け厚かましくも押しかけたのです(^^ゞ

    今年もまたいらっしゃいと云って下さっているのですがミラノ方面は行く予定がなく感謝しつつお断りするメールを書かなければいけないのが悩みの種です。

    ドゥオーモ広場で結婚式に出会い感激したものです。



    この日のブログ宜しかったら読んでください。
    http://okko-ciao.at.webry.info/201103/article_2.html

    必ずまた行く事になる気がしています。

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  • from: シニョレッリさん

    2014年03月23日 15時56分26秒

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    傑作選(79) アントニオ・カノーヴァの「三人の美徳の踊り」

    アントニオ・カノーヴァといえば、新古典主義の代表的な彫刻家ですが、暇潰しとは過言ですが気晴らしに描いた絵画も素晴らしいものがあります。
    彫刻は、立体的ですから写真で作品を紹介しても、実物から受ける感動とか、圧倒される感じなどとは乖離してしまいます。
    と言う訳で、彫刻ではなく、敢えて数少ないカノーヴァの絵画の中から、「三人の美徳の踊り」(1799c)を選んだ次第です。

    ポッサーニョPossagno(ヴェネト州トレヴィーゾ県)のCasa di Canovaにあります。
    尚、カノーヴァは、1757年にポッサーニョに生まれ、1822年にヴェネツィアで没しました。

    黒い背景に鮮やかな色彩で三美神を浮かび上がるように描いた、繊細で優美極まりない傑作ですね。
    これと同じものを彫刻で作品を残しているので(彫刻の方は絵画の後で制作されました)、絵画は彫刻の構想を練るための前段階として描いた可能性があるのではないでしょうか。

    カノーヴァを私が尊敬して已まないのは、ナポレオンのイタリア侵攻によってフランスに略奪された数多くの芸術品をイタリアに取り戻す活動を行ったからです。彼の努力が切っ掛けとなって、嫌々ながらフランスがイタリアに返還した作品が少なからずあるのです。勿論、返還に応じず、ルーブルなどで展示されている略奪美術品も多いですが。

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  • from: シニョレッリさん

    2014年03月23日 11時35分08秒

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    傑作選(78) シルヴェストロ・レーガの「蔓棚」

    久し振りの傑作選です。
    先ずは作品を見て戴きましょう。

    ミラノのブレラ絵画館にあります。
    イタリア統一運動に参加するなど熱き血を持つシルヴェストロですが、光と色彩に溢れた甘美で魅惑的、且つ抒情的な表現はルネサンス期を彷彿させ、正しく時代を超えて私の心をつかんでしまいます。
    一応、1700年以前の作品を対象にしていますが、良いものは良いので例外としています。
    シルヴェストロは傑作選(51)で既に取り上げたので、これで二作品目ですね。

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